バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

ハーフビースト:ハーフヒューマン:ヒーローズ/11

ハーフビースト:ハーフヒューマン:ヒーローズ 11
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 

 
11
 
 「それで、仕事って何ですか?」
 「痛いのは嫌ですよぉ・・・」
 後ろに並ぶ蜥蜴と怯えるアルマジロと共に夜のスラム街を歩く俺、
 「簡単だ、見回りを強化するだけだ」
 「へ?警察から何か言われたのでは?」
 「言われたよ?最近、スラム街と外を往復する怪しげな動きを見せている奴らがいるって、だから見回りを強化してほしいってさ」
 蜥蜴の質問に答える俺
 「つまり、今日から家に帰れる時間が減ると?」
 「言うな言うな、ローテーションはちゃんと組んでやる、ちょうど事務作業したいって言う新人も来たし」
 「その新人とマスターにも見回りやらせましょうよ・・・」
 アルマジロの声には怯えの中に面倒くささが混じっているように感じた
 「ダメだ、マスターはあくまで後見人、頼るのは他に手が無い時だけだ、新人は戦闘は苦手だって言ってたから、無理にやらせるわけにもいかない」
 「俺も戦闘は割と苦手・・・」
 「なら、連絡役でもしてくれればいいさ」
 「あ・・・はい・・・」
 アルマジロにそう言い聞かせつつ俺達は歩いて行く、
 スラム街を回る、とはいっても、昏いレンガビルの町並みが並ぶだけ、
 だが、いつもは喧嘩や酒に酔った酔っぱらいの一人でもいるのだが・・・
 今日は異様に静かだな・・・
 半人半獣は動物的な感覚を強く持ち、
 普通の人よりも勘が鋭い・・・気がする、
 つまり、こういう日は・・・何かあったりするのだ・・・
 そんなこんなで、外との境目の高い壁がある所まで来る、
 ん?これは・・・火薬のにおい・・・?左方から・・・?
 「お前ら、何か感じるか?」
 「いえ・・・?」
 「俺も・・・」
 ち、こういうことが時々あるんだよなぁ・・・
 アルマジロと蜥蜴の否定の答え、だが、半身いかんによってこの手の感覚は大きく変わるらしいので仕方がない、
 「とにかく匂いを追う、音を立てずについて来い」
 「わかりました」
 「了解」
 アルマジロと蜥蜴と共に匂いを追ってゆっくりと歩く、
 壁沿いに進み街の角っこの方に、
 進んでいくと、宵闇の煉瓦の倉庫にぶち当たる、
 赤レンガで作られた壁にトタンで角度の緩い三角屋根、正面には広い青シャッター、
 匂いはここからか・・・?
 ・・・この位なら・・・
 シャッターの下に両手を差し入れに力を込め上げ、開ける!
 ばぎっ!
 上の方で何かが壊れた音がしたが気にしない、
 ・・・半獣じゃない人間基準で仕掛けや鍵を作ってるせいだけど・・・
 中に入ると一気に火薬と鉄のにおいが充満してくる・・・
 真っ暗でよくは見えないが、こんな場所でこんな匂いがするってことは・・・
 「おい、アルマン、警察に報告を」
 「おっと、そうはさせません」
 一気にライトが付けられ、辺りに倉庫内天井に並ぶ明かりより光が満ちる!?
 思わず右腕で目を覆う俺達、
 見上げるような大きさの荷物の上に、積み上げた結果見上げるような大きさとなった真四角で下大きく上通常の大きな木箱荷物の上にそいつは立ち、俺達を見降ろす
 半カメレオンの前に出た黄色いモヒカンで髪型から足元まで鋭い印象で黒長ズボンに黒長シャツで緑のベストを着たあの男
 「逃がすわけにはいきませんでねぇ・・・!」
 そこでイモリ、蛙、ブルドッグの半獣人が現れ、一斉に襲い掛かってくる!!
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――