バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

マルチプルブレイドターンインフィニティ オブ トラジリィー/8

マルチプルブレイドターンインフィニティ オブ トラジリィー 8
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 俺達は、ロサミを追って           BGM:砂漠の商業都市フォビドン
 街中をゆっくりと歩いていた・・・
 裏路地から奥の方へと入っていく・・・
 昼間、熱いが、だんだんと夕暮れ時になり気温が下がっていく、
 そして、街はずれ、それも宮殿より離れた路地の方に入り込んでいき、不意に広い場所に出た、
 そこに、黒い鎧を着た大剣二本背に持つ青年が現れる・・・あれは・・・コウ!
 コウがロサミを見据え
 「遅かったな・・・」
 「まぁね、もっとも・・・」                      ドン!
 いきなり背中の鞄を下に置き、振り返りつつ鞄のレバーを上に引くと、鞄のなかの絵柄が
 下に回って上から出てくるように変わっていく!?   ティラティラティラ・・・
 「さて、何が出るかなっ!!」               テン!テン!テン!
 ロサミが上から覗き込む中で出た絵柄はスイカが三つ
 「それなら、ちょっと工夫してこれだ!!」
 ロサミが元気いっぱいに背を伸ばしながら右手を振り上げる!・・・すると、周りを緑と黒の歪んだ縞々の結界が覆う!
 そして、ロサミの視線が物陰に隠れてるはずの俺達の方に
 「さぁ出てきてごらんよ!この結界でもうあなたたちは逃げられない、それとも、私達の方から行っちゃおうかな!?」
 右手の人差し指を上に気持ちよく立て、俺達に口端を上げた楽しそうな笑顔見せつつ突きつけてくる少女・・・
 ・・・仕方が無い・・・
 「ほぅ、どうやら雑魚共の集まりのようだ」             SE:驚き
 「きゃーっ!あの黒髪ロングの人、かっこいいーっ!!」
 黒髪ロング・・・?あ、俺のことか・・・
 それを証明するかのようにロサミは俺の方に目を大きく見開き見ていた・・・
 「確かにかっこいいよねぇ・・・」
 なぜかメイダも顔を赤らめこちらを見る、別にいいけど・・・
 「まさか、コウがかかるとは・・・」
 今の俺は全身を覆うフードとマント、その下に黒の長髪ウィッグ、要はかつらだけど、それを付け、マントの下に緑の薄い上着を羽織り、それに背には大剣を背負っているように見えるはずだ、
 時計を鞘に納めて大剣のように見せているだけなのだが、鞘の刃の根元右に鞘に鞘内部から白銀の刃が見えるような鉄パーツをくっつけてあるおかげではたから見るとただの大剣にしか見えない
 メイダさんは青い布でフードのように体全体を覆い、
 ジンガさんも俺と同じくフードとマント、白長髪のウィッグだが、大剣の刃の一方をマントの内側にいれ、
 俺と同じような鞘を使うことでこちらもただの大剣に見せかけている、
 マユーカはローブではなく貫頭衣にズボン、肩上までの金髪のウィッグを付け、杖はデカイ杖型のケースに入れており、
 リリサもメイダさんと同じような衣装だが色は緑だ、         SE:疑問
 と、コウが疑問を抱くように俺達を見下ろす
 「ん?俺のことを知っている、それにその声・・・」
 俺達は変装を投げ捨てる!                   SE:驚き二連
 次の瞬間にはコウの目つきが鋭く変わり、武器を取らないまでも構える!
