バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

ネトゲ恋愛記 ~サブタイトルは秘密~/5

ネトゲ恋愛記 ~サブタイトルは秘密~ 5
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 「あらいらっしゃい、ご用件は?」
 ドレスを着てバーテンダーをやっている、黒髪長髪の女性が話しかけてきた、
 「ギルドスタンプの発行?それとも、ギルドで販売してるアイテムの購入かしら?それともうちのギルド員に用事?」
 「ええっと・・・」
 どうしようか、まさか、リアルの人を追っかけて入りに来たとかいうわけにもいかないしなぁ・・・
 さっき、ガメオベィラちゃんに釘刺されちゃったし・・・
 バーテンの人が、笑顔で圧力かけてくる・・・
 「それとも、うちのギルドに入りたいとか・・・」
 「それは無いでしょ」
 こんどはカウンターから離れた椅子に座る金髪で、白い鎧の騎士風の女性、それが黒髪の女性よりこちらに顔を向け
 「まぁ、女の子だから入る資格はあるんだろうけど・・・」
 だけど、この中に個々家君と耕氏君の二人がいるのは確か、ミスティーシャのみんなって言ってたし・・・よし!
 「あの・・・ここのギルド員っていうのは・・・」
 「めずらしいどす、ここにいるのが全員どすえ」
 「言われてみればめずらしいよね」
 女騎士に近いテーブル席に座っていた白い肌をした着物美人と緑の三つ編みをした耳の尖ったエルフの女の子が話す
 着物美人の方は髪を結いあげ花柄の華やかな着物を着て、右手に閉じた扇子などを持っていて、
 もう一人は、緑の短めのワンピースにフードつきマント、短パンを合わせ、獲物は弓だろうか、腰に矢筒と共に葉っぱ付きの枝をそのまま弓にしたようなものをかけている
 「自然に集まってるっていうのはさ、号令掛けないと普通は集まらないし・・・」
 「そうだよねー、ま、すぐにこの状態は解散するっち!」
 「そうですね、私はいつでも出撃準備は出来ております」
 今度はエルフの女の子に返すやはりテーブル席の満天っぽい笑顔黒のツインテールの少女とそれに立ったまま敬礼する間接歯車ゴーレム少女、
 女の子の方は黒を主軸とし、下に白フリルが垣間見えるゴスロリ服をまとい、床に先がカメレオンの尻尾のように曲がった、中心に赤い宝玉宿す杖を立て置き、
 ゴーレム少女の方は、人を基礎としながらも青いショートカットの髪や赤薄茶色の岩の直線的な鎧を見に纏い、頭に鉄製の大きな煙突など付けている、機関車とかのあれだ、コンセプトはどこなのだろう
 「まぁまぁ、まずはこの子が何をしたいかを聞きましょう・・・」
 そう言って、カウンター外側そばに立ってテーブル席の方から私の方に体を向けたのは、天の使徒とでも呼ぶべき女性、
 金のウェーブヘヤーに隻眼白皙、女神でも来ていそうな白く飾り気のないドレスが特徴的だ
 ううむ、そう言われても・・・
 ともかく、あの二人がミステーシャと近しい関係にあるのは違いないんだし、まずは・・・
 「あの、一週間前の金曜日って、ここの人達で狩りしてたんですよね?」
 「え・・・?」
 突然、右手後ろのガメオベィラちゃんが言い出した言葉に、バーテンの人が反応する、
 「いいや、確かにその日はみんなでクエストしてたな、集まって・・・」
 「他の人とは・・・」
 「ギルド員全員でクエスト補助して回そうって話して」
 次いでエルフの子もこっち見つつ反応してきた
 「やってたんだから他に人とか来なかったぜ?」
 どういうつもりなんだろ、ガメオベィラちゃん
 が、ガメオベィラちゃんはいきなり急いだ風に・・・
 「なるほどなるほど、つまり・・・わかりました、ありがとうございました、あ、この子は一緒に連れて来ただけなんで、それじゃ」
 「あ、待ちなさい」
 「なんですか?」
 「ギルドスタンプはいらない?」
 「それはいります」
 すると、バーテンの人がいきなり右手にスタンプ出現させ、同じくいきなり表れた白い紙にそれを押す動作をし、その紙を差し出し、紙が透明になっていき消えた・・・
 「ありがとうございます」
 ええと・・・なんだ今の?あれがギルドスタンプ・・・?
 「あのさ、」
 私はガメオベィラちゃんの方に目線を向け
 「さっきから気になってたんだけどギルドスタンプっていうのは・・・?」
 「ギルドに入らないけど親密な関係ですっていう証、このゲーム、ギルドに入らないと受けられない恩恵多いんだけど、これに入っておけばそのうちの一定数を受けられるってわけ、公式ギルドのグランドマスターなんて、正式なギルド員は数えるほどしかいないけど、ギルドスタンプの発行量は一番よ」
 へぇ、そんなのが・・・
 「それじゃ!」
 そう言って、ガメオベィラちゃんは振り返り外に出て行った・・・
 「ええっと・・・」
 つまり、ガメオベィラちゃんの質問の答えが真実なら・・・個々家くんは確実にこのギルドに・・・いるっ!
 「で、あなたの用は・・・?」
 バーテンの人がまっすぐにこちらを見る・・・
 よし・・・!私もバーテンの人の方を見返して・・・!
 「あ・・・私、このギルドに入ってみたいな・・・なんて・・・思いましてっ!」
 ・・・言ってしまった・・・
 「いいけど、うちに入るには規約があるわよ?店の奥に張り紙貼ってあるから、見なさいな」
 張り紙?店の奥・・・お、あれか・・・
 カウンターとテーブルの間奥の壁に貼ってある一枚の紙を見つけそこに近づく、ええっと・・・調べるには・・・?
 「調べる!」
 私の声を出した言葉に、後ろの方から笑い声が漏れるのが聞こえる・・・
 このやり方しか知らないんだからしょーが無いじゃない!後でガメオベィラちゃんに他の方法が無いか訊かねば・・・
 と、黒半透明の下地に文字が出てきた、えっとね・・・
 ギルドミスティーシャ新規団員歓迎、
 我がギルドミスティーシャは効率を重視しない、コミュニケーション重視のギルドです、
 気軽に入団してください
 条件はこちら
 ・効率などについてガヤガヤ言わない方
 ・他者のプライベートを詮索しない方
 ・アバターが女の子で現実で男性、通称、ネカマである方
 ・・・え・・・
 えぇえええええええ!!
 ネカマ!?私女の子、これ、入っていいの?
 はっ!?そういえば、あの二人がここにいるはずなのに、ギルド員は全員女性・・・確かにネカマだっ!!
 「で・・・どうするの・・・?」
 背後からおそらくバーテンの人の声・・・私は振り返りもしない
 「・・・入ります!!」
 気付いた時には・・・口が動いた後だった・・・
 
ネトゲ恋愛記 ~女子高生がネカマギルドに入ったら~
 
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