ニューロンズ:AI 17
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17
「パトカーが正面衝突なんて大ごとだと思うんだけど、このこと、ニュースでやってる?」
糸の先を追って走っている間に唐突に思いつき質問する俺
「国の半分くらいを大量のウィルスが襲ってるみたい、散発的で、発生している場所に法則性もないけど、国全体の半分くらいだって、それに警察のみならず消防署や自衛隊の車も暴走してるって・・・」
んなことのなってたのか・・・
にしても、ウィルスの襲撃に法則性が無い?こんなに大規模なのに?人為的にしろそうでないにしろ法則性が無いなんてあり得るのか?
いや、人為的になら法則性をわざと乱すことはできるか・・・
考えつつ先に行った先は市役所、
そこそこ広い駐車場の奥には新しめのコンクリで作られた正面にガラス左右スライド自動ドア各階に窓が並ぶ四角い市役所があった
その駐車場の電脳では動物無機物人型老若男女様々なAIが白い神主服を着た二足歩行の牛のAIに指示され動いていた、
無論、そこではいくつもウィルスがデリートされているのだが・・・
「倒されたウィルスから出るの糸の先・・・」
「間違いない、あの牛の方に向いてる、それに状況もおかしい、ウィルスはいっぱいいるのに暴走したパトカーなんかが無い・・・」
俺の言葉にエクサスが付け足す、
あの牛のAI、おそらく、テンプルAIの分体、
だったら、俺達がただ出て行っただけでは周りを説得することはできないだろう、
とりあえずスキャン!
・・・一か八か、もう一度スキャン、でた!
ネットワーク、スキャン、転送!
「行けるか?」
「任せろ、あの牛のAI以外にかけりゃいいんだろ?」
エクサスが右手を前に出す、
と、ウィルスの戦いの中でAI達の様子が変わってくる・・・
「あれ?なんか、ウィルスの死に際にうしぎゅう様に向って何か向いてる気が?」
「標的ってことか?でも、ウィルスたちはうしぎゅう様を狙ったりしてないよな?」
牛以外のAI達がざわつき始める、
「おい!お前たち、何をもたもたしている!!」
うしぎゅうと呼ばれたAIが上から目線で叫ぶ、うしぎゅうという名前・・・やはりテンプルAIか・・・
「ちょっとためしてみようか?」
「あ、ああ・・・」
と、戦闘に参加している複数体のAIがうしぎゅうを背にして戦い、ウィルスの攻撃が放たれる寸前に避ける、
攻撃はそのままうしぎゅうの方に向かうはずだが、
ウィルスは無理矢理に方向転換して別のAIに攻撃が向かう!
それが幾度も起こり、うしぎゅうは不自然なほどに無傷だった
さすがにこれにはAI達が気付き、うしぎゅうの方を一斉に向く、
「おい!いくらなんでもおかしいじゃないか!?」
声を荒げるAI達
「うしぎゅう!まさかあんたがこの騒動の犯人なのか!?」
「何を言っているんだお前ら!!」
状況を把握してないうしぎゅうの混乱交じりの声
「おかしいだろ!ウィルスがデリートされるたびにあんたに伸びる糸が見えた、てっきりあんたをターゲットにしてるのかと思ったら、逆にあんたへは無理やりにでも攻撃しない、ならば結論は逆だろう!あんたが首謀者でウィルスに指示を与えてるんだ!!」
「な、何を言ってるんだ!!そうだ、お前たち、ハックを受けてるんだ!!」
「そんなこと言うんだったら前線に出て戦ってくれ!あんたに攻撃が行かないのは周知のとおりだ、あんたなら無傷でここをどうにかできる」
「おら!行け牛野郎!!」
いつの間にかまわりこんでいた大柄なAIが後ろからうしぎゅうを蹴り飛ばし、
うしぎゅうはウィルスの最前線にでた、
しかし、突進系ウィルスのイシルス、スクバーはあからさまに軌道を変えて避け、
エレックの電気とアイシクルのつららも軌道を微妙に上に逸らして避けさせた、
もう、弁解の余地はなかった、
「デリートだ!!」
「こいつこそが元凶だ!!」
「黙れ雑魚共ォオオオオオ!!」
AI達の大声をうしぎゅうの叫びがかき消し同時にその叫びに呼応しウィルスたちがその場のうしぎゅう以外のAI達を狙い始める
うしぎゅうの目が怒りにか凶悪に吊り上がる!!
「どうせマスコミは抑えたのだ、ここでAIが証言者たる私達以外全滅しても何の問題もない!!」
AI達の目が驚きにか見開かれる
「私達以外?」
「まさか、テンプルAI配下の公共機関のAIは全部・・・」
「やれぇ!!」
うしぎゅうが右手を振るい、ウィルスの総攻撃が始まった、さっきよりも強烈で容赦のない攻撃が・・・!!
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※この記事は検索エンジン向けタイトルとソーシャルメディア向けタイトルにAIタイトルもしくはそれを調整したものを採用しています