バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

海の街と鮫 ダブモン!!11話/11

海の街と鮫 ダブモン!!11話11
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 結局、俺とフリィジア、それに鼓動とイグリードが同室ということになった、
 星が瞬く夜、ベランダから街を挟んで海を臨む部屋に俺たちは泊り、眠っていた
 ん?ベランダに影がかかる、誰かいるのか・・・?
 ベランダまで出てみると、隣のベランダに座る一つの人影と、部屋よりそれを追うように出てくるもう一つの影があった・・・
 あれは・・・レファンとアクリス!?
 出てくるアクリスに気が付き、レファンがその顔を向ける
 「眠れないんですか?」
 「え?ああ、月がきれいだなって思って・・・」
 「ああ、確かに・・・」
 アクリスが隣に座りつつ、二人が上を見上げる
 「満月・・・ですか・・・この島は夜になると静かですし、周りは海しかありませんものね・・・」
 「そうだね・・・でも、まだ気持ちが高ぶってるってこともあるんだ・・・」
 不思議そうにレファンがアクリスを見て話しかける
 「どうしてです?」
 「旅の中で、まさか、理解者に会えるとは思えなかったから・・・」
 「理解者・・・?」
 どういうことだろう?
 「マジックブックって、実際には、かなり批判にさらされているものなんだよ、遊びのために作るぐらいなら、それで戦闘用の魔道具を作れって、でも・・・」
 「でも・・・?」
 アクリスが昏い目をして俯く
 「死んだ後にまで戦いの道具にされたくは無いって、それって、わがままなのかな・・・?」
 「さぁ、私にはわかりません」
 「わからない・・・」
 「それぞれ違うものでしょう?誰かを守るための力になるのならそれでいいという場合も、誰かを殺すための力にはなりたくないっていう場合も・・・」
 「うん・・・」
 アクリスが応えながらうなずいた
 「結局は、それぞれの遺志を尊重するしかないんです、でも・・・」
 「そう、誰かを楽しませるための道具になれるならっていうのもいる・・・」
 「素晴らしい考え方じゃないですか、」レファンが穏やかに微笑む「死した後も、誰かを楽しませたいだなんて・・・」
 「あ・・・」アクリスの目が輝いたように開かれ、瞬時にレファンを見て近づく!「そ、そうだよね、そういう考え方もある!」
 「そうです、誰かを傷つけるより、誰かを楽しませたいという考え方の方が立派です」
 「うん!」
 満天の笑顔を向けそのまま首を一度縦に振り再度レファンを見るアクリス
 「そ、それでさ、新しいマジックブックについてなんだけど最近・・・」
 「ええっ!?そんなのがあるんですか!?」
 ふぁああ・・・
 いかん、つい覗いてしまった、やっぱり悪いよな・・・寝よ・・・
 
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