 「やはり・・・時計の!」
 「えぇええええ!?」
 コウが言い切る中で、ロサミが大げさに右手を口にかざしつつ大口開け驚いている・・・
 「久しぶりだね、まさか、君がかかるとは思わなかったよ!」
 「って、ことは、時計みたく大事なもんがあるか?それとも別の目的か・・・?」
 「いずれにしても、帝国軍が関わってるなら見過ごすわけにはいかない!洗いざらいはいてもらう!」
 俺とジンガさんの威圧の言葉にも、コウは冷静にロサミを横目で見る
 「ロサミ、失態だったな・・・」                 SE:戸惑い
 「う・・・」
 ロサミは動揺して右口端上げながら少し後ずさる、それにしても
 「でも、尾行してるってよく気付いたね・・・」
 「そりゃそんなに大人数ならね、でも、あのかっこいいのがあんなだったなんて・・・」
 一体どう見えてたっていうんだ・・・
 「ロサミ、失態は失態だった、だが・・・」
 コウが右手の剣を突きつけてくる・・・
 「こいつらを引き寄せたのは上出来だ!
  今ここで始末してくれる!!」              BGM:五芒星戦1
 コウが剣を背後に六本出現させ、走り込んでくる!
 「一刀黒曜斬!」                  (イットウコクヨウザン)
 振り上げた二刀の剣、それと連動するように残りの全ての剣も振り下ろされてくる!
 何とか盾で防ぐも、足腰が防ぎきれずに吹っ飛ばされた!?
 「敵も味方もすべて熱く!リスナーファイア!!」       ゴォオオオ・・・
 辺り全てが火の粉に覆われ、相手の足が止まり、俺の腕の力が増す!
 そのまま一気に斬り込んでいく!
 「おっと、黒曜防返壁!」              (コクヨウボウヘンヘキ)
 一本を除き宙飛ぶ剣が円状に集まり盾と化して俺の剣を受け止める!
 「しまっ・・・」
 そこで残った剣が振り下ろされ、俺は何とか盾で弾きつつも後ろに下がる
 「くそっ!」
 「スロット、スロット、何が出るかな・・・」      輝きの星よ・・・今こそ
 と、ロサミが目の前に降ろしていたマシンのレバーを引き、マシンが一つの絵柄をそろえる!
 「出ました!ベル3っつ!ベルミッツ!!」       水よ・・・空より集まり
 一気に大きなベルが降ってくる!                  我が意思に
 「うわわわ・・・!」                        ゴーン!
 思わず後ろに下がると、そのベルは地面を大きくバウンドし、 降り注ぎ我らの敵を
 空中に制止した後、三度ほど大きな音を鳴らす!    ゴーン!ゴーン!ゴーン!
 それに俺が足を止めている間にコウが走り込んでくる! 従い・・・瞬け! 潰せ!
 「スターシャイン!」    キラキラキラ・・・ドゴーン!ドゴーン!ドゴーン!
 「ウォータープレス!」               ダァン!ダァン!ダァン!
 星と水が足止めし、
 「鍾乳石落とし!!」
 ジンガさんが上より追撃する!
 「っち!黒曜防返壁!」                       ガァン!
 コウが防ぎつつ反撃するも、とっさに剣で受け流し避けるジンガさん!
 「スロット、スロット、何が出るかな・・・出ました!バー3っつ!」
 「バーミッツ!!」
 突如、上よりBARと書かれた黒い板がジンガさんの上から降ってきて、ジンガさんを取りかこむ!
 「ちょ、出られねぇ!!」
 「シンガさん!」
 「これは俺がどうにかするから、お前らは正面の敵に集中しろ!!」
 そう言って、ジンガさんは剣を板に振るい始めた!       ガシン!ガシン!
 「敵も味方もすべて・・・」
 「うっとぉしい!楊舞黒曜剣!!」
 剣がロサミに向かって行き、ロサミは詠唱を中断、何とか避ける!   炎よ・・・
 「スロット、スロット、何が出るかな・・・出ました!ベル3っつ!ベルミッツ!!」
 「うどわわわ・・・」
 さらに、マユーカの上よりベルが降ってきて、その音波にマユーカが吹き飛ばされる!
 「この!」
 俺はロサミに向かって走り込むが、
 「黒曜防返壁!」
 コウに入り込まれ、壁になり防がれる、 我が願いよ意志よ、その者に息吹を与える
 咄嗟に剣を振り上げ、叩きつけるが、俺の剣じゃ届かない! 我がために命じる!!
