バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

マルチプルブレイドターンインフィニティ オブ トラジリィー/20

マルチプルブレイドターンインフィニティ オブ トラジリィー 20
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 穴が閉じる中でみんなが下を見る           BGM:ワールドマップ1
 そこにあったのは緑の草原にそれを囲むジャングル、目の前には大きな海と見慣れた青い空が広がっていた・・・
 「嘘だろおい!?」
 「本当に戻ってきた!?」
 「凄ーい!これで世界一周ツアーとかしたーい!」
 「神のごとき力をそんなことに使うな」
 「ごめん、世界ツアーとかはたぶん無理だ」
 「なんで?」
 唐突な俺の言葉にロサミの声が聞こえた、メイダが後ろの皆の方を見る
 「この力は、今問題が起こってるから使える力なの、時計からそう伝わってくるのよ」
 「だろうな・・・」
 「あ、秒針に当たらないように気を付けて!」
 「数素の鳥よ!」                      キュィイイイイ!
 アルフィエラスさんの言葉を聞きつつも俺の出した指示に光の鳥は答え、避けつつも中央平原へ一直線、
 俺達が下りると、そのまま時計に戻り、俺達は時計に話しかける
 「お疲れ様」
 「ごめんね、後もうひと踏ん張りだから頑張って」
 俺とメイダがドームに時計を掲げると、赤と青の光が伸び、開かれる・・・
 先に進むと、向こうのドームと同様の広く、が、若干全体的に丸っこい空間、その正面に、周辺が少し盛り上がった半カプセル状の取っ手も何もない無機質な壁床と同様の素材でできた金属の扉が横並びに六つも待っていた・・・
 「向こうのドームにはこんなに数なかった・・・よね?」 BGM:神秘ドーム内部
 「ダイガが何か仕掛けてきてるのかしら・・・?」
 俺とメイダは、その穴を見ながら考える・・・
 「どれから行こうか・・・」
 「そうね・・・とりあえず・・・」
 メイダが中央右の扉に近づくと扉がひとりでに右に開いた、
 「じゃ、そこから・・・」
 と俺が近づくと、勝手に閉じる・・・
 「どうやら、一人ずつ行けってことらしい・・・」
 「そうみたい・・・」
 「なら、行きましょうか!」
 「その挑戦状受けてやりましょう!」
 「うん!」
 「しょうがない・・・」
 俺が中央左の扉に出て、メイダが中央右、そこから左端よりアルフィエラスさん、リリサ、ジンガさん、マユーカと並ぶ・・・
 そして、開いた扉の中に進んだ、
 そこにあったのは向こうの世界と同じように中央に入りながら上に進む階段、と台座と時空の渦、
 さらに、それを遮るように立つ、ダイガ!
 俺は階段を上り切り
 「ダイガ!もう、世界を好きにするのはやめるんだ!」   BGM:不気味な対峙
 ダイガは力が適度に抜けた見下げるような不気味な笑みさえたたえている
 「何を言っている?私は世界を元に戻そうとしているだけだ・・・」
 何を言っているんだ・・・?
 「それならばなぜ、元に戻さなかった?、メイダ達の世界の時空の渦、お前がめちゃくちゃにして、世界を止めたんだろう!」
 「なぜわかる・・・?」
 「時空の渦が悲鳴を上げていた、そして、この世界の時空の渦だって・・・」
 そして、右拳に力が籠る・・・
 「そもそも、動物の凶暴化も、お前の数素武具のせいだろう!!時空の渦をそんなに直したいなら、この場を譲れ!」
 「・・・ふはははは・・・!!」
 いきなりダイガが天に哄笑するかのように笑いだす・・・!
 「やはり・・・だましきれぬか・・・」その右目が鋭く俺を捉える!「だが、まさか、時計にそんな意味があったとはな・・・!」
 「なに!?」
 「貴様らが時空の渦から我のことを見たように、私も時空の渦よりまた、貴様らのことを垣間見たのだよ!時計に世界を治す力があったとは・・・」ダイガが右手を無駄に力込め開き、誘うように挑発する!「さぁ、それを寄こせ!今度こそ、我が世界を変え、支配するのだ!!」
 「やっぱり・・・!」
 すかさず時計を構える!                   SE:剣抜き長め
 「ほう・・・我と戦う気か・・・やれるものならやってみるがいい!!」
 筋肉が増量し、白い服がはじけ飛ぶ!         BGM:五芒星ダイガ!!
 「はぁああああ!!」
 一気に近づき剣を振り下ろす、が、両腕を交差させての防御姿勢から一気に弾かれ、弾き飛ばされる!
 その勢いのすごさに体が転がり!
 「その程度では零の数素を操るこの私は倒せん!行くぞ、数素開放!」
 ・・・体が、動かない!?しまった!?
 戸惑う俺に、ダイガが駆けてくる!?
 0の数素、それがあの数素武具の力の源なのか、まさか、動物を凶暴化させていたのもそのせい・・・
 「森羅万象!!」
 その拳が掬い上げるように迫ってきた・・・
 
