バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

ウルフォス/2

ウルフォス 2
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 「それでは、新人隊員を紹介する!!」
 「学狼、伴人です!よろしくお願いします!!」
 灰色の四角い部屋、中央に平たいカプセルの形をした机や奥に巨大モニター、ところどころに色とりどりのボタンや計器が置かれた少し広い部屋で、
 目の前の黄色いジャケットと濃青のズボンを羽織ったような三人の隊員たちが怪訝にこちらを見てくる・・・
 「どういうつもりですか!学芸員を前線に出すなんて!!」
 鷲のような速さと鋭さの印象を持つ人が前に出てくる
 「いえ、私は、学芸員ではなくて、大学の院生で」
 「どうでもいいそんなこと!!」
 「鷲ヶ埼!これは在来先生の要請なんだ!!」
 俺の隣にいるここまで案内してくれた人が怒鳴りつける、しかし、俺は戸惑った
 「え・・・あの・・・皆さんは、学者や大学の人じゃないんですか・・・?」
 外来種駆除のための組織だと聞いて、てっきりそういう人たちの集まりだと思っていたのだが・・・
 「違う!俺は自衛隊より米空軍に出向していた空軍の戦闘機乗りだ!!」
 え・・・?
 そう言ったのは鷲のような人、
 「俺は警察の特殊部隊にいた、いわば犯罪鎮圧の狙撃手だ」
 その後ろ左にいたチーターのような脚力と真面目さの印象を持つ人がそういった
 え・・・?
 「私は自衛隊で衛生兵をしていました」
 今度はその逆の方にいるタンチョウのような優雅さと力強さを持つ人だ・・・
 ええ・・・?
 「すごい面々だな・・・もっとも、私も元自衛隊員で、今は猟友会所属のマタギなのだがな・・・」
 と、隣にいる人が言った
 「謙遜しないでください!あなたも、自衛隊の特殊部隊の隊長だったじゃないですか!!」
 えええ・・・!?
 思わず改めて見直す、
 この隊員たちと同じ服をまとったゴリラのような人が・・・
 「ええと・・・ええと・・・」
 呆気に取られてしまったが、とにかくこの空気を変えなければ・・・
 「そうだ、なんで、このチームに、先生が、僕を推薦したんですか?」
 「ああそうだ、それを説明しなければならないな・・・」
 と、ゴリラのような隊長・・・たぶんが皆を見渡す・・・
 「本来は、在来先生に来てもらうところなのだが、在来先生はもうお歳で、厳しい訓練に耐えられないそうだ、だが、どうしても、専門家には来てもらう必要がある、そこで、心当たりを相談したところ、彼を紹介されたというわけだ」
 「確かに、彼ならまだ若い、だが、訓練に耐えられるかは別だ」
 豹のような人が顎に右手を当て考えつつ意見を放った
 「その通りではあるが・・・」
 「あの!」
 そうだ、俺は・・・外来種問題を解決するためにここにいるんだ!!
 一歩前に出て、俺自身の考えを放つ!
 「俺!在来先生が俺を選んでくれたってことは、俺のことをそこまで認めてくれてるってことだと思うんです、俺は、そんな先生の思いに応えたい、いや、それだけじゃない、もっと根本的な問題として、外来種問題を一つでも多く解決したい、だから、このチームに加えてください!訓練でもなんでも、耐えられるだけ耐えて見せます、だから・・・お願いします!!」
 そして、大きく頭を下げた
 思わず見合う隊員たち・・・
 「ま、ダメだったらその時は別のやつ連れてくればいいだろ・・・」
 「そんな簡単に見繕えるとは思わないけどな」
 「いないよりはマシ、そういう感覚でいいの?」
 と、タンチョウのような人が膝をかがめて見てくる
 「いない方がいいなんて状況になったら、即刻このチームから追放するから、覚悟してね」
 「あ・・・ありがとうございます!!」
 「まぁ、気負いする必要はない、在来先生もベースから補助してくれるそうだ、だが、何かあったときは君の知識が頼りだ、そのことだけは忘れるなよ?」
 「は・・・はい!」
 「おし、それじゃあさっそく訓練だ!!」
 ・・・
 トラックで・・・腕立て伏せ・・・きつい・・・100回を超えたころ、腕から力が抜け、床に突っ伏した・・・
 「馬鹿もん!後900回だ!!」
 背中に20キロの荷物を背負ったまま、トラックを100周・・・
 「ペースが落ちているぞ!!」
 海での遠泳・・・10キロ!!