 「パワーアタッカー!」
 これは・・・メイダさんの声が響いた瞬間、力があふれる、
 「はぁあああ!!」
 そして、気合の裂ぱくと共に防壁を剣が突破する!
 「馬鹿な!?」
 後ろを反撃の大剣が通過する気配を感じつつ、俺はコウにひっ迫し、
 「空裂牙走閃!」      ビュォオオオオ!!ザシュザシュザシュザシュザシュ
 一気に上に吹っ飛ばす!
 「グォオオオ!」
 「まだだ!数素・・・「私がいるっ!!数素解放!!」
 ロサミの数素開放!?
 「スロット、スロット、何が出るかな・・・出ました!チェリー3つ!」
 サクランボが大量に振ってきて、爆発を起こす!        ドドドドド・・・
 「ベル3っつ!」
 ベルが降ってきて、地面をバウンド!                 ゴィン!
 あたりに響き渡る大音量を出す!!          ゴーン!ゴーン!ゴーン!
 「バー3っつ!」
 BARと書かれた板が大量に降ってきて
 俺たちを斬り裂く!                 ザシュザシュザシュ・・・
 「そして・・・スリー・・・セブーン!!」
 スロットマシンより赤ふち金の7が3つ飛び出してきて、あたりを光で満たしていき、その光が俺達を焦がす!
                                 ボボボ・・・
 そして7が大爆発!                       ボガーン!!
 俺達は吹き飛ばされ、倒れ伏す!
 「よくやったぞ!ロサミ!」
 「へへへ・・・」
 コウが着地しロサミの照れ笑いの声が響き、コウは俺に向かってきて両手の大剣を振り下ろす!
 俺はなんとか立ち上がり、コウの剣を盾で受け止める!
 何とか防ごうとするも足に力が入らなくなっていく・・・
 コウはテンションが上がって見開いた眼を持つその顔を俺に寄せてきて
 「フラフラじゃないか!このまま勝負を「勝負を決めさせてもらおうか?」
 聞こえたのはロサミの方、聞こえた声はジンガさんのもの!
 見ると、ジンガさんがいつの間にかロサミの裏に回り込み、その剣をロサミの首に突きつけていた・・・
 「ひっ・・・」
 気付いたのか、いつの間にか涙目になってるロサミ
 「なっ!?いつの間に!?」
 コウの問いかけが響く
 「さっきの大爆発の爆煙に紛れてな、あのBAR板、何度も呼び出せるものじゃなく、呼び出したら前の奴は消えちまうみたいだな・・・」
 コウが気を取られてる間に、コウの剣を盾で押し返す!
 「ロサミ!レバーを引け!」
 ロサミが無理矢理レバーを引く!
 「ス・・・スロット、スロット、何が出るかな・・・・・・」「おい!下手な真似したら首を」「出ました!チェリー3つ!!」
 辺りをサクランボ型の大量の爆弾が降り注ぎ、
 その爆煙が消えたころには、コウとロサミは消えていたのだった・・・
 「逃げられた・・・」                      BGM:無音
 「やぁやぁ、よくぞ彼女の正体を暴いてくれました・・・」
 と、いきなり物陰より一人の人間が出てくる、
 肌が黒く、この地方特有の格好をして髭を長く伸ばした青年・・・?
