バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

マルチプルブレイドターンインフィニティ オブ トラジリィー/19

マルチプルブレイドターンインフィニティ オブ トラジリィー 19
 
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 白く時の止まったこちら側の中央平原、       BGM:ワールドマップ2
 見渡す限りの白い平原、視界の中に離れ小島のように少しずつ雪で覆われた氷山が見える程度、この寒さは雪原だからなのか、はたまた、時が止まったから寒くなったのか・・・
 いずれにしても俺達は先へと進み、そのドームを見つける、青白い金属なのは僕たちの世界の物と同じだが、
 雪が上をはじめところどころに白い染みのように被っている
 そこで、先行くメイダがドームを見上げ口を開く
 「ここがドームだよ」
 「開けられる」
 「ちょっとやってみる」
 しかし、メイダが扉を横に引っ張ろうとも、「ぬぉおおおお・・・」全く開く気配が無い・・・
 メイダが疲れたのか両手を放して垂れ下げ、目を垂れ下げ口を開いた疲れた表情で息を切らし
 「ど・・・どうなってるんだろ・・・?」
 「また鍵を集めろとでも・・・?」
 「そんなはずないよ」
 マユーカが右人差し指で自身の真下を指さす、
 そこには確かに、銀色の2の文字が埋まっていた・・・おそらく、こちら側の鍵だ
 「こっちにもあったよー」
 反対側左の方から聞こえたリリサの声を聴き、リリサの足元を見ると、そこには確かに銀色の3の文字・・・
 「ってことはだ・・・」
 ジンガさんが周りをまわっていく・・・そして、一周してこちらに戻ってきて軽く顔に力を込め右肩に少し傾けた真剣な納得したような顔で俺を見る
 「間違いない、1から5、全部ある」
 と、いうことは・・・
 「こいつか!」
 メイダが声を響かせた途端自身の時計を掲げ、        パァアアアア・・・
 赤い光がドームの出入り口に放たれるも、ドームは開かない・・・
 時計を掲げ出入り口を見たままメイダは眼を見開かせた驚きの表情に
 「え、なんで!?」
 「ということは・・・」
 俺も一緒になって時計を掲げると、赤と青の光が放たれ、   SE:自動ドア開く
 出入口が開く・・・
 「どういうことだろ・・・?」
 「俺の世界もかかわったことで、ドームが開く条件が変わったとか・・・」
 「何か嫌な予感がするな・・・」
 「だな・・・」
 二人の声に振り返ると「ジンガさん?アルフィエラスさん?」目に力を込めた真剣な表情の二人がいた
 「はっきり言うぞ、もしかしたら、」
 「このドームに干渉してるやつがいるかもしれない」
 アルフィエラスさんの声にジンガさんが肩を落とし眼を垂れ下げた残念そうな表情を見せる
 「それ俺の台詞・・・」
 しかし、そんなことは無視して話は進む
 「まさか・・・でも・・・」
 「そんなことができるとしたら・・・」
 俺はメイダの方を見る
 「行こう、メイダ!」
 眉じりを上げた真剣なメイダも俺を見て首を縦に振る
 「うん!」
 出入口よりドームの奥に走り込む、
 壁床天井それぞれを平面な金属で覆われた四隅に壁に埋め込まれた円柱状の柱のある部屋、正面にあった半カプセル状の出入り口の通路を進みその先は左右に分かれた手すり付き階段になっていて、正面の円柱状の床の上に回って行けるようになっており、
 俺達はその上にまで登る、
 階段の合流地点の出入り口側、そこには床付近で広がる一本足器のような台座の上に何やら宙に浮かんでこちらに向いた渦のようなものが存在していた・・・
 それはエネルギーが暴走するかの如く小規模の電撃のようなものが絶えず走っていて明らかにおかしい・・・
 「これは・・・?」
 「これがダイガの儀式を行ったもの、数素の根源、時の渦・・・」
 「時の・・・渦・・・」
 「これが回ることで時が周り、数素が生み出される、少なくとも私はそう聞いた・・・」
 「じゃあ、これに時計の力で干渉すれば・・・」
 「元に、戻せるかもしれない・・・!」
 俺とメイダで時計をかざし、時計から光が放たれる・・・
 そうか、やっとわかった、この時計が何のためにあるのか・・・
 この時計は、時空の渦に何かあって狂った時のためにあった
 そこに老人の顔が見える、やせ型で白髪を後ろに回したあれは・・・
 ダイガ!?                            バチィ!!
 俺とメイダは気が付くと弾き飛ばされ、後ろに倒れ伏していた、皆が駆け寄ってくる・・・
 「どうした!何があった!?」
 「・・・見えた」
 「そうだね、間違いない・・・」
 ジンガさんの声に俺が出した意見にメイダが同意しつつ、俺達は立ち上がる・・・
 「ダイガだ」
 「時空の渦の向こうに見えた・・・」
 「ダイガは俺達の世界の時空の渦を支配しようとしている!」
 「そして、私達の世界の時空の渦に干渉してこっちも支配しようとしてる!ドームが開かなかったのもあいつの干渉があったから!」
 俺は再びメイダの顔を見る、メイダも俺の顔を見てきた、互いに真剣な表情をしている・・・
 「行こう!この二つの時計があれば・・・」
 「ダイガを・・・止められる・・・!」
 俺達は急いで外に出る、そして三度顔を合わせ
 「時空の渦・・・見えたよね!」
 メイダが表情を変えぬまま首を一度縦に振る
 「うん!今の私達なら・・・数素を使える!」
 俺達は時計を掲げ、叫ぶ!
 「数素よ!俺達を導け!」
 「私達を目的の場所へ届ける翼となれ!」
 時計の鉄の棒が回り出し、宙に浮かび、光に包まれる、   キュィイイイイイ!!
 そこに現れたのは、両翼に時計が埋め込まれた、大きな光の鳥! ファサ、ファサ、
 ゆったりと羽ばたく中で、
 俺とメイダが背中側まで回り乗る         BGM:飛べよ!数素の鳥!!
 そして、出入り口前で目を見開き驚きの表情を見せる皆に向かって
 「乗って!」
 「一気に行っちゃうからね!」
 「お・・・おう」
 「数素を・・・ここまで高レベルで・・・」
 「どうなってるの?」
 「まるでクロノス神の様だ・・・」
 後ろに回って来た皆を引っ張り上げ、俺とメイダは正面を向き命じる!
 「一気に俺の世界のダイガのいるドームまで!」
 「次元の壁もすっ飛ばして、一気に!」
 鳥が羽ばたき、一気にスピードを出してこちらの世界を半周、
 こちらの裏中央平原の俺達の世界と似たような薄赤のドームの上で空に穴を開き、そこより俺の世界へ飛ぶ!
 
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