 「お前ら!!そんなもんか!!」
 ベースに戻ってきた俺は床に大の字になり、指一本動かすことができなくなっていた・・・
 「なんで・・・皆さんピンピンしてるんですか・・・」
 「そりゃあ、今までやってきたし」
 「俺達だって疲れてないわけじゃない」
 「なれるわよ、すぐに・・・」
 マジかー・・・
 「お前ら!次は銃の訓練だ!!」
 「銃!?」
 「素人のこいつにも使わせるんですか!?」
 鷲の人が隊長に言い放つ
 「訓練と任務時だけだ、ほら、とっとと来い!」
 言われて進むと、左右が敷居に閉ざされた机が並べられた部屋、その机に置かれていたのは、先が針のようになった銃口の無い銃・・・?
 思わず近寄り手に取る
 「これは・・・」
 「ああ、ああ、合図があるまで触らない!!」
 「あ、すいません!!」
 手を離し、隊長に向かい頭を下げる
 「それじゃあ、両手に持って、後ろにある安全装置のロックハンマーをしっかり上げて、しっかり上げないと使えなくなっちゃうから!、全員慎重にな!!」
 はい!
 全員の声が響き渡り、銃を持ち
 「それじゃ、前の的に銃を向けて、針の方な、しっかり向けないと大惨事になるから!!」
 前の方に人間の上半身を模した黒い的が出てくる、中央部に多重円が書かれているものだ・・・
 「皆構えたな・・・それじゃ、撃て!」
 ・・・一瞬だった、光が見えたと思ったら、的の肩に穴が開いていた・・・
 「これ・・・レーザー銃!?」
 「どういうことですか、レーザー銃なんて」
 「現代の技術でここまで小型化したものを作れるはずが・・・」
 「ここには最新鋭の技術が集まってるんだ、質問は後で受け付けるから、今は訓練だ!!」
 皆、歪んだ眼で疑問符を顔に浮かばせながらも銃を撃つ訓練を終え、
 「次はフライトシミュレーターだ!!」
 箱型の筐体に順番に入り・・・俺は絵が映ったと思ったらとまどい、発進もできずにタイムオーバーした・・・
 「あ、やっぱり駄目だったか・・・」
 「隊長!発進方法ぐらい教えといてください!!」
 「いや、すまんすまん、今回はノーカンにしておいてやるから、座学は明日だ、そこで教える、今日はこれぐらいだな、休憩もかねて、ベースで退勤時間まで待機だ、学狼」
 隊長が俺の方を見ている俺も見返し声を張り
 「はい!」
 「後で、今後使うための教科書を渡すから、勉強しとけ」
 「はい!」
 ・・・正直言うと、本を読んでの勉強はあまり得意じゃない、フィールドワークの方が好きなんだが・・・
 そんな中、窓のあるベースの白い目の通路を歩いていると・・・
 「あ、先生!!」
 「ああ、伴人くん、どうだいこっちは?」
 白衣姿の先生と出会ったのだ!
 「先生、白衣姿とは珍しい」
 「どうしても着ろと言われてね・・・君の方はどうだい?」
 「訓練が死ぬほど大変で・・・」
 先生が口を少し開け、朗らかに笑う
 「ははは・・・それは仕方ない、訓練が厳しければ厳しいほど、君たちが死ぬ確率が減るんだ、頑張りたまえ」
 「先生、あの・・・ガ・・・いやいや、あの怪獣はどうなりました・・・?」
 思い出した怪獣の名前を必死にとどめ、先生に質問する
 「あの、岩の怪獣かい?」
 「あ、はい!」
 「今、回収して、色々分析してるところだよ、まったくひどいものだ」
 先生の顔が不快感からか目じりを少し下げ曇る
 「何が、ですか?」
 「どうもこうも、体内から明らかに人工物とみられるものが見つかってね、どうやら、誰かに改造されたらしい、改造されて、この地球に送り込まれたと推察される」
 「それは・・・ひどいですね・・・」
 許せない・・・
 またも右拳に力が入っていくのを感じる・・・
 「ああ、怪獣の生態の解明のみならず、怪獣を送り付けた犯人も、一刻も早く見つけねばならん、もっとも、それは私たちの仕事ではないがね」
 「もどかしいです・・・」
 「ああ、まったくだな、そうだ、君は狼型の怪獣について何か知らないか?」
 「狼型の宇宙人、あ・・・ああ、あの岩の怪獣と出てきた」
 「そうだ、これを見てくれ」
 先生の出してきたスマートフォン、画面しかない長方体の電話には、確かにあの時の狼型の宇宙人と戦ったときの映像が・・・
 「この映像は・・・」
 「ほら、一緒にテレビ番組の収録をしていただろう、あのクルーが撮影したものだ、君は知らないだろうが、世間では、あの岩と狼の怪獣の話題で持ちきりなんだよ、私も、早急に意見をまとめ、世間に発表し、混乱を収めるために少しでも力を貸さねばならん、まったく、言葉遣いに気を付けねば、何もわかっていないということを、出来るだけ世間に安心できるように伝えねばならんのだからね、ご安心ください、ただいま誠意調査中であります、とかね、ははは・・・」
 「ははは・・・」
 思わずつられて笑ってしまった、失礼でありませんように、
 と、先生はすぐに笑いを止め元の表情に戻り
 「で?狼型怪獣について君は?」
 「ざ・・・残念ながら私も・・・」
 「そうか、なら仕方ないな・・・」
 ウーッ!ウーッ!ウーッ!