 口元を白い布で覆ったその顔は好意的かつ俺達のことを油断無く見て目を閉じかけるほどの顔を浮かべ
 「私、ディバーソンルと申します、主に命じられ、あのロサミの身辺調査をしておりました・・・」
 「は・・・はぁ・・・」
 「あなた方がいなければ、私の尾行も見破られ、危うくあの数素武器で殺されるところでした・・・」
 「え・・・えぇ・・・」
 いきなりの展開に曖昧な言葉しか出ない俺
 「つきましては、我が主と会ってもらってもよろしいですか?」
 どうすべきか、皆に目線を送る・・・
 「俺は構わねぇよ」
 ジンガさんがいつもの調子で返す
 「私も・・・」
 メイダさんは少し不安そうな声
 「ぼ・・・僕も・・・」
 マユーカは戸惑い気味の調子
 「私も私も!」
 リリサは右手を上げながら上下させるぐらい元気よく・・・か
 俺は皆に向かって一つうなずき返し、ディバーソンルさんの方に目線を戻す
 「構いませんが・・・その前に・・・」
 「その前に?」
 「その前に・・・レンタルしてた衣装、返してこないと・・・リリサと懇意にしてた店から借りて変装してたもんですから・・・あとそれから・・・」
 「それから?」
 これだけは言っておかないと・・・
 俺は決意で持って、先を言う・・・
 「約束してください、戦争を起こさない方向で話を進めるって・・・」
 「・・・それは主次第ですね、今ここで約束はできません、それでも?」
 「わかりました、主さんと直接話します」
 「ではこちらに・・・」
 そう言って、右手を案内するかのように上げて振り返るディバーソンルさんに、
 俺達は付いて行ったのだった・・・
 ・・・                  BGM:砂漠の商業都市フォビドン
 俺達は砂の宮殿の内部に案内されていた、
 その最上にある金のような色をした左右にバルコニーの付いた真四角な部屋の少し奥では、長く真白い装束に体を包み、床に紫を主軸とした鳥の羽のような金細工の模様入りのカーペットを敷いて座り、
 頭の巻き布に根元に赤い楕円の宝石を付けた羽毛を模した金細工を付けた老人がいた・・・
 そこでディバーソンルが部屋中ほどでその人に向かって頭を下げ
 「ロサミは帝国軍と通じておりました」
 老人の目線がディバーソンルに注がれる
 「ふむ、良い者を見つけたと思ったが残念だ・・・して、その者たちは?」
 言いながらこちらを見渡す老人・・・
 「ロサミが帝国軍と通じていた場面に居合わせたものです、どうやら、その者達と対立しているらしく、事情をある程度把握してそうでしたので・・・ほら、お前達、座れ!!」
 俺達はおとなしく座る、胡坐をかいたりペタン座りしたり・・・
 でも、事情を知っていると言われてもな・・・ここは訂正しないと・・・
 俺は改めて老人の方を見て声を発する
 「ロサミが会っていたのは帝国軍特殊部隊のコウというものです、数素武器を集めている、ということぐらいしか俺たちは知りません」
 と、一気に老人の細めた目の目線が俺達に向けられる
 「ほう・・・では、おぬしたちの数素武具も奪われそうになったと?」
 「はい、正確にはその時には俺しかいなかったので、俺の数素武具だけですが、俺はなんとかその場は逃げだしたのです」
 「ふむ・・・」
 黙って目を伏せ何かを考えかけてるな、迷惑かもしれないけど、訊けるときに訊かないと・・・
 「あの・・・?」
 考えかけ伏せかけた目線が俺達に戻る
 「なにかな?」
 「まさか、戦争に加担しようなどとは・・・」
 「噂になっている、王国軍と帝国軍の・・・かね?」
 さらに目線が細まり、厳しいものになる
 「はい」
 「いいや、わしは加担せぬよ・・・止めるために尽力しよう、ただし・・・」
 「ただし?」
 「その過程でわしが何をしようとも、わしを信じること・・・」
 「ええっと・・・そう軽々しくは・・・信じかねます」
 そう言った瞬間、ディバーソンルさんが一気にこちらに振り返り、その強め細めた目から非難の目線を見せる
 「おまえ!フィローゲル様に向かって!」               バサッ!
