バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

Demon'Blacksmith Bustle 魔鍛冶師の喧騒/14

Demon'Blacksmith Bustle 魔鍛冶師の喧騒 14
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 俺達は外に出て、秘密の通路を逆に登って行っていた・・・
 「魔力の方は大丈夫なの?なんか、全力で鍛冶してたみたいだけど・・・」
 「ああ問題無し、思ったほど使ってねぇよ」
 思ったよりミスリルが簡単に加工できたせいか?はたまた地鉱石が相性が良かったのか・・・
 いずれにしても、やっぱりほしかったなぁ・・・ミスリル・・・
 「でさ、次はどこ行くの?」
 「そうさな・・・地下深くにあったから今度は・・・」
 そう言いつつ俺は上を見上げる
 「・・・高いところ、かな・・・?」
 そんなこんなで、俺は出口を出た後、左に行き、しばらく歩く後に左手に見つけた、中央に柱の付いた螺旋階段を上る、
 そう、前に見たものと構造は同じだ、一定間隔で窓のような穴が通る中で、幸い、通せんぼは出てこずに、あっさりと一番高いところに出た、しかし、丸く広い部屋には、朽ちた木の机と椅子以外何もない・・・
 「あ~あ、勘が外れたね・・・前の塔にでも行く?」
 「い~や、まだだ・・・」
 幸い、四方に窓のような形の穴が開いている、ま、ここは見張り台だろうからな、見張るための穴があるのは当然だが・・・
 一つ一つ覗いていく・・・正面、左側、後方、右側・・・あった!
 前の方にここより少し太くきっちり高い塔、頂点の方を見ればおあつらえ向きに、中に薄い扉のようなものも見える・・・
 「あそこだ!!」
 「あ、待ってよ!!」
 一気に駆け降り、見えた塔の方に駆けだし、そこに中心が円柱の時計回り螺旋階段を見つけ、駆けあがる、
 登り切った先には、斜め四方が柱となって屋根を支える柱以外に空が360度見えるかなり風通しがいい部屋に、先程のゴーレムの封印が施された扉があった・・・
 「おーしあった!」
 と、俺は両手で扉を開けて先へと歩き出す、すべてが青に染まった空と下には白い雲・・・おい・・・
 思わず足を止める、周りを見渡すと、ここだけ白がかった薄緑のレンガで出来た丸い広場のようになった場所・・・
 さしずめ、塔のようになっているんだろうが・・・俺に確認する術はない・・・
 「おいおい、どうなってんだ・・・?」
 「わからない・・・」
 周りを見渡し、扉の裏も見て見るも、やはりあるのは円状の足場だけ
 「なんなんだ・・・どうしろってんだよこれ・・・」
 「あ!正面!!」
 しょうめ、ん~?
 リッキーに言われ、手を日よけにして正面遠くを見ると・・・大きな崩れた部屋のような場所が見えた・・・
 岩の中に城のような神殿のような一室が切り取られ浮いている、そんな状況だ、
 しかし、その距離は空の青が侵食しまくっているほどに遠い・・・
 「・・・あの距離飛べるか?リッキー?」
 「無理だね」
 「・・・しょうがない、いったん爺さんのところに戻って」
 対策を・・・そう言いかけた瞬間、部屋の方より黒い鳥が大量に飛んでくる・・・?
 ・・・どうやら、向こうは俺達を逃がす気はないようだ・・・
 俺は飛んできた黒い鳥たちの突進を盾で防ぐ!
 ガン!
 鉄のなる大きな音がして、直後、
 「キュエェエエエ!!」
 ぶつかってきた鳥が燃えて消滅、それを見た他の鳥たちが警戒し、あたりを旋回しだす・・・
 「ど、どうすんだよ?」
 「・・・いいこと思いついた・・・」
 俺は剣を銃に持ち替え、左手で手招くように鳥たちを挑発する
