カードゲームライトノベル Wカードフュージョン14話 メインサーバのありし場所5
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「どういうこと・・・?」
「ここから去るんじゃなかったのか?」
大男の右口角がニヤリと上がるがこれは無視し、
「質問に答えてよ」
「そうカッカするな、単純にこれから城に突入する作戦を行うだけだ、周りを見ろ」
見ると、トラックの周り、そこにはたくさんの車が並ぶと共に種々雑多な人たちがいた、いや、人ではないか、
その年齢は老若男女いたが、一様にズボンと上着のボロボロの服をまとい、こちらの様子を見守っている、
長い茶色の癖っ毛の女性、髪の量が薄く、白いヨボヨボの老人、十歳ぐらいのポニーテールの女の子、
だが、それらは一様に、顔や腕、足、露出した部分のどこかに機械的な線や機械の内部を露出させ、自分たちはロボットであるということを強調させている、
例えば、女性は右目が鉄色のカメラアイであるし、老人は首元の皮膚が破れ内部の幾本ものパイプや数珠つなぎパイプ等を露出させ、女の子は鼻上から左右に内部の機械を見せるように銀の線が入っていた、
そして、それらの一部が、屋根が無く角々したボディとゴツゴツしたタイヤ持つジープや、
下部が砂にまみれたボックスタイプの黒のワゴン車、
元は高級車だったかもしれない全体的に錆の浮いて前部上に折られた何かのオブジェが乗った前後に長い白い車や
丸みを帯びた青い車や赤い車の中にが乗っているのだ
「これから俺達は城に潜入する、が、城の方は警部が厳重で一寸の隙無く警備ローテートが組まれ、監視カメラが設置されてる、早々簡単に入り込める隙は無い
「ぬぅぅ・・・」
「どうだ、俺達の作戦に参加したほうがいいだろう、もっとも、そちらだけだが・・・」
「残念ながら、私一体で城の中の奴らを相手取るのは難しいだろう、双歩と一緒でなければだめだ」
「だが、しかしだな、いいか、レジスタンスの戦力は人間の味方であるロボットの数に比例する、現状、それは、今、私達人の姿を模したロボットのみだと言っていい」
「まぁ、その理屈はわかるけどさ、それが何か?」
「それに、俺達は俺達の後継をこれ以上、生み出すつもりはないんだ、俺達が人間にとって災厄の種となりえる以上、な」
災厄の種・・・?災厄の種って・・・人に近い容姿・・・あ!もしかして、こいつら、ナユタさんとこと同じ理由で製造された者達なのだろうか・・・?だとするなら、災厄の種とは、その、彼らの製造理由によるものだろう、確かに、人間に対しての災厄は取り除いておくに越したことはないが・・・それに、ナユタさんとこと知り合いなら、僕達の事を知っていてもおかしくないが・・・
「また、そうやった、俺達以外の製造工場を占拠したとて、すぐに取り返されるのがオチだ、よって、戦力が最大化している今、一番の司令塔、ガイキシンを叩き、相手を総崩れさせるのがいいと判断した」
ガイキシンを・・・!?
大男のサングラスが一瞬、キラリと光る
「あいつらはガイキシンに異様な信頼を持っている、恐らく、メインサーバを確保しているせいだろう、ならば、メインサーバをこちらが確保して、情報を掌握する、そして、各地に走る情報ケーブルからウィルスを流し込み、管理されているロボット製造工場を始めとした施設をこちらの手中に収める」
「そこいらへんの理屈は解らないでもないけどさ・・・」
喉の奥に引っ掛かった違和感を、吐き出す
「そうやって、戦いを求めて、人間と仲良くなれるの?」
「何?」
大男の視線に一瞬敵意が混じる、しかし、それに臆するつもりは、無い、
「さっきだってそうじゃない、人間である僕を認めないなんて、なんか、戦いに勝てばいい、そう思ってるようにしか思えない、人間と仲良くすることを出しに、戦いがやりたいだけなんじゃないの?、ロボットの製造工場にウィルスを入れるのだって、戦わないロボットの製造工場にウィルスが行かないような仕掛けでもしてるの?そうじゃないなら、無差別にそんなことやっていいとでも思ってるの?他のロボット達と戦い合いたいの?」
「俺は・・・そんなふうには・・・」
「まぁ、待っておくれ、」
その声は!?
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