バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

左竜右人ドラセルシア/19

左竜右人ドラセルシア 19
 
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第7話 紅割烹の虹の木の葉の天ぷら 前編
 
 ああ、涼しくなってきたな~
 この辺りの山道も左右の木々が黄色や赤に染まってきている・・・
 目の前の下り道の先には賽の目状の道に家が幾つも建つ都市が広がっている、
 幾つもの大きな家は白い塀に囲まれ、上から見れば真四角やT字やL字の形で空いた場所には庭があり、上には青い、瓦というこの地方特有の四角くまっすぐな焼き物が隙間なく並べられている、
 他の小さな家も塀と庭の有無と大きさと上から見れば形が真四角で大きさが小さい事を除けば家の構造そのものは似たようなものだ、
 あそこに行けば何か食えるかな~
 私は道を降りていく・・・
 都では、様々な人がいた、
 前合わせの簡素な服を着て帯代わりに腰に軽く紐を巻いた人たちの他に、
 上質そうで袖が四角く、ズボンが白く丸く膨らんだ人たちもいて、役人の様などこか険呑な雰囲気を漂わせている、
 また、頭上左右の丸耳で前に鼻と鼻回りの丸いタヌキの獣人、頭上に飛び出た耳、前に飛び出た鼻と鼻回りを持つキツネの獣人などもいる、
 あれが妖怪という奴か?まぁ、いいや・・・
 お!油の焦げる匂い・・・?
 匂いがした右手を見ると、紅割烹と出入り口上方の横3等分に分けられた紫の布に白文字でかかれた、のれんっていったっけ?
 ものがかけられた、店がある
 ・・・入ってみるか・・・
 歩いて近づきここでも引き戸と呼ばれる木の板を左に動かす
 「すいませーん!」
 「はいはい!」
 赤い前合わせ、この場合は着物かな?
 頭を結い合わせ、赤い着物を着た女性が出てきどこか細長い目と口を上と下に曲げた笑顔を見せながら
 「こちらにどうぞ~」
 と、振り返って歩き出し、そのまま白い漆喰の壁と天井、土の床の通路の途中左手、半個室まで連れていかれた
 ううん、まずったかな?お金足りるか・・・?
 連れていかれた先で履物を脱いで、奥に木の格子に白い紙の障子があり、緑の織物が床に置かれた・・・畳の床のある戸無し個室に通され、
 中央の漆塗りの木の机の横で胡坐をかいて座る
 「それではこちらをどうぞ!」
 同じく履物を脱いで登った先程の女性から布のカバーがかけられた二つ折りのお品書きを受け取る
 中を見ると、どうやら、値段は大丈夫なように見えた、
 「それでは、御用が出来たら及びください」
 そう言って、女性は笑顔のまま振り返って部屋から離れていく・・・
 座ったままメニューを見る、
 う~ん、海老天、薩摩天、かき揚げ、それらの定食・・・
 揚げ物の店か・・・
 よし!これだ!!
 私は右手を上げ、通路に向かって叫ぶ
 「すみませ~ん!」
 
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