バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

策謀の中の少女/12 カードゲーム小説WカードFu

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カードゲームライトノベル Wカードフュージョン11話 策謀の中の少女12
 
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 おっし、それじゃあ、まずは、何のカードも置かれていない右手側のチャージゾーンに向かって、
 「リチャージ!」
 「どおりゃああ!」
 ガガガガ・・・
 今だにあの牛野郎のガトリング砲が火を噴いている、今はうかつにカーディンの後ろから離れるわけにはいかないな・・・なら!
 右手を山札の一番上のカードにかけつつ、引くっ!
 「ドロー!」
 「どうしたぁああ!」
 ガトリングの弾丸がカーディンの体に弾かれていく!
 「ぬぅううう!」カーディンがつらそうな声を上げた
 「カーディン、大丈夫?」
 「今は問題ない、だが、このままだと・・・」
 「その前にあの砲撃が終わってくれればいいけど・・・カーディン、いざって時は僕の事は無視して突っ込んで!」
 「だが、それでは・・・」
 「たぶん、行けると思う、ガトリングをずっと乱射してるとも思えないし、他の人達もそれでいいよね!」
 「え・・・?」
 「仕方がないのう・・・」
 「長老!?」僕が声を聞き一瞬だけ後ろを見ると、ナユタさんがあわてて長老の方を向いている所だった
 「ナユタ、この二人、ずいぶん自信満々じゃ、何か確証があるんじゃろう、そうじゃな?」
 「はい」
 「ああ」
 カーディンと共に答え、僕はあの牛者の方に向き直る
 「は・・・はぁ・・・」後ろからナユタさんが思わず出したであろう呆れた声が聞こえた、
 さて、今引いたのはバトルマシンズ カーディン カーモード、
 で、残りの手札はバトルマシンズブースト、バトルマシンズ スケルトンキューブ、バトルマシンズ ライフブレイカーS・L、バトルマシンズ カーディン ロボモード Vol2、バトルマシンズフルブースト、
 よし、この手札なら、まず、今引いたばかりのバトルマシンズ カーディン カーモードを1番に裏側で置き、
 続けて、こいつを左手の手札から右の手で引きチャージゾーンに裏側表示で置いてっと、
 「セット!」
 「ちぃ!らちが明かねぇな!」
 牛の奴がガトリングを止めて周りを見渡す、と、何かを見つけたように右手の方で視線を止め
 「お!あいつらから、殺りゃいいんじゃねぇか?」
 「父さん!母さん!」
 牛の奴が見た方にいたのは、ボロボロのマントを羽織った筋肉質の男性とお腹の膨らんだ長髪の女性、あれは、ナユタさんの両親!?
 ちぃい!間に合え!
 右手で1番に裏で置いたカードを表に!
 「オープン!」
 「まずはてめぇらからだ!」
 銃牛男がガトリング銃をナユタさんの父母に向ける!ナユタさんの父親が母親をかばい、前に出て両腕を大外に広げる!
 「行って!カーディン!」「任せろ!!」
 カーディンがガトリン牛に向かって走り込む、同時に、ガトリン牛の右手人差し指がガトリングのトリガーに掛かる!
 が、銃弾が発射される前にカーディンがガトリン牛にぶつかる!間に合った!!
 「ぐはっ!な、なぜ俺を吹っ飛ばせているっ!?」
 表にしたのはバトルマシンズ カーディン カーモードだっ!車状態のカーディンの推力も上がっている、はずっ!
 「うぉおおおおお!!」
 カーディンがそのままガトリン牛を坂道を上って外に向かって押し出す!よし、僕も!
 「待って!」
 ん、ナユタさん?