 しかし、その老人は右手を大きく開いて前に出しディバーソンルさんを制し、ディバーソンルさんが気付いたように目を見開き動きを止める
 老人はディバーソンルさんと俺たち全員を見るように目線を向け
 「よいよい、そう簡単に信頼できるわけもない、しかし、これだけは覚えておいてほしい・・・」
 俺は老人、フィローゲルさんの方を真正に見る
 「・・・なんですか・・・?」
 フィローゲルさんも視線を真正に返してきた
 「戦争はそう簡単に止められるものではない・・・とだけな・・・」
 「・・・わかりました・・・」
 「では、話はこれでいいかな?これでも忙しい身でね・・・」
 「はい・・・」
 俺達は苦々しい思いを抱えたまま・・・宮殿を出る・・・
 「で、これからどうするの?ここにいる?」
 街中で左手の方から来たリリサの問いにそちらを見て答える
 「いや、その前にマユーカが言う魔術大学に付き合おうと思う・・・」 SE:疑問
 見上げる視線、不思議そうに見開いた目を瞬きし
 「どうして?」
 「鍵と時計が何の意味を持つのかを知りたい、それによってこの旅の意味も変わってくると思う・・・」
 「ま、あの爺さんが信頼できるかは知らんが、少なくとも知識が必要なのは確かだな・・・」
 ジンガさんの声を聴きつつ右手のメイダさんの方を向く
 「メイダさんもそれでいい?」
 メイダさんは特に変わらぬ調子だ
 「私もそれでいいわ、鍵がデカいお宝になるなら、これ以上のものはないもの」
 「決まりだね、それじゃ、一路魔術学院へ!!」
 おーっ!
 皆で右こぶしを振り上げ、
 魔術学園を目指すことになったのだった・・・    SE:ワールドマップへ移動
 
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マルチプルブレイドターンインフィニティ オブ トラジリィー/7 妖魔版

マルチプルブレイドターンインフィニティ オブ トラジリィー 7 妖魔版
 
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 「そういえばさ?」                 BGM:ワールドマップ1
 「何?」                         ザッザッザッ・・・
 砂漠を歩く中後ろからリリサとメイダの声がする       ザッザッザッ・・・    
 「メイダって、回復系の術が使えるんだよね?」
 「そういうリリサは補助と攻撃一度に使える術があるじゃない・・・」
 「あれって、そんなに珍しいの?」
 「珍しいっていうか、私はあんまり聞いたことない・・・どうやって使ってるの」
 「どうやってって・・・私は思いついた呪文をどーって・・・」
 「そうじゃなくて、術ってさ、イメージのコントロールが必要じゃない?どうやってイメージしてるのかってさ・・・私、補助系はどうしても無理で・・・」
 「うーん、リスナーファイアを使う時は、味方も敵も一気に熱くなっちゃえ~って、そういう感じ」
 「え・・・?どういう感じだって・・・?」
 「そういうメイダは回復術ってどういう感じで使ってるの?私、回復術って使えないんだよね~」
 「ええ、そうなの?意外・・・私がヒールを唱える時は、そりゃあ、あの人を助けたいとか、このまま別れたくないとか、そんな感じ・・・」
 「ふうん、なんかトラウマ持ち?」
 「そんなわけではないけど・・・」
 「まぁいいや、つまり誰かを助けたいとか奉仕したいとかっていう意思が大切なのかな・・・?」
 「補助系の場合はどういう感じに変えたいとかかな・・・?今度やってみようかな・・・」
 「ねぇねぇ、にぃちゃん」
 「にぃちゃんって俺のこと?」
 いきなり後ろから話しかけてきたのはマユーカだ、思わず目線をそちらに向ける
 「数素秘奥義って使える?」
 「唐突質問だけど、それっぽいのなら使えるよ」           SE:驚き
 マユーカの目が少し驚いたように見開かれる
 「ど・・・どうやって?」
 「どうやってって言われても・・・こう、感情を全部ガーッとぶつける感じ」
 「ううん・・・やっぱりそんな感じかぁ・・・」
 マユーカがなぜか残念そうに目線を伏せ逸らす
 「やっぱり?」
 「僕も先生にそう教わったんだよ、全部の感情と数素を全てぶつけろってさ」
 「へぇ・・・」
 「やっぱり駄目なのかな?何がダメなんだろう・・・?迷いや戸惑いがあったらダメなのかな・・・?」
 迷いや戸惑い?                          SE:疑問
 「ううん、よくわかんないな・・・初めて出した時は、出さなきゃやられるって状況だったし・・・」
 「ううう・・・」
 とまぁ、そんなこんなで目線を少し戻すと、先の方にフォビドンと思わしき街が見えてきた・・・
 砂色の四角い家々が立ち並ぶさまは        SE:ワールドマップから移動
 先ほどの村と同じだが、
 その規模が決定的なまでに大きく、たくさんの人がいて、
 一番最奥の階段で登る高い台の上には家の様式は同じなれど
 左右に塀の様な廊下が付いた大きな家がつながったそれよりも大きな宮殿が
 存在しているのだった・・・         BGM:砂漠の商業都市フォビドン
 その入口で俺達は横並びで街を見渡す・・・
 「ここが、フォビドン?」              いらっしゃいいらっしゃい
 「そうだよ~」         おおお客さんカコイイねドウこの壺安くしとくよ
 リリサの呑気な声が響く、しかし・・・         ただの安壺だな、いらん
 「さて、これからどうしようか・・・?」            ああ、それじゃ
 「ここの長にでも直談判に行くか?」        10個セットでこのお値段ね
 左手からのジンガさんの声に俺は口に手を当てて頭をひねる   ぬ・・・これなら
 「う~ん、でも、当てもないし・・・           ご近所にも配れる!!