 なんだ?警報!?
 「未確認巨大生物確認、戦闘チームはミーティングルームに直ちにお集まりください」
 「戦闘チーム?ミーティングルーム?」
 「君たちのことだよ、ミーティングルームはたぶん、君が一番最初に連れていかれた・・・」
 「あ・・・」
 あそこか・・・
 「私のことはいいから、早く行ってあげなさい、そのためらい一つで、救えなくなる命があるかもしれないんだ」
 「わ、わかりました、それでは!」
 頭を下げ、俺はここに来た時に連れていかれた部屋にかけていく・・・
 入った部屋の向こうの画面で、マグマと熱された岩をまとった人型のような怪獣が、小さな山と青空を背景とした森の中で立っている
 「観測された怪獣の温度は6000度、周辺の森で森火事が発生、街の方に被害が及ぶのも時間の問題です!!」
 画面の前で機械を操作していたタンチョウのような人の声が響く!
 「おし、とにかく、出場だ!」
 え・・・
 「ちょっと待ってください!」
 被害者が未だ出ていないという安堵からか、いつの間にか声が出ていた・・・
 俺は、隊長に向かい、自分の考えを述べる
 「あの・・・駆除ではなくて、どうにか捕獲して、生かすことはできませんか!?」
 「残念ながら・・・無理だ」
 隊長の鋭く真剣な目・・・
 「どうしてですか?」
 「では訊くが、今の人間にあれを捕獲できる網を持っているか?あれを留めておける檻を持っているのか?」
 「それは・・・」
 無い・・・
 「レーザー銃はあくまで既存の技術だ、だが、網も、檻も存在しない・・・」
 「・・・」
 「それに、あれの餌が何のかもわかっているのか?あれを生かすための方法がわかるのか?」
 「・・・」
 「それに、岩の怪獣は改造されていたそうだな?つまり、あれを生かすことが、改造したものの思惑である可能性が高い、それでこの星に何か異常が無いと言い切れるのか!?」
 「・・・」
 「わかったか・・・」
 俺は・・・ゆっくりと振り返る・・・
 「すいません、目が覚めました・・・」
 「どう覚めたんだ?」
 「今の人類には・・・あれを生かすことはどうあっても不可能です、だから・・・」
 「だから・・・?」
 「一刻も早くあれを駆除してこの星への影響を最小限に抑えることこそ、あれへの供養なのだと・・・」
 「おし!みんな、飛行場に移動だ!!」
 そこにあったのは、銀と黄色の大きな翼持つ飛行機・・・
 「これは・・・」
 「最新鋭の戦闘機だ、セスウィングという、三機ある、シミュレーターの成績は・・・」
 「俺、隊長、豹賀、丹頂池、学狼ですね」
 鷲のような人の声・・・
 いや、鷲ヶ埼さんだっけ、
 豹の様な人が豹賀さん、タンチョウのような人が丹頂池さんか・・・
 「なら、私と丹頂池、鷲ヶ埼と学狼だ、豹賀、AIの補助があるからいけるな?」
 「はい!」
 「え・・・俺が後ろ・・・?」
 鷲ヶ埼さんが俺の方を見る
 「当たり前だろ、操縦方法も覚えてないくせに、何言ってんだ」
 「そ、そうですよね・・・」
 こうして俺たちは飛び立った
 空を行く中、山と緑を超えた果て、目下にマグマの怪獣が・・・
 「でも、効きませんでしたよね?機銃とか、ミサイルとか・・・」
 「任せろ、新兵器がある!」
 「こいつか!」
 通信機より隊長の声が響くと、
 すると、左隣、編成の中央の戦闘機より怪獣に向かって二条の光が走り、光が当たった部分が爆発する!