 聞こえた声に思わず立ち止まる
 「なんで、助けてくれるんだ?私達は、人間じゃないのに・・・」
 「人間じゃないとか関係無い」
 「え・・・?」
 声が聞こえた方に振り返ると、ナユタさんが驚いて戸惑ったように口がほんの少し開き、目が見開かれていた、
 「僕がさっきここから出て行くって言ったのは、嘘をついて自分たちの素性を隠す、もしくは、自分たちの素性を認識できない存在なら、何らかの悪意があったり、誰かが僕達を罠にはめようとしているかもしれないからだ、そんな手合いは、人間であろうとお断りだ」
 「じゃあ、今は・・・?」
 「悪意が無いと、罠じゃないと、少なくとも僕は思った、ま、まだ何か隠されてるかもしれないけどね、とりあえず、ここは守るよ、何かあったら、その時はその時さ」
 「あ・・・」
 「ふむ・・・それならば・・・皆の者!地下じゃ!地下に通路がある!非戦闘員から走れ!」
 長老が中に響くように、しかし、外には聞こえないような絶妙な音量で叫ぶ!
 「さ・・・ナユタも・・・」ナユタさんが気が付いたように長老の方に向く
 「わかったよ、長老・・・」
 「じゃ、僕は行くね!」カーディンの所に向かうため、後ろを向いて走り出す!
 「双歩・・・双歩!絶対戻ってこいよ!」
 言われなくとも!
 急いでカーディンが出て行った天井の穴に向かって走る!
 天井穴から顔を出したところ、カーディンが車形態のまま、ガトリン牛を遠くまで押している所だった、
 恐らく、アジトから少しでも遠くに離すためだろう、ガトリン牛も両足を地面に付け抵抗しているが、カーディンの車の勢いに押し負けている!
 別に遠くまで押すのは構わないけど僕の事も考えてよ、本当にもう・・・
 「ぐ!俺一人じゃだめか、だがな!!」
 ガトリン牛が右手でガトリングごとガトリングの砲身を上に上げ、いきなり真上にぶっ放す!
 ガガガガ・・・
 「来い!蒸気牛 スチームブモーッ! ギュッシャ!!」
 向こうの方から鋼の牛車を引く機械の牛が走ってきた!
 全身が鉄でできておりところどころにつなぎ目のような物が見えていて、頭の上の左右の角の中央に煙突が生えていてそれが黒い煙をはいている、
 が、後ろの牛車は不思議と煙が周りに流れ、中に煙が入って行ってはいかない、風の流れを操作する装置でも付いてんだろうか、扇風機とか・・・
 あと、牛車には下の方に機関車のような車輪が付いている、
 そのままそのギュッシャが正面からカーディンとぶつかり左半身側のガトリン牛と共にカーディンを押す!
 「ぬうりゃあぁあああ!!」
 「なに!?ぐはぁああ!!」
 カーディンが吹っ飛ばされた!って、こっちに向かって飛んでくる!
 っちぃ、しょうがない!右手でチャージゾーンのカードを一枚表に!
 「僕はバトルマシンズ カーディン カーモードのコストに、バトルマシンズ カーディン ロボモード Vol2を指定!」
 さて、緑の画面に映る向こうのコストは・・・スチームブモーッ! タックルダッシュ!!?戦闘前タイミングのリサイクルカードだ!よし、これならこっちのが発動出来る!
 「さらに、僕はバトルマシンズ カーディン ロボモード Vol2を1番に召喚!コストにはバトルマシンズ カーディン カーモードを指定!」
 右手にチャージゾーンのバトルマシンズ カーディン ロボモード Vol2のカードを持ち、
 左手にバトルマシンズ カーディン カーモードのカードを持って、
 バトルマシンズ カーディン カーモードのカードを裏側にしつつチャージゾーンに置いて、
 同時に、バトルマシンズ カーディン ロボモード Vol2を1番に置く!
 「プログレス、チェーンジ!!」
 カーディンの前部が扇状に開き、両肩となりながらその間から先の切れた三角頭の鋼の顔が出て、そこに額に付けたパトライトと羽のエンブレムがきらりと光りを放つ!
 さらに、開いた方から脇を閉めるように両腕が飛び出してその両の腕がタイヤが外側に出るように180度回転し、腕としてきちんとした形となり、
 今度は後部が曲げていた足を外装ごと伸ばすように伸びつつ腰が180度反転、腰と両足を形成し
 胸の部分となったX字のパトライトが、上の部分二つを残しつつ下の部分二つが根元から体側にふりこを上げるように回転、収納され、緩いV字のパトライトとなり、パーポーパーポーと音を出しつつ光る!!
