ハーフビースト:ハーフヒューマン:ヒーローズ 16
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16
走り込んできたのは赤く長い箱のような形状の車、
上には放水用ノズルの付いた白い梯子が付いている、
消防車だ!
それが複数来ると同時に車より分厚い銀の衣装をまとう人間が降り現れた、
俺は思わず声をかける
「あんた消防士か!?だけど感染は・・・」
顔まで銀色に輝く耐火スーツを纏った消防士が俺の方を向いて
「安心しろ!最近配給された99%感染を抑える耐火スーツだ」
俺の疑問にそう返した、
黒く分厚い眼鏡と銀のスーツ一体式のマスクで表情は見えなかったが・・・
なるほど、俺の使ってたスーツの消防士仕様みたいなもんか・・・
「ここは私達に任せてくれたまえ!自警団の人!!」
「わかりました」
さて、俺は・・・
さっきまで暴れてた蝙蝠の半獣人の方に目が行く、
が、今だに目を覚まさず伸びたまま・・・
本拠地に縄とかあるかなぁ?
ま、暴れたらまた気絶させればいいか・・・
俺は蝙蝠の半獣人を引きずって本拠地へと連行していく・・・
そして、よそから縄を持って来させて縛り上げた翌日、
数人の警察官が本拠地を訪ねて来た、
「どうも!いくつかの装備を持ってきました!」
そういう警察官の制服も制服の下に青い全身を包むインナーのような物を着て顔に防塵メガネとマスクのような物を付けている、
どうやら、あのスーツが効いているのが広まっているのか、ちょくちょく人が入ってきている、
それでも、すぐに帰ってしまうが・・・
幾ら確率が少なくなったからって長居したら意味ないもんなぁ・・・
「それじゃあ、入れます!」
警察官の合図にシャッターが開き、そこからサーカスのような簡易的な檻、
机やいす、壁替わりなのか薄い衝立などが運び込まれていく、
それを見ながら俺は思わずつぶやいていた
「これで本拠地も安泰か・・・」
「馬鹿を言うな」
マスター!?
背後からのいきなりの声位に思わず振り返っていた、
マスターは目と口に力の入った真剣な表情で俺を見据えている・・・
「これらの設備を使いこなすのはお前たちの仕事だ、ここの警官たちも明日には帰る、未だスーツの能力は未完成だからな、お前たちが十分に成長してこそここは安泰となる、この地域と一緒にな・・・」
「はい!」
そうだ、俺達がどうにかしなきゃいけないんだ
ズドン!!
なんだ!?また爆発音!!
ん?警察官の人達が右肩付け根の通信機を手にして耳にあて、驚きでか目を見開く!
「何!?警察署が襲撃された!!」
え!?
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