 扉をくぐると、後ろの扉が閉まった・・・
 「よう、俺の相手はあんたか・・・」
 無機質で円形に近い床に壁は囲まれているいくつものアーチ状の柱の先にあるだだっ広いコロシアムドーム状の場所で、目の前に現れたのはコウだ・・・
 睨むでもなくただただ不機嫌そうなしけた面だ・・・
 ま、確かに、一筋縄ではない大剣使いとして共通点はあるかもしれない・・・
 「とっととお前を排除して、ダイガ様のもとに行かねば・・・」
 「なぁ、なんであんたはダイガに協力してるんだ?」
 「あのお方に立っていれば、俺はもっと戦いに身を置ける、それだけだ」
 「平和はいらん、と?」
 「少なくとも俺はな、戦いこそ、この俺の生きる道だ・・・」
 「そんなもん世界を変えなくても得られると思うがね、凶暴な動物はこの世にいっぱいいる・・・」
 「動物など倒して何になる?俺が戦いたいのは人間の強者だ・・・」
 ・・・ふむ
 「危険な思想だな・・・その考え・・・俺が正してくれよう!!」
 「良いだろう、来い!これが俺の全力だ!!」
 両手に大剣を構え、背に九本の大剣を浮かばせたコウに向かい、俺は大剣を構えて駆ける!!
 
 「私の相手はお前か・・・?」
 無機質な部屋の中、目の前に現れたのは白い鎧をまとった騎士・・・
 顔が適度にこわばったその真面目な表情からは当人の誠実な人柄が見える、
 しかし、固すぎて狂信的にもなりうる危うさを感じる・・・
 「アイレスだ、貴公は?」
 「アルフィエラス、話は聞いているぞ、二回も所属していた国を裏切ったんだってな・・・」
 「私もあなたの話は聞いている、帝国を離れ、静かに暮らしていると、なぜ、帝国を離れた?」
 「帝国にいられなくなったからだ」
 「しかし、帝国にはまだ愛着があるようだな、帝国を見張れる場所にある教会になぞ立てこもり・・・」
 ・・・ほぅ・・・
 「へぇ、よく知ってるじゃないか・・・」
 「知ってるのは俺ではなくコウだ、前々任の体調で人望が厚いせいか、よく耳に入ってくるんだとさ・・・」
 「ならいいだろう、忠誠心が無いよりましだ、二回も所属していた国を裏切った騎士よりかはな・・・」
 眉尻と目端が上がり、少々琴線に触れたようだ・・・
 「何だと?」
 「じゃあ、忠誠心があるというのか?」
 「私は、ダイガ様に出会った時から、あのお方にお仕えしている、あのお方こそ、理想の世界を築くもの・・・」
 「で、その人が悪いことをしようとしているのに止めないのか?」
 「何だと?」
 「世界を破壊しようとするやつの言葉なんか、信頼するってのか?」
 少し俯き、目力の入った暗い表情を見せる、その視線が私に向いているのだから怖いのなんの・・・
 「あの方を侮辱することなど許さない・・・破壊こそ、創造の前に必要なことだ・・・」
 「どうやら、話が合わないらしいな・・・」
 「そちらこそ・・・女性に剣を向けるのは不本意だが・・・」    SE:剣抜き
 「女性、男性である以前に人として教えが必要な相手みたいだな・・・私が導いてやろう・・・」
                             SE:クロスボウ構え
 「ならば・・・」
 「勝負!」
 私はボウガンを向け、アイレスが走り込んでくる!
 
 「僕の相手は・・・お前か・・・?」
 広く無機質な場所、そこにいたのは半人形の少女エーラーン、
 エーラーンは出している方の目を不気味に見開き怖くまっすぐ見てくる
 「ねぇ、魔って何だと思う?」
 「ま?」
 「魔術学校の生徒さんなんでしょう?」
 「その魔かよ、よくわかんないけど、僕に取っちゃ学ぶものかな・・・」
 「私にとっては身を置くものよ、」両口端が歪み薄気味悪く笑うエーラーン「ふふふ・・・」
 「よくわかんないけど、それって楽しい?」
 笑いが止まり、また僕を底気味悪くまっすぐ見てくる
 「さぁ・・・わからないわね・・・」
 「人間は深淵に身を置きすぎるものじゃないよ、でも、克服することはできる・・・」
 「克服なんてしなくていいわ・・・」
 「魔という深淵に身を置きすぎると、幸せが来た時、深淵から抜け出せなくなっちゃうかもしれないよ?」
 「構わないわ、深淵のまま幸せになって見せる・・・」
 でも、僕が話した限り、この人は・・・
 「じゃあ、どうして悲しそうなの?」
 そうだ、この人は不気味さで演出し続けているけど、本当に深淵の中だけで、人のそばにいなくてもいいなら、ダイガ達のそばにはいないはずだ、それって・・・
 「あら、そう見えるの?なら、魔に沈めてその素晴らしさを伝えましょう・・・」
 「いいよ、僕は・・・魔にも理にも幸せをつかんで見せるから!!」
 僕が詠唱を始めると、エーラーンが三人に分離して襲い掛かってきた!
 
 「私の相手はあなた?」
 部屋の中、私の前にいたのは・・・スロットマシンを背負ったロサミと呼ばれた少女だった!
 ロサミは楽しそうに両口端を思いっきり上げた笑顔を見せ、私もつられて笑うそんな中でロサミは笑顔のままで言葉を紡いできた!
 「そうだよ~!楽しいバトルにしようね~」
 「いいよそれじゃ・・・」
 「レッツゴー!」
 「レッツゴー!」
 
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