 そして、そこから両足を地に出し、着地!
 地面を抉って岩を足元に隆起させつつ何とか僕の前で動きを止めた!
 「大丈夫か双歩!?」
 「大丈夫だよ、カーディン!!」
 「ん、お前ら・・・?」
 いきなり、ガトリン牛がこっちの方を目を細くし、じろじろ見てくる、何だ、一体・・・?
 「まさか、リュッケンの野郎が言っていたカーディンか!!」
 へ?
 「お前、リュッケンの知り合いか・・・?」
 「知り合いも何も、俺の直属の上司だ」
 「え」「え」
 「えええ~」「えええ~」
 リュッケンの、部下っ!?っていうかあいつ、狼以外の部下がいたのか、牛だけど!!
 「そうか・・・お前がカーディンか・・・」
 ガトリン牛が納得するように首を縦に振りつつこちらをチラリと見てくる
 「あ、違う、私はカーディンでは無い」
 「嘘をつくなっ!!」
 ガトリン牛がまたも目を細め、今度はこちらをいぶかしむ目で見てくる
 「ブースターや装甲無しで装甲持ちをふっとばし、白と黒のボディで胸部に赤い装飾、そして何より・・・」
 ガトリン牛が今度は僕の方を凝視する
 「何より、人間の子供を連れてんじゃねぇか!あ、どうなんだ!!」
 ううむ、偽装を解いたのが裏目に・・・いや、どの道ばれてた気がするけど・・・
 「ナンノコトヤラサッパリダー」
 カーディン、声、裏返ってるよ・・・
 「とにかくだ!!」
 今度はガトリン牛がガトリングをこちらに素早くまっすぐ向けてきた
 「てめぇらは殺させてもらうぜぇ、人間がいるなら殺すし、人間に味方するてめぇもカーディンであろうとなかろうと倒す!それに・・・」ガトリン牛が目じりを上げた凶悪な目つきで口を丹念になめまわすように舌なめずりする!「てめぇがカーディンなら、リュッケンもレオンの野郎も敗北した奴を倒した、よって、俺の昇進が確定だぁあああ!!」
 ガトリン牛が自身のガトリングガンの引き金を引く!
 「はぁあ!!」
 そこにカーディンが走り込んで行く!
 ガトリングから弾が発射されるもののカーディンは全て弾き一気にガトリン牛と距離を詰めた!
 「なっ!?」
 ガトリン牛が驚きの声を上げればこそ、
 次の瞬間、伸びやかなカーディンの右足蹴りがガトリングの砲塔を上に蹴り上げ、そのままガトリン牛の腹に足を振り下ろした反動を加えた右拳が叩き込まれる!
 「ぐほぉ!!」
 ガトリン牛が後ろに吹っ飛ばされ、膝をつく
 「何してやがる!行け、ギュッシャ!!」
 しかし、ここでギュッシャがカーディンに向かって突撃してきた!
 「甘い!」
 ガトリン牛の言葉で来るのを察したか、突進してきたギュッシャに向かってカーディンが左裏拳を叩き付けた!ひるむギュッシャ、そこにカーディンが角を両手で持っての左ひざ蹴りをギュッシャの顎に決め、そのままギュッシャを後ろの車ごと力ずくでガトリン牛の方に放り投げる!
 「ぬん!」
 「なにっ!?グハッ!!」
 ギュッシャの下敷きになるガトリン牛、そこにカーディンが跳躍、その右ひじをギュッシャごとガトリン牛に叩き付けた!!
 「ぐへぇ!!」
 この一撃が決め手となったか、ギュッシャが爆発!消滅した!!
 だが、ガトリン牛には右ひじでのダイビングエルボードロップが決まったまま、そこに追撃とばかりにカーディンが左拳を振り上げ
 「まだ終わってねぇぞゴラァ!!」
 
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