世界との邂逅、神との再邂逅 ダブモン!!29話02 妖魔版
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気が付くと、どこかの洞窟の中にいた、
いや、洞窟というより洞穴か?
外からは強い日差しが差し込み、床は砂で埋め尽くされており、
何より・・・暑い、そして・・・
「いっぱいいるわね、犬・・・」
そう、四葉の言う通り、砂の頭を左右に持つ犬型のダブモン、ケルベンドやケルザードがそこかしこにいるのだ、
それらは一様に体を横たえくつろいだり俺達を見て目を大きく開き驚いている様子の者も
中にはケルベンドやケルザードの幼体と思わしきダブモンも・・・
「カンテーラ、ここどこだ?」
周りを警戒しつついつの間にか頭の上の定位置に戻っていた相棒に問いかける
「知らん、が、推察は出来るな、少なくとも中央大陸じゃない、外側の大陸だな・・・」
「海の気配がしないわ、島だったとしてもかなり大きいわね・・・」
「この砂漠もかなり広いだろうな、火と地の気が強い・・・」
後方左右から続けて意見を出すフリィジアとイグリード、
砂漠・・・?
確かに、日が差している出入り口の方を見ると外には砂の大地が広がっている・・・
なるほど、確かに・・・
「全員いるか?とにかく、外に出ようぜ」
おー
頭上と後ろの他の力無き応答で多分全員いることを確認し、
と、犬たちが立ち上がり俺達に牙を剥きいきなり警戒し始める、
「おいおい、どうした・・・?」
「いきなり表れたことで警戒してるんだろ?え~っと、確かこいつらはいい音楽とか芸術とかがあればおとなしくなるんだっけか?」
俺の言葉に頭上のカンテーラが説明する、
「それなら、これなら・・・?」
と、いきなり後ろの四葉がスマホから音楽を流し、そのスマホをかざす、
ん?この曲は・・・?
兎白と鼓動も目を点にして流した曲を聴いている、このテンポよく熱い曲調、やはりこれは・・・
俺は思わず四葉に問いかける
「なぁ、四葉この曲・・・」
と、周りの犬どもが牙を収め、おとなしくなっていく・・・
同時に、四葉がスマホを手元に戻して操作して曲を切り何食わぬ顔で
「さ、外行くわよ」
「なぁ、四葉その曲・・・わざわざ販売をダウンロードしてまで持ってるのか?この辺り、電波届くとも思えないし・・・」
「う・・・うるさい!とっとと外行くわよ!!」
俺の問いに四葉は少し顔を赤らめ少し怯むように戸惑い言うなり、外に向かって行った・・・
あの曲・・・間違いなく俺が作った曲だ・・・
名・砂原の評論員 ケルンド ダブモンNo.114
概・M モンスター コスト1 パワー700 哺乳・地属性
発・戦闘前・自任意・時限無し・条文の頭に指定:主対象:
条・一・次の戦闘に参加するこのモンスター
二・相手のモンスターゾーンの
コスト0でパワー0以下のモンスター全て
効・二を全て相手のトラッシュに送る
文・砂で両肩に顔を持つ犬型のダブモン、砂漠の門を縄張りとする血気盛んで、
物事の違和感に鋭い感覚を持つ、しかし、まだ未熟な為か、
それをどう主張していいかわからず基本的に勉強中
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