 「そらそらどうした?そんなことじゃ俺には勝てないぜ?」
 そして、銃をぶっぱなす!
 数匹の羽をかすめて水弾が飛んでいき、鳥たちの目が驚きに見開かれる・・・
 「何もできずに負けるより、一縷の望みをかけてみんなで突進してくる方がマシだと思うがなぁ・・・?」
 鳥たちが顔を見合わせる・・・さて、どう来る・・・?
 そう思った刹那、周りの鳥が一斉に迫りくる!
 ・・・来た!!
 一気に盾を体ごと回して鳥たちを捉え、残った鳥の体当たりを避けるべく姿勢を下げつつ盾に捉えた鳥たちを地面にたたきつけ燃やし尽くす、
 そして、再び警戒し鳥たちが周りを旋回するも、その目線から、十分以上に注意を払っているのが分かる・・・なら、起爆剤を入れてやる・・・
 銃を一発、水弾を打ち出すと、今度は鳥たちは散発的に散った後、順次飛んでくる・・・しかし、それも思うつぼ!
 盾と銃で一気に回転して打ち据えながら鳥たちを盾に集め、一気に再度叩きつける、
 盾が歪む感覚がして、ようやくその時が来たと直感し、鳥に風透石をそっと静かにおいて、槌を叩きつけていく!
 「シルフ!残った奴らを片付けてくれ!!」
 呼び出された背中に楕円の虫羽を四つともなったような妖精のような風で出来た乙女は、軽く竜巻を起こして残った鳥たちを吹き飛ばし、
 その間にも槌を叩きつけた俺の盾は生まれ変わっていたのだった・・・
 そして、完成したそれを、思わず太陽で影になりながらも掲げて見る俺
 「なに?その盾?」
 リッキーがこう聞いてくるのも無理はない、円形の青い土台にひねった楕円の羽が先の丸い中央の黄色い三角錘より三方に出ている、
 そんな奇怪な見た目をしているからだ・・・
 「プロペラだ?知らないのか?」
 「さぁ?」
 この声の感じは本当に知らなさそうだな・・・
 「遠い向こうじゃ、こいつで空を飛ぶ研究が行われているらしい、詳しいことは知らんが・・・」
 「空を飛ぶ?ってことは・・・」
 「そ、こいつを制御すれば・・・」
 俺は魔力で働きかけ、プロペラシールドのプロペラを回す!
 しばらく高速で動かすと、俺の体が前に引っ張られるような感覚を覚えた・・・よし、これなら・・・!
 俺がプロペラシールドを上に掲げると、俺の体が上に浮く・・・と同時に、俺の体がプロペラと逆の方に回転を始める!?
 「ちょっと、ヴァルカ!?」
 おっと、これは予想外だ、だが・・・
 風の魔法を制御して、俺の回転を止める、
 そこで俺はいったん地面に降り、ちょちょいっと盾に槌を振るい
 「おし、これでいい・・・!」
 風の魔法をほんの少し制御するように叩いて直したのだ、盾表面内部に小さなプロペラを造形し反対の風を打ち出して横に回る回転を止め上昇する力のみを取り出すのだ、そうしてシールドを上に掲げると、うまい具合に空を飛んだ!
 「おお!すげぇ!!」
 魔力も十分、帰りもいけるはずだ・・・!
 「俺の肩に乗れ、あそこまで連れてってやる!」
 「おぉ~」
 こうして俺たちは盾を前に傾け、城の方まで飛んでいく、
 と、おあつらえ向きに黒い鳥たちが飛んできた!
 「今度はシューティングゲームだ・・・!」
 銃を向け、水弾を撃ち離す、しかし、何体かこっちに来るも、近づいても止まるのみ、
 俺の周りの風に阻まれて近づけないのだ
 「さぁさぁどうした?」
 その間にも俺は水弾を撃つ、こっちの水弾は風の影響を受ける前に高速で飛んでいくから、近づけば単なる的になるだけだ、
 そうこうしているうちに黒い鳥たちを退けつつ、目的地の部屋の前まで到達する
 「よくぞ来たな小僧ども!!」
 
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