 「あれは・・・レーザー砲!」
 「この戦闘機にも搭載されてたんだな・・・よし一気に行くぞ!!」
 旋回飛行しつつ、飛行機のレーザーが怪獣を徐々に攻撃していく・・・!
 「ぐぎゃぉおおおお!!」
 「なんだ、炎!?」
 ズバァン!!
 怪獣が旋回しつつ口より放った大容量の炎に巻き込まれ、戦闘機が三機とも爆発!
 「うわぁああ!!」
 「仕方が無い、脱出するぞ!」
 「はい!」
 鷲ヶ埼さんがパラシュートで飛んでいく!!
 ・・・私の力を使わないのか・・・
 その声は・・・あの時の狼型宇宙人!?そういえば、名前を訊いてなかったな・・・
 ウルフォス・・・私の名前は・・・ウルフォスだ
 ウルフォス!お前の力を貸してくれ・・・みんなを・・・守るために!!
 いいだろう!!
 どさくさにまぎれ、ウルフォスの柱を掲げる!!
 それの名前はウルフォスピラーだ
 ウルフォスピラーを掲げる!!
 「ワォオオオオ!!」
 さぁ、マグマーラ、その灼熱の体、斬り裂かせてもらうぞ・・・!
 鉄の爪がひらめき、マグマーラの体を斬る!
 返す刃で一撃加えつつ、足を振り上げその爪でマグマーラの右腕の根元を斬り裂き落とす!
 よし、このまま・・・
 すると、マグマによって体が再生し、腕も生えてきた!?
 っつ!
 マグマーラの口から先ほどにも増して巨大な炎が吐かれる!
 熱い・・・毛皮に火が付きそうだ、だが、ここで負けるわけにはいかない!!
 「ワォオオオオオオオオオオオオ!!」
 思い切り咆哮をぶつけて炎を返しつつ、マグマーラの体を震わす、
 無限に再生できるかどうかはわからないが、どこかに弱点があってもおかしくはない・・・!
 出来ればこの咆哮でそれを砕ければ・・・
 ん!?震えた体の中から、赤い球体が見えた・・・それかっ!!
 思い切り息を吸い込み、
 「ワォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
 発射した光線により宝石を打ち砕く!!
 そうして、宝石ごと怪獣が爆発、散っていった・・・
 ・・・
 「いたぞ!学狼!!」
 ん・・・?
 「あれ?鷲ヶ埼さん」
 それに、豹賀さんと丹頂池さんと隊長も・・・
 「ったく心配したぞ、パラシュートが起動しなかったんじゃないかって・・・」
 「でも、ちゃんと起動した様でよかったです!」
 え・・・?
 丹頂池さんの言葉に周りを見回すと、確かにしりもち着いた森の中で、後ろにパラシュートが広がっていた・・・
 ようやく状況を理解した、正面に宇宙外来種駆除隊の人達、周りは森、後ろにはパラシュート、
 どうやら、ここに降りてきたことになっているらしい
 と、鷲ヶ崎さんが周りに問いかける
 「にしても、また出現したな、狼型怪獣」豹賀さんが鷲ヶ崎さんに顔を向ける
 「一体、何者なんでしょう、まるで、私たちを助けてくれたかのような・・・」
 「さぁな、だが・・・」
 「彼は味方ですよ、きっと」
 鷲ヶ埼さんと豹賀さんの話に俺は立ち上がりながら自分の意見を言った
 鷲ヶ埼さんの少し目つきの鋭く少し棘の混じった視線が向く
 「なんでそう思うんだよ?」
 「だって、前回もそんな感じでしたから・・・」
 「ああ、そういやお前は見たの二回目だったんだっけ?まぁ、何でもいいや、ともかく、得体のしれない奴の力なんぞ借りなくても、どうにかできるようにしないと」
 「そ・・・そうですね・・・」
 「そうと決まったら、訓練だ!ふがいない失敗を二度も繰り返さないために、予定を早めて、今日から座学をやるぞ!!」
 ええぇ~~~~~!?
 隊長の言葉に、皆の悲鳴が響き渡るのだった・・・
 
 ウルフォスソフビフィギュアシリーズ登場!
 第一弾!ウルフォス、そして、ガンドゴン!
 肩、腰、膝、肘、鼠経部、首が可動!
 君のイメージで戦わろ!
 
 DXウルフォスソフビシリーズ
 ウルフォス、ガンドゴン!!
 
 セットもあるぞ!
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