左竜右人ドラセルシア 9
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
第3話 闇鍋卵スープ サバイバル 後編
私は皿を置き、両手を合わせ
「ごちそうさまでした」
そう言って食事を終えた、どうやら、周りの人の皿も空になっているところを見ると皆、食事を終えたようだ、
と、私に頭にふと一つの疑問が浮かぶ、
「そういえば、皆何いれたの?私は闇猪の肉入れたけど」
「俺は邪人魚昆布だな・・・」
と戦士の方が疲れから少し回復した雰囲気で返して来る
「何?その身体に悪そうなの・・・それに邪人魚って要はセイレーンとかいう船を沈めるモンスターの」
「そういう奴らがよく出る海域の昆布ってだけだよ、地元民は普通に鍋に入れたり乾燥させたりして食ってるぜ?俺はそこで乾燥昆布もらってただけだ」
へぇ・・・
「じゃあ残りは?あの茸、似たようなの食べたことあるけど微妙に違う・・・」
「あれは茸じゃないぞ」
と弓使いが少し取りつくしまのある風に言ってきた
「じゃあ何?」
「シャドウゲンガーの端っこ」
思わずスナイパー以外の全員が噴き出した
「おいコラ!何くわしてやがる!!」
と狼男が慌て大声でいう
「さすがにこれはなぁ・・・」
戦士も上まぶたが一直線になった呆れた目でスナイパーの方を見る・・・
シャドウゲンガー・・・
闇属性の影の様な精神体モンスターで憑りついた者の精神を乗っ取ったりする、といったタイプの代物である、
無論、食えるという話など聞いたことが無い・・・
「大丈夫だろ」
平然と返すスナイパー
「薬にも使うらしいし、滋養強壮にもいいと聞いたことがある、と、この以来のひとつ前の依頼でシャドウゲンガー倒した時に聞いた、ま、問題ない問題ない」
そう言って右手を少し上げ力なく振る様に、
私は(多分残りの二人も)若干の不安を覚えるのだった・・・
本当に大丈夫だろうなっ!?
・・・いや、大丈夫だろう、と、なぜか少しハイになりながら思う私・・・
・・・このハイがシャドウゲンガーの端っこのせいではありませんように・・・
闇鍋卵スープ
デカミュールの乾燥玉子
名前の通りデカミュールという鳥類の玉子を乾燥させたもの、
デカミュールは卵もデカい他、乾燥させると味が凝縮される
闇猪の肉
闇属性を持つ猪の肉、
あくまで闇属性を持ってるだけなので味は通常の猪と同様である
シャドウゲンガーの端っこ
魔女などが滋養強壮や魔術に使う素材、
シャドウゲンガーの魔力の塊、健康な時に食べないこと、心の病に効くと言われる
邪人魚昆布
セイレーンとも呼ばれる邪人魚のいる海域の昆布、
セイレーンが操ることで人の足に良く絡んでおぼれさせるが、通常はごく普通の昆布
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――