旅の日々と騒動の日々と・・・ ダブモン!!10話21
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「ファイヤー!!」
炭焼き、それが僕たちに与えられた仕事、
炭運び、それが僕に与えられた仕事、
「ありがとうねぇ・・・」
そばに小さな木の小屋のある森の開けた場所で、腰の曲がったおばあさんが僕たちを見て言う、
おばあさんは首後ろで白髪を丸くまとめ、若草色の布をマントのように腰下まで羽織り、下には枯れ葉色の貫頭衣のワンピースを着ているが、どうやら、今まで一人でやってきた炭焼きに助手が必要になったようで、ちゃんとした人が来るまで、今日は僕たちが手伝っている、
と、イグリードが石で組まれた窯に両手から火を吹き出し入れる
「手足が痛くてどうにもねぇ・・・」
「なぁに、こんくらいどうってことねぇぜ!!」
「じゃあ、追加の薪、持ってくるね!」
「ああ、頼んだ」
「あ、そうだ」
プッ
ん?
おばあさんが突然小屋のわきに向かって歩き出し、その先になぜかあった木材で組まれたようなドーム、そこから何かが飛び出し、おばあさんが拾った・・・?
思わず声をかける僕
「それは・・・?」
おばあさんが僕の方を振り返りつつ、横目でドームの方を見て
「ああ・・・これは炭を出してくれるからねぇ・・・」
「そういうダブモンなんだ」と、イグリードが応えてくれた
へぇ・・・
と、いきなり二体のダブモンが空より来る!?
丸い油と蝋燭のマーブル、導火線の先に尻尾の先に炎の付いたような奴と、
背中から火の粉を出して飛ぶ丸みを帯びた甲虫類・・・!?
そして、突如木材のドームがその内部からマグマのような体を伸ばし、大きく立ち上がっていく・・・!?
立ち上がったその姿は、まるで赤いスライム上の体に、各所に曲がった木材のドームの破片が付いているような印象・・・一体どうしたっていうんだ!?
と、こっちに向かってくる・・・その足先は・・・炭焼き小屋!?
立ち上がったスライムに気付いたイグリードが慌てて見上げつつ飛んで小屋との間に移動し、そのままスライムを警戒して見つつ
「相棒!どうすんだ!?」
「とりあえず、止めよう!!」
僕はデッキケースより、カードを展開する!!
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