  確かにそれができれば一番いいんだろうけど・・・」
 「前みたいに利用されてここまで戦争に巻き込んじまうかもしれないかもな、なら、情報収集と行こうか?」
 と、右手側に嬉しそうに顔をこちらに向けるリリサが見えた
 「なら、酒場とか?あ!食事処と両立してるところなら知ってるよ!もちろん、掲示板のあるとこ!」
 ・・・他に行くとこも無いか・・・俺はリリサに顔を向け、声を発する
 「案内してくれる?」
 「もちろん!」
 「でも、俺達と一緒にいたら危険かもしれないよ?」
 「平気平気!私、そんなに弱い女じゃないもん!」
 リリサの自信と楽しさ垣間見える笑顔、でも・・・
 「そういう意味じゃないんだけどな・・・」
 「ほらほら、こっちこっち!」                  ザザザ・・・
 リリサが町に向かって走り出す!
 俺達は顔を見合わせ、互いの呆れ顔から何の案も無いことを察すると、仕方無くリリサについていく・・・
 そうして左手の大通りから一本入った通り、右手に少しずれたところ、大通りの方を向く店の前でリリサが待っていた、
 外観は他の家よりも大きく、入口の左上には大きな鉄の棒を刺しその下にベッドと皿に盛ったご飯を模して打った角の丸い逆三角の鉄のプレートがつるされていた
 「ここ、ここ!」
 リリサに促され俺達がドアの無い扉を通ると、   BGM:食器をこする音が続く
 その先では石製の丸い机を並べた店、
 奥には陶器の器を並べた棚、その先には木製のカウンター、
 机の周りとカウンターの前には石製のイスが椅子二つ分程間隔を開け並べられ、8から9割ほどは人が入っている
 奥には頭に布を巻きシャツを着た少し年の行った日焼け肌のガタイの良い店主がいた・・・
 「いらっしゃい」
 重苦しい声・・・
 「店主!リリサだよ!」
 リリサが右手を上げ挨拶すると途端に店主の顔から力が抜け、警戒が薄れる
 「おっ!リリサちゃん!また来てくれたのかい!」
 重い声のまま、眉を上げて笑う店主
 「うん!この人たちと一緒にご飯!今席空いてる!?」
 「ああ、あっちの方に空いてるから、座ってくんな」
 俺達から見て右手の方に差した先の中央付近に、確かに誰もいない席があった・・・
 「俺はカウンターでマスターと適当に会話してみるわ、お前ら、お金はあるな?」
 「あるよ、一応」
 「じゃ、そういうことで」
 ジンガさんはマスターの前の席の一つに歩いていき、俺達は指定された席に向かう
 リリサがいることで周りが俺達を見るのが分かる、好奇や嫌悪が主だが、羨望の眼差しも見える、
 しかし、誰もそのことを口に出すことはなく食事を進めている、真昼間、酒はあるが飲む時間帯ではない、ということは、皆静かに食事がしたいのだろう、裏通りにある重苦しい雰囲気の店だから、なおさらそう見えるのかもしれない、俺達としてはそちらの方が好都合だ、
 俺達は椅子を一周するように座る
 「こちらどうぞ~」
 マスターとは違う髭の濃い男性が木の板に張り付けた紙のメニューを持ってきた、
 幸い、所持金に不具合が出るような値段ではない、
 俺達はそれぞれ適当に食事を頼むと、男性はそれを手に持った本の様な黒板にメモして奥の方に去っていった・・・
 そうして出てきた料理、
 俺は黄色く炒めた米と骨付き鳥、
 メイダさんは薄いパンのようなものに鶏肉とトマトのスープ、
 マユーカは黄色い煮豆と赤い炒め米、
 リリサは緑色のスープに四角く切った炒め鶏肉が乗った米だ
 そして、皆で食事を進めていく・・・
 ジンガさんも向こうでマスターといろいろ話してるようだし      バァン!!
