魔石物語 5
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
5 堕天使のブローチ3
「その異端審問官が村の人間を皆殺しにしたと?」
私は店主に問いかけた、が、店主はこともなげに
「さぁな、真相は闇の中だ、ただ・・・」
「ただ?」
なんだ?
「堕天使には二つのパターンがある、今だに神を愛しながらも堕天した者と神を愛さなくなり堕天したものだ、もし、堕天使のブローチを付けた女性が前者なら・・・」
「邪教の人間を皆殺しにして異端審問官をやっていても不思議じゃない、と?」
口調も調子も店主は変えず
「ま、そういうことだな、そんなわけで、呪いのアイテムには気を付けろって話だ」
「わかりました、そういえば、気になってたんですけど・・・」
「なんだ?」
「魔石取り扱い商の資格持ってるんですよね?あれって級によって扱える幅が違って来ると思うんですけど・・・」
「私か?三級だが」
それって!?
「三級!?最下層じゃないですか!!」
「構わん構わん、商売出来ればそれでよしだし、二級以上だと資格保持試験が大変でなぁ・・・」
店主は少しあざけるような態度と声
「それでも三級は・・・」
「現状問題は出てないんで大丈夫だ、なぁに、必要ならば取りに行くだけだ」
ううう・・・本当に大丈夫かなぁ・・・
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――