バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

新事実と目的への手がかり/3 カードゲーム小説WカードFu

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カードゲームライトノベル Wカードフュージョン16 新事実と目的への手がかり3
 
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 「さっさと入れ」
 開いた扉の先にいたのは赤い髪の女性、
 どこか機敏な感じがする、頭の上で赤い髪のをまとめた女性である、
 体に白衣を着、その下に黄色いシャツと長めの濃い緑のズボンを穿いている
 そう、こいつこそ、僕達がここまで探しに来た、居所すら知れないはずのエルドガンであるっ!!
 「あんた「早く入れ、見つかるぞ」
 ぐっ・・・
 「どうする?双歩?」
 「入ろう、見つかるのはまずい」
 「了解、というわけで入らせていただきます」
 「わかった」
 カーディンが前に動き始めると同時に、エルドガンが踵を返して扉の中に入って行く、
 部屋の中は、綺麗ながらも殺風景な入り口部屋といった感じだった、
 地続きの床に奥と上の方にはクリーム色の壁紙が貼られた壁と天井があり、左手奥の方には石造りで縦二杯の四角の彫形が施された長方形の扉があり、
 反対側の右手奥には木のような石材で作られた上に続く手すり付き階段が、間の正面には同じ素材でU型カウンターなぞ置かれ、同じく、同じ木の様な石素材で壁と天井の間端隅と壁側のみ床と壁の間隅々も補強されている
 広さはビル一階部分の半分といったところか、扉があるということは、奥にも部屋があるのだろう、
 と、カーディンが部屋の中の中央辺りまで来た頃、突如、エルドガンが僕達の後ろまで回り込み、左手で入ってきた扉左の方のつたの模様の下を持って左の扉を閉め、同じように右の扉も閉め、次いで両手を上の方に持って来て先ほど持っていたのとは逆の上の方を押し込む
 ガチャ!
 今度は何かが閉まる音が響き渡った、
 なるほど、恐らくあれで鍵を閉めたのだろう、どこかに開けるための仕掛けもあるに違いない、あのつた模様の下の方とか・・・
 そして、エルドガンがカーディンの前まで戻ってくる
 「カーディン、降りる」
 「ふむ、了解」
 右腰のシートベルトのスイッチを押してシートベルトを外し、左手でドアノブを引いて扉を開けて外に出、そのまま右手でドアを閉める
 「まったく、予期しない奴がかかってきたなぁ・・・」
 エルドガンが呆れたようにぼやいた
 「ひさしぶりだね、エルドガン」
 「おひさしぶりです、エルドガン」
 「ああ、ひさしぶり」
 悪びれも無く返してくるエルドガン、
 ま、当人に悪びれる理由なんてないんだから当然か・・・さて、
 「エルドガン、訊きたいことが色々あるんだけど」
 「失礼します!」
 っ!なんだ、背後の扉から声が・・・
 「先ほど、不審車両を目撃したのですが、こちらで何かありませんでしたでしょうか?」
 この声は・・・まさか、さっきの見張りの声か!?
 「こちらでは異常も何もないぞ?単なる通りすがりじゃないのか?」
 「は・・・?そうだと思いますが、一応、上の方に報告させてもらいます、あーあー・・・」
 エルドガンのフォローにもかかわらず、後ろの扉から小声で何かを話し始める声が聞こえ始める、
 まずい、このままだと僕とカーディンの居場所がバレる、軽率に動きすぎたか・・・
 「カーディン、どうしよう、身を隠すか、出来る限り早くここを」
 「身を隠すと言ってもどこで・・・こうなったら、強行突破しかない、すみませんが、扉の鍵を開けてください、あと、私に乗り込んで」
 「その必要はないぞ」
 エルドガンが突如、受付の方に歩き出し、右手を受け付け左側にかざす、一体何を・・・?
 と、その机上の手前側にいきなり机の一部に偽装されていたレバーが立ち上がりエルドガンがそれを引く!
 次の瞬間、受付前の床が下に傾いて坂となり、エルドガン左手側の床が少し下にずれて左に移動、床下に収納され、そこから、上角が斜めな正面の空いた白い箱スタンドとその中にエルドガンの形をした水晶像がせり上がってきた!
 頭の中にチップのような機械が埋め込まれた像である、一体・・・あれは・・・?
 「ああ、こいつはフェイクドールだよ」
 エルドガンが僕の方をチラリと見つつ像に左手をかざすと同時に、その像のかざした部分から映像の様にエルドガンの色が広がって行く・・・
 「NAEさえ搭載されて無いやつだが、ここの見張り含め、私が人間だと知るやつは四機しかいないから、いや、今は一人に三機か・・・」
 「それって・・・!?」
 「ともかく、ごまかすにはこいつで十分なのさ、ほら、さっさと下に行くぞ、早くしないと下から閉めるからな」
 「わかった、行こう、カーディン」
 「うむ」
 エルドガンがひょいと開け放たれた床に跳び下り、下に向かう、それを追うように僕とカーディンも坂を降り始めた、
 床の下は、ある種の研究室の様になっていた、広く暗い部屋の中に、緑色の液体が並々入ったガラス筒があり、それは上に鋼色の半楕円の、下に土台となる、パイプや電源が幾つも付いた鋼色の膨らんだ円台が付いていて、
 すぐ下、右手側には、木のような石で作られ外側を向いた簡素な机と椅子があり、机の上に黒いノートパソコンが置かれ、後ろの方にある、上に黒円横二つ並びのテープレコーダーが内蔵されたような白鉄の箱左中ほどと繋がれている
 にしても、何だろ、この筒たち、中には妙な種子が入っていたり、入っていなかったり、中には液体すら入っていない物もある
 そういえば、当人、命の研究をしてるって言ってたな、
 もしかしたら、これこそが、本来、エルドガンがしたい研究のための施設なのかもしれない・・・
 そんなことを考えていたら、いつの間にか坂は終わり、地下室の床に足が付いていた、
 同時に、エルドガンが僕の前、左手側に床以外孤立して立つ壁に付いた画面付き下向きコ型レバー(画面とレバーのために壁がある感じだ、まるで自動販売機である)
 をこちらを向いて右手で押し上げる!
 ガガチャン!!
 僕達が来た方から音が響き、振り返ると、いつの間にか、僕達が入る時に開けた床が閉まって白く不気味な天井の一部と化していた、と同時に、今まで響き渡り続けていたはずの僕達をここに導いた不快な音が消え去り聞こえなくなる、
 え、なんで・・・?
 「さて、訊きたいこととはなんだ・・・?」
次へ

 
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