バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

新事実と目的への手がかり/4 カードゲーム小説WカードFu

f:id:OirenW:20170721181016j:plain
 
カードゲームライトノベル Wカードフュージョン16話 新事実と目的への手がかり4
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 「カーディン、先にどうぞ」
 「では、私から」
 カーディンがフロントライトを点滅させつつ話し出す
 「まず第一に、あなたは一体何者なのですか?」
 「私か?さて、どこから話すかな・・・?じゃあ、本名から行くか、エルドガンなんて名乗ってたが、本名はミエーリっていうんだミエーリ・ミタールスタカーン」
 やっぱり、聞いてた通りだ・・・
 「その名前、道中で聞いたよ、こっちの・・人なんだよね・・・?」
 「そうだ、察しの通り、お前達の世界で生まれた人間じゃない、私の故郷はこっちの世界さ」
 「なぜ、私達の世界に?」
 「色々あってな、これもどこから・・・」
 エルドガンが、ミエーリって名前らしいけど、このままエルドガンて呼ぶけど、悩むように上を向き、がすぐに僕達の方に視線を戻す
 「とりあえず、簡単に私の生まれから話すかな、私はここの一般家庭の出だ」
 「一般家庭?」
 「そ、親父は食堂の料理人兼店長、母はそこの配膳役、店もあまり流行っていなかった」
 「へ~、じゃあ、クリスタバーガーとかも出していたとか?食堂にバーガーはちょっと違う感じするけど」
 「残念ながら、クリスタバーガーは出してなかったな、スープに岩米、化石加工した野菜や肉・・・」
 「いかにも固そうだ」
 「お前らにしてみれば、な・・・」
 少し、さびしそうな言い方だ・・・
 「さて、話を進めよう、五歳のころに祖父が死んだ、その時からかな、私は、一秒でも長く生きることに執着し始め、子供心に色々な研究をし始めた・・・」
 「変な話、一秒でも長く生きるために一体どれくらいの時間を費やしたの?」
 「そう言うな、その研究の成果の一つがあの子を救ったんだから」
 「う・・・」
 そう言われると黙ってしまう、早い目にこの人を僕達の世界に連れ戻したいが、でも・・・
 「で、その研究が目に留まったのか、ここに連れてこられることになった」
 「ここは・・・一体何なの?両親は?何も言ってこなかったの?」
 「両親はむしろ大喜びだったな、変な研究と動物実験ばっかりやってた、お前より少し年下くらいの娘に、有名な大学から特別に留学の許可が出たって話だったから・・・」
 「じゃあ、ここは大学?そんな感じはしないけど・・・」
 「違うな、大学はむしろここの一部だ、ここは城なんだよ、たくさんの人と施設が一つの建物に詰まった、な・・・」
 「へぇ~」
 「もっとも、大学という話は、単なる表向きの話だった、本当はここの政府の直属の秘密研究所に連れてこられたんだよ」
 「そ・・・それはまた・・・・」
 嘘っぽい話だと一蹴するの簡単だが、いかんせん、この人、常識はずれなもんちょいちょい作ってるのだ、
 こっちの知識込みとはいえ、幼いころから色々やらかしていたに違いない
 「ま、私にしてみれば大学だろーと秘密の研究所だろーと研究できれば関係なかったがな、別に家族と会えなくなるわけでもなかったし」
 「へ、そうなの?」
 「そうだぞ」
 「でも、秘密なんでしょ?」
 「無論、監視と盗聴器付きだし、変なこと喋るなと脅しもあったけどな、年ざかいくらいは帰れたし・・・」
 「そうなんだ・・・」秘密の研究所って・・・
 「ふふっ、楽しかったな、会ってなかった友達とかと会えてさ・・・」エルドガンが不意に微笑む
 ・・・
 「そういや、最後に帰った時、ババアの奴、フルゥスターリをこっちによこして来たな」
 「フルゥスターリ?」なんだ、そりゃ?
 「フルゥスターリっていうのはこっちで年境に食べるお菓子だよ、水晶のような見た目をしてて、お前らの世界で言う飴菓子とか砂糖菓子みたいなもんだ」
 「で、岩のように硬いんでしょ、それも・・・」
 「まぁな」エルドガンは両手の平を上にしつつ両肩の上に持って来て、肩をすくめる
 「で、なんでそれをよこしたのが気になったの?」
 「本来、フルゥスターリというのは自分で色を選ぶものなんだ、故に、色々な色があるし、色も訊かずに他人に送るのは失礼にあたる、ただの二色を除いては・・・」
 「二色?」
 「無色透明と白銀さ」
 無色透明と白銀?なんでだ?何の関連も無い気がするけど・・・?
 「不思議そうな顔をしてるな、まず、無色透明は本来子供に送られるものなんだ」
 「子供に?」
 「そ、子供、正確には幼子にはだが、いきなり選べって言っても無理だからな、だから、親から送られるものとして無色透明が選ばれるんだ、ある程度大きくなってから自分で選ぶと言いだして初めて色つきの物を選ぶんだよ」
 「へー」
 「もっとも、私はずっと無色透明だったがな、選ぶの、めんどくさくて」
 「ははは・・・」
 「で、もう一方の白銀だが、これは、相手を喪した、老人に送られるものなんだよ」
 「へ?」
 「普通は、孫が生まれたぐらいに夫婦で金と銀の色のフルゥスターリを選ぶようになって、相手がいなくなったら、残ったほうが子供達から白銀のフルゥスターリを送られるようになるってわけ」
 「ふーん」
 「それで、フルゥスターリには色ごとに意味があって、例えば、無色透明には純真、無病息災等が、白銀には更なる健康、更なる長寿があるわ、これには裏の意味もあるのよ」
 「裏の意味?」
 「無色透明には亡き人への思い、あなただけでも生き残ってほしいが、白銀には、亡き人への思い、あなただけでも生き残ってほしいというものがね」
 「それって・・・?」
 「無論、同じ意味ではないでしょうけど、同じ言葉としてあるのよ」
 まぁ、面白いとは思うけど・・・
 「で、話を戻して、私がこっちに来た時にね、二人の人間に出会ったの、一人は少し年上の男性、もう一人はそれよりもう少し年上の女の子・・・」

次へ


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 

oirenw.hatenablog.com

oirenw.hatenablog.com

oirenw.hatenablog.com