Demon'Blacksmith Bustle 魔鍛冶師の喧騒 18
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そこにあったのは曇天広がる広い場所、
正面にある四角のスペースの階段状の段差の上にある背もたれが斜めに壊れた玉座と比較的広い空間がここが王がいる玉座の間であることを物語っているが、
すでに絨毯などは無く、天井すら半壊していて曇りの中の光が差している・・・
そして、そこにたたずむおっさんが一人こちらに振り返り、いや・・・
その決意に見た顔つきに目つき鋭い白目まで赤き魔の瞳、茶に染まるオールバックの長髪に口髭にロング顎髭、
着たるは金縁の重厚な黒鎧にトライアングル肩アーマーについた濃紺のマント、金縁の黒盾には赤で話に聞いた梵字というものが一文字描かれ、右手には白銀両刃の長剣・・・
そして、胸の中央には、なぜかひし形の、蠢きまだら紫色のクリスタルが付いていた・・・
そのおっさんが重圧を放ちながらこちらを見据え、口を開く・・・
「ほう・・・まさか、ここまでやってくるものがいるとはな・・・」
重厚かつ威圧感たっぷりな声だ・・・
「へぇ、あんたがここの王様ってやつか・・・」
「その通り」
「なら、ここに賢者の石があるってことだよな、邪気がガンガン来てるぜ・・・」
感心したように口上と眉を上げ
「ほう、だが、渡すわけにはいかんな・・・」
るも話しながらすぐさま王様の目つきがさらに鋭く・・・!
「なら・・・力ずくだ、どうせ、もう人間じゃないんだろう・・・」
「察しがいいな・・・だが、渡すわけにはいかん!我が計画を成就するためにも、邪魔者は、排除させてもらう!!」
互いに剣を振るって走り込み、叩きつけ合う!
鋼がぶつかる音が響きあう!
俺は右に左に剣を振って通そうとするが、確実に喰らいついて防ぎすぐさま一閃の反撃をしてくる!
慌てて後ろに跳んでかわしつつ銃をぶっぱなす!!
「遠距離攻撃か!」
目の錯覚か、いきなり剣が刃先が左右に分かれつつ根元より反対の外側に回転し、持ち手が下に折れ弓の形状となる!
「な・・・!?」
「見たか?からくりではなく魔法だぞ?」
俺が驚いてるあいにもそこで魔力の糸が両端を結びもう一方の手でそれを引きながら、中央に出てきた魔力の矢を糸を放し撃ち出す!!
中央でぶつかり塵と変わる弾丸と矢!!
「なら!合わせ技で・・・」
杖を出して念じ、炎水龍を生み出して左右に出しつつ、俺自身は盾を回転させつつ突進!!
「ならば受けてたとう!!」
向こうは盾を前に出しつつ向かってくる!
すると、向こうは盾がぶつかり合う寸前に剣を床に立て突き、そこから王のもとに向かう左右の炎水龍の行く手を阻むように鋭い岩が競り出てくる、だがな!
「取り囲め炎水龍!!」
そんなんじゃこいつらは止められない!
盾がぶつかった反動を利用して後ろに跳びながら炎水龍を回らせ
「弾けろ!」
炎水龍に炎と水が駆け巡り、水蒸気爆発を起こす!
・・・これなら・・・
だが、白い水蒸気の煙の向こうには威厳たっぷりに立ったままの鎧男のシルエット・・・
「マジかよ・・・」
水蒸気から、金属の足音響かせ、黒き王は前に出てくる・・・
王は立ち止まりつつその鋭い目で俺を見下ろし
「その程度の攻撃など我には効かぬ・・・」
・・・面白れぇ・・・
「絶対に斬り裂いてくれる・・・」
「待てぃ!!」
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