バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

ベイ四駆、円駆!!/4

ベイ四駆、円駆!! 4
 
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第4話 卵、楕円、エッグ!?
 
 「で、ここでいいのか?」
 「近くじゃ一番のテクニカルコースですよ」
 蛇色に案内されて、
 街中にある緑の屋根と白い壁持つ長方形と薄く少し潰したの半円柱を組み合わせたような大きなかまぼこ状の建物の公民館の自動ガラスドアの入り口の前まで来る
 「にしても、なんで向こうは人多いんだ?」
 そう俺は問いかけつつ右側を見る、大きな道路を挟んだ先のそこは、
 潰した半球の白いメロンパンのようなドームの前、ドームに入ろうと人がごった返している、
 女性が多い気がするが・・・
 「隣でアイドルがコンサートしてるみたいですよ」
 「へぇ~俺達には関係ね~や」
 気の無い蛇色にそう返しつつ正面に向き直りガラスの自動ドアから中に入る、中は白い壁と天井の広いロビーに紫の絨毯風の床、正面に木のカウンター、カウンター左右に白い円柱、
 「土曜だけコースを設置して開放してるみたいですね?えっと、あのカウンターの紙に・・・」
 と蛇色が正面にある凹の字曲線の上青下白のカウンターに向かっていき、上に乗っている書類を覗き見る
 「あれ?今の時間予約が入ってる・・・?」
 「どれどれ・・・?」
 見てみると、左側の予約時間の横の長方形に大きくチェックが入っており、確かに昼頃の今の時間は予約中で使えないようだ・・・
 「でも後10分ぐらいで予約時間終わりじゃん、書いて行って待ってようぜ、えっと、部屋番は・・・よし」
 「ちょっと!?新速君!?」
 予約時間の横に名前を書き込み確認した部屋番から蛇色が慌てて付いてくる中でコースの有る部屋番を探し、大仰しく縦長の銀色のドアノブなどある両開きの木の扉から中を確認する、あったのは白く横長で箱状で複雑な形の物体・・・?あ、コースか!
 他は広い空間に木の床に白壁にアーチ状の鉄骨で補強された木の天井、
 ふむ、どうやら、ただコースがあるだけのようだが・・・?
 扉を開け入ってみる・・・
 中二階もある左側に窓すらある広い部屋、そこにあったのはやはりいくつものカーブによってぐにゃぐにゃの刃の鋏を無理矢理四角形い修めたようなコース・・・
 確かにこのコースなら・・・
 「おーすげー、確かにここならカーブの練習になるなー」
 「君は・・・なぜここにいるんだ?」
 声を聞いた左手の方を見ると、そこにいたのは氷聖!?
 扉側の壁に背を預けた姿勢なので扉の影になって気が付かなかった!!
 俺は思わず口を開く
 「なんだ、ここを予約してたのはお前だったのか?」
 氷聖が前に会った時と同じように斜めに俺を見たまま口を開く
 「いや、俺ではないぞ・・・」
 バッ!
 シャャアアアア!!
 電源が落ちる音とカーテンが閉まる音が部屋中に響き渡り、真っ暗になる!?
 「だ、誰だ!?」
 中心にスポットライトが灯る!?
 そこに振り子のように長い紐につかまった少年の影が左右に横切り、「
 コース中央に紛れて設置された高い足場に着地!
 全ての毛先を刎ねた黒髪に、青いチェックの入った白Yシャツ、橙のネクタイに薄黄色の長ズボン・・・
 切れ長の目と口に得意げな顔・・・
 それは、右手人差し指を俺、というか後ろの氷聖に突き出し
 「鋭牙氷聖!!今日こそ、屈辱を果たさせてもらう!!」
 キャー!卵貴地ー!!
 いつの間にか中二階に人だかりが!?
 にしても、卵貴地・・・誰だ・・・?
 俺はその男を見つつも思わず言葉を発する
