バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

札使いどもが夢の跡 ダブモン!!28話/09

札使いどもが夢の跡 ダブモン!!28話09
 
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 「でさ、校舎裏なんて来たことないけど」
 「しゃーなし、教室だとみんなが色々訊いてくるし」
 鼓動の意見に俺が答える
 ここは校舎裏、学校の塀と校舎の間、雑草がうっとおしく生え、湿っぽく、ただただ影で暗い
 「でも、お前ら、律儀にテキトーこいてたよな」
 腰元のカンテラからカンテーラの声がする
 「仕方ないでしょ、教室にいたらみんな色々訊いてくるんだから・・・」
 と、兎白の腰に付けた水色のベルトからフリィジアの声が・・・
 こんなベルトこいつ付けてたか?
 そういえば、鼓動も腰に炎のような柄の赤いベルトが・・・
 ああそうか、こいつらも同じ発想にたどり着いたのか・・・
 「で、これからどうするんだ?」
 「給食ってうまかったよなー栄養バランスも考えられてる感じで」
 俺の一声にカンテーラが話し始め、
 「相棒って、みんなから人気者なのねー、新しく出した絵を見んなみてすごいすごい言ってたじゃない!」
 「学校にスマホ持ってくんなって思うけどな・・・」
 フリィジアがいきなりわき道にそれ、俺が呆れて話し出す
 「曲も動画も見てたじゃない、俺の絵描き動画の曲も良星が作った物だし、動画の制作も鼓動だし」
 「師匠、新しいやつ出してくれてたんだな~」
 「二人ともメール見た?心配してくれてたみたいだよ」
 兎白のフォローに俺が返し、鼓動が続ける
 「お前らいい加減にしろ!!必要な話からやれい!!」
 と、そんなこんな話してたらイグリードの怒鳴り声・・・
 はい・・・
 反省の声を出しつつ黙り込む一同、
 「ゴホン!」
 イグリードの咳込む声より
 「で、これからどうするべきだ?俺達の世界に戻る方法は?あの女神は何を企んでどうして俺達をここに送った?」
 「全然わからん」
 「全然わからん」
 俺とカンテーラの声がハモる、
 俺だけじゃなくてカンテーラもわからないとなると事態はかなり深刻だが・・・
 「女神と言えば、母さんが、いや、再開した時うちの母さん泣いちゃってさぁ、でも、どういうわけかいつもより健康で、何より妙なこと言ってたんだよ、夢に女神が出て来て俺のことは心配しなくていいとか言ってたって、色々訊いたら正しくあの女神なんだよ・・・」
 夢に女神が?
 兎白の言葉に俺はいぶかしむ、
 何考えてんだあの女神、ますますわからん・・・
 「それを別にしても、実際問題としてこっちの空気に慣れてない、今までの経験が通用しないから何が起こるかわからない」
 とはカンテーラの談、
 「俺としても情報収集しか出来ないってのが正直な話だな、裏山の城があった場所に戻るとか、ネットを見るとか、後は・・・四葉か・・・」
 四葉のやつ、どうなったんだろ?俺達と一緒にこっちに戻った?でもいなかったしな?ウィルピーはどうなったんだろ?
 「四葉ちゃんか・・・私としても心配だわ、あの場に残されてる可能性もあるのよね・・・」
 フリィジアの珍しく四葉を心配する台詞、
 そうか、あの場に残されてる可能性もあるのか、
 でも、勘だけど、そうでは無い気がする、
 俺達と一緒で無かったのも、単に、俺達と別口であの世界に行ったからなのかもしれないし・・・
 だが、それよりも今は・・・
 「一週間欲しい!」
 「一週間欲しい!」
 「一週間欲しい!」
 俺と兎白と鼓動の意気込む切実な声が同時に発せられ、
 「はぁ・・・」
 イグリードのため息がこの会話を締めくくったのだった・・・
 
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