バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

忍者マウンテンサイクリングレース/1

忍者マウンテンサイクリングレース 1
 
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 1
 
 深夜の山の中を幾多の影が駆ける
 その影は一様に同じ特徴がある、
 まず、全ての影が昏い色をした装束を纏っている事、
 そして・・・自転車に乗っていることだ・・・
 拙者、輪蔵(りんぞう)現在その集団の中ほどで自転車をこいでいる、
 さすがにこのままではトップは取れない、
 なので、忍術を使用させてもらう、
 火遁、陽炎光
 「や、山火事!?」
 いきなり目の前に現れた炎の影に慌ててブレーキをかける前方の忍び達、
 無論、拙者が用意していた火に見える懐中電灯の光である
 ブレーキでバランスを崩し、前方の忍びにぶつかり山のように積み重なっていく自転車と忍び達
 「お先」
 それを駆けあがり跳んで着地、山道を先へと進む拙者
 「おのれ輪蔵~!!」
 後ろから恨み言が聞こえるが気にしない、そもそも、このレースにおける禁は3つ、
 一つ、部外の人間にばれないこと、
 一つ、部外の人間にばれる原因を作らないこと、
 一つ、自他選手を殺さないこと
 拙者は禁を破ってはいない、人もいないし、これでばれる原因とはならないだろう
 危険行為だって禁止されていない、だってこれは、
 忍びの競技なのだから・・・
 拙者は漕ぐ足に力を込める、細かい段差はびこる山道の劣悪な道路環境を筋力で無理矢理走破して、
 ぬ・・・気配!
 拙者は漕ぐ足を止め、木の陰に隠れる
 「なんだ・・・?自転車の音が・・・?」
 微かな声聞こえた先の方に背を木に預ける男性が?
 青いベストにズボンに帽子、黄色いシャツ、
 こんなところに登山者?この辺りは一般の人間が使う登山道は無いはず・・・?
 っち、遭難者か・・・致し方ない・・・
 拙者は自転車を片手に持って、一気に杉の木を登り走り、一気に跳躍し遭難者の上に
 
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