 「なぁ、氷聖、知り合いか?」
 「以前色々あってその後、因縁づけられているんだ」
 へー・・・
 多少つまんなさそうな氷聖の返事と共に照明が戻る
 と、卵貴地とかいう奴が大きく左右に両腕両手を広げ
 「今日はこのコースで勝負だ!近隣で一番のテクニカルコースだよん」
 さらに一跳びで僕達の前まで来て着地!氷聖を見据える!
 「俺は別にいいが、彼らにもこのコースでレースさせてくれ」
 「僕は構わないが?どうせ、僕と氷聖には付いてこられないんだし」
 ええ?こんなややこしい状況で烈炎鋼を走らせるのか?
 俺は呆れて振り返りもせず
 「俺は別にいいけど?この後走れるわけだし・・・」
 「いいや、ダメだ」
 なんだよ氷聖・・・
 「一人でも多くのエンクレーサーと走っておいた方が良い」
 「まぁ、そこまで言うなら・・・」言いつつ俺は右手の同行者の方を見る「蛇色は?」
 同行者は俺を見上げ
 「じゃあ、ついでだから僕も・・・」
 それじゃ、まずは・・・と、
 俺は正面の卵貴地の方を向き、
 「俺の名前は鋼 新速だ、お前は?」
 卵貴地は横に俺を見るように顔は氷聖の方を向きながら目は俺の方を見て
 「僕は振子 卵貴地(ふりこ らんきち)、ま、長く付き合うことにはならないだろうがね!」
 「僕は貫木 蛇色、よろしく・・・」
 移動したのか、左手の方から蛇色の声も聞こえた、
 卵貴地の目もそちらに向く
 「よろしくね!」言いながら卵貴地は俺たち全員を見るように視線を動かし「んじゃ、各自スタートについてくれ」
 俺達はレース場に付く、
 俺と氷聖、蛇色のマシンは以前に説明した通りだが、卵貴地は・・・
 白をベースとして黄色と緑のシンプルなカラーリング、なのだが、
 問題はリングバンパー、
 常時回転式なのは回転してるのでわかるが、マシンが振るえるほどにぶれている・・・
 その正体は二重円式で外側の物は何と卵型で円形の玉子模様が描かれたようなモールドにそこここに黄色い宝石型のプラスチックが埋め込まれている・・・
 「それじゃあ、準備はいいかい?レディ・・・ゴー!!」
 卵貴地の声の元で全員が一斉にコースにマシンを解き放つ!!
 ガギン!!
 いきなり烈炎鋼に卵乱丸がぶつかる!?
 ストレートで当たる場面じゃなかったぞ!?
 「おい!なにすんだ!?」
 「はっはっはっ!卵乱丸はいつもこうなのさ!!」
 卵乱丸がストレートを斜めに走り、反射してまたも斜めに走る!
 その間に他の三台もぶつかり、別々の方向に走る!?
 あんにゃろ~!
 烈炎鋼は幸いストレートよりなのでそのまま走るが、
 豪氷刃は左に、環蛇ウロボロスは右に行く!
 「大丈夫かよ」
 俺の心配交じりの声に
 「この位・・・」
 氷聖は余裕そう
 「僕は大丈夫!」
 本当かよ蛇色!?でも、気にしてる余裕は無い!
 おーし!
 このまま一気に行こうとするも、烈炎鋼の前を卵乱丸が横切り弾き飛ばし後退させる!?
 「いくらエンクが妨害有りのバトルレースだからってこの調子ならイライラしてきそうだ」
 「問題無い、次のカーブで抜き去る・・・」
 へ?
 次のカーブで豪氷刃が一気に外側から卵乱丸のコースを避けて一気に抜き込む!
 「げ、もう抜いた!?」
 「ここだ!」
 さらに、環蛇ウロボロスが内側のカーブに張り付くようにカーブを曲がりぬける!
 「お、お前まで?!」
 「常時右回転にヤスリ吸着式ゴムがここまで相性が良いとはね・・・」
 よく見ると環蛇ウロボロスのリングバンパーのゴム部分がやすりのようになっている・・・
 あれで一気に曲がり切ったのか・・・
 烈炎鋼は順調に回り切る、
 が、卵乱丸の後ろにいるのは烈炎鋼のみか・・・
 そのまま外側のカーブとストレートを走り切り、ウェーブカーブゾーン・・・
