バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

左竜右人ドラセルシア/20

左竜右人ドラセルシア 20
 
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第7話 紅割烹の虹の木の葉の天ぷら 中編
 
 目の前に並べられたのは紺色と白色の茶碗にご飯、内赤と外黒の椀に味噌汁、ごはんの奥には青と白の小皿に黄色い大根を斬ったような漬物、手前にはこの国に来てから当然の如く横方向に置かれる二本の木の棒、箸、
 そして、中央の皿のように編まれた竹籠、その上に紙が乗っており、さらにその上には・・・
 奥に虹色が光る葉っぱの天ぷら・・・
 ううむ、どういう味がするのか・・・
 それらが机の上に並べられる中思わず思案して
 「あら?障子を開けてらっしゃらないのですねぇ・・・」
 と、先程の女性が個室の奥に行き、
 「それじゃ、どうぞ」
 奥の障子を下から左右に開けると、そこには葉っぱが虹に光る虹の森があった!!
 「こ・・・これは!?」
 こちらを見る女性の両目端が愉快さでか下がり、両口端が楽しそうに上がる
 「この季節になると紅葉と同じく色づくんですよ」
 何だと・・・?
 「この葉っぱを取っておいて一年塩漬けにして、それを上げたものなんですよ~」
 へぇ~
 「お食事の邪魔をしてしまいましたねぇ、それでは」
 女性が入り口まで歩き、去っていく・・・
 さて、改めて・・・
 箸を取り、天ぷらを取って口に運び、食む・・・
 こ・・・これは・・・
 衣の軽い食感に加え、葉っぱの苦みがうまみになっているっ!
 そのままご飯の茶碗を左手に取り、右手の箸で掬い、口に運ぶ!
 さらに、葉の苦みが白飯にあっているっ!
 続けてご飯茶碗を置きつつ左手に取った油揚げ入りの味噌汁で口の中を流し込み、油げの味が残る・・・
 それが白飯を進めさせる・・・
 そこから天ぷらをもう一口、苦みの強い天ぷらが白飯の味と油げのおいしさを調和させる・・・
 そして、噛んでいくうちにまた苦みの白飯に手を付け・・・
 
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