バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

左竜右人ドラセルシア/7

左竜右人ドラセルシア 7
 
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第3話 闇鍋卵スープ サバイバル 前編
 
 「つっかれた~」
 私は深夜の焚き火の周りに置いてある丸太の四本うち一本に腰を落ち着けていた
 マジで山ほどの熊だったし、どうにか倒したけど・・・
 取り巻きの動物やモンスターのうざいのなんの・・・
 「見張りは必要ないか・・・」
 右手の方で同じく丸太に腰を落ち着けた戦士が半分愚痴るように言う、
 全身を鉄製の鎧に包み、頭の両側に上向く角を付けた、兜のY字の目出しの部分からはお世辞にもハンサムとは言えない顔がのぞいている、
 熊との戦いでは前衛で熊の爪を受け止めていた・・・
 「何かあったら向こうで熊の解体やってるやつらが知らせてくれるだろう・・・」
 正面右手の木に背を預けた弓矢使いが静かに言う、
 茶色いテンガロンハットに同じ色の全身を包むマント、
 熊との戦いでは目や口内などを的確に撃ち抜いていた・・・
 「全くだな・・・だが、一応、確認はとっておいた方がいいだろう・・」
 左手の方では橙の衣服を着た灰色の毛皮の狼男がそう言った
 「で、晩飯だが・・・」
 ・・・いつの間にか、その狼男が水の入った鍋を穴の開いた丸椅子の様な金具の上に乗せそのすぐ下の焚き火の火にかけていた・・・
 「何してるの?」
 焚き火と鍋を見守る狼男に問いかける
 「料理だ、疲れた時はありったけの玉子を入れた卵スープがうちの故郷では定番だ」
 「・・・卵は?」
 「問題無い、デカミュールの乾燥玉子を持っていている」
 はぁ・・・
 呆れながらも、私はとあることに気づく
 「私ももらっていい?お腹すいちゃって・・・」
 「俺も」
 「私も・・・」
 私の提案に戦士と弓使いも便乗してくる・・・
 その様子に狼男は疲れで何の感情も出てこないのか疲労のみが見えるその目を私達に向け
 「別に構わないが、さすがにただでとはいかん、何か具でももってこい、最悪、倒したばかりの熊の熊肉を分けてもらってもいいだろう・・・」
 熊肉か・・・でも、新鮮な物を使うなら、古いものから使いたいなぁ・・・
 
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