 「さて、一気に行かせてもらおう!」
 と、卵乱丸が壁を弾き180度ずつ曲がり、ウェーブカーブを一気に動き切り、豪氷刃と環蛇ウロボロスを弾き一気にトップに?!
 くそ!だけど、烈炎鋼だって!
 ウェーブカーブを着実に曲がり切る烈炎鋼、
 豪氷刃と環蛇ウロボロスの後ろにまで来る!
 「ウェーブカーブはやっぱりきついか・・・」
 と、蛇色がごちる間にも、最後の180度カーブで、豪氷刃は90度の所から内側に跳び、卵乱丸を内側から抜き去る
 「まだまだ甘いな」
 「げえっ!?」
 その後のストレートで環蛇ウロボロスも内側から一気に抜き去る!
 「お先」
 「お前まで」
 「じゃ俺も」
 が、前方を左右に動く卵乱丸が邪魔をする!?
 「行かせるか!!」
 ううむ、そのまま1週回り、最終週のウェーブカーブ、
 ・・・ここをどうにかしないと・・・いや・・・!
 「エッグハンマー!!」
 と、右横から卵乱丸がぶつかってきて、一気に壁の丸くとがった部分に当たる!
 「じゃお先ー!」
 その勢いで卵乱丸が先に行く・・・
 いいや、ここからだ!!
 壁の内側の方丸くとがった部分でリングバンパーが高回転!
 ウェーブカーブの終端点までストレートのように走る!!
 左右に当たりながらも、卵乱丸を斜めからぶち当たり吹っ飛ばす!
 「な・・・!?」
 さらに折り返し点も曲がり切り、さらに先のウェーブカーブもストレートに走り切る!
 コーナー向けのカスタマイズも効いてるな!
 しかし、豪氷刃と環蛇ウロボロスはまだ先!
 右行く最終コーナーを曲がり切ったところで内側にいた環蛇ウロボロスを抜く!
 「ここまでか!?」
 そのまま最後のストレートに行くが、豪氷刃が先にゴールにたどり着く!?
 くそ!追いつけなかったか・・・
 そのまま烈炎鋼、環蛇ウロボロス、卵乱丸がゴールした・・・
 「くそ!」
 思わず悔しさに拳を握り込む!
 「ふむ、どうやら良い経験になったようだな・・・」
 いい経験か・・・
 言った余裕な氷聖を見上げ
 「おうよ!こういう走り方する奴もいるんだな!!」
 「うーん、ウロボロスももうちょっと調整が必要かな・・・?」
 後ろから蛇色の声
 「くそっ!鋭牙氷聖!!」
 と、卵貴地が唐突に目じり上げた怒りの表情で右人差し指を氷聖に向ける!
 「またもしてやられてしまったが次こそは!!」
 ええ・・・
 「なぁ、お前、こいつに何やらかしたんだよ?」
 氷聖に訊いたつもりだったが先に卵貴地の口が氷聖を見据えたまま動く
 「こいつは、僕のデビュー戦を・・・ESCの人達の手も借りてカスタマイズしたマシンでのレースで・・・簡単にぶっちぎっていったんだ!!」
 ああ・・・なるほど・・・
 「俺は実力でお前に勝った、それだけだ」
 ま、こいつはこういうわな・・・卵貴地のファンの前だけど・・・
 「・・・くそっ!!」
 卵貴地がそう言って振り返り、怒りながら出て行った・・・
 そういえば・・・
 「なぁ、ESCってなんだ?」
 「エンク普及委員会のことだよ、」卵貴地を見ながら口をついて出た言葉、今度も氷聖に訊いたつもりだったが、に、答え始めたのは後ろの蛇色だ「英訳のEncu Spread Committeeの頭文字だね、全国大会の主催でもあるよ」
 「へー、あの大会の主催かぁ・・・」
 と、そんな感じで、俺達は卵貴地を見送ったのだった・・・
 
エンクシリーズ第四弾!
卵輪、卵乱丸!
左回転卵型リングバンパー機体、卵乱丸をキット化!
卵乱丸でレースの全てを巻き込め!!
エンクレーシングスタンダード、卵乱丸!!
 
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