 いきなり上より扉を開く大きな音がする・・・           BGM:無音
 なんだ・・・?
 見上げると、カウンター横、壁一枚を隔てて二階への階段が存在しており、
 食堂エリアの真上にある壁沿いの通路を右に進んだ先に扉が二枚並んでいて、
 その奥の方の扉が開き、誰かが出てきていた、
 出てきたのは、緑のローブで全身を覆って顔だけ出す、
 はつらつな顔をした少年・・・いや、少女か・・・ BGM:名前はロサミだよん!
 年は幼いと言ってもいいそれで、ローブには下がった犬の耳のようなものが付いているが、特に目を引いたのは両肩に掛けたベルトより背中に背負った物、
 てっきり硬質の縦長方形の背負い鞄かと思ったら違う、
 降りてきたときにそれを見たが、横にレバーがあり、なぜか中央上に小窓があり、横に三つ並ぶサクランボの絵が付いていた、
 まるでおじさんが旅行から帰ってきたときに訊いたスロットマシンのような機械だ、
 しかし、スロットマシンはカジノという所(おじさんがそこがどういう場所なのかはおじさんの奥さんのおばさんに話を中断されて結局教えてもらえなかった)にしかないと聴いたのだが・・・?
 「おい、あれ、ロサミじゃねぇか?」
 「ああ、間違いねぇ・・・」
 お客たちが一斉に見るも、それは嫌悪の目一色、俺達の時とは違い、そこに好意的なものは存在しなかった・・・
 「フィローゲル様に取り入って、何かやらせようとしているとか・・・」
 「王国と帝国の戦争に介入させようとしているって噂も聞いたぜ?」
 「新参者が・・・」
 「俺達は商売をしたいだけだ、命のやり取りも誰かを死なすのもごめんなのによ・・・」
 ロサミと呼ばれた少女は、俺達を含めた皆を一瞥するも、
 何も気にすることなく去っていく・・・      BGM:食器をこする音が続く
 「あの子・・・」
 「怪しい・・・」
 「前来た時、あんな子がいたなんて知らなかったけど・・・」
 知らなかった・・・か・・・
 俺とマユーカが放った言葉に続くリリサ、
 そこにジンガさんが口端を少々上げた少し得意顔で戻ってきた、
 「マスターからたっぷり話は聴けたよ」
 「どうだった?」
 ジンガさんは横目でさっきロサミが去っていった出入り口を見た
 「やっぱり、あのロサミって子が怪しいらしいな・・・
  さて、どうするか・・・」                    SE:閃き
 唐突にリリサが身を乗り出すほどの勢いで元気よく右手を上げ二度ほど上下に揺らし
 「はいはい!いっそのこと尾行してみるってのは!?」
 「でも、私達の姿、知られちゃったんじゃないかな・・・?」
 俺達皆が一気に注目したリリサの意見をメイダさんがごもっともな意見否定する、しかし、リリサは右手を下げながらめげずにいたずらっ子のような笑みを浮かべ、
 「それについては、案がありま~す!」
 
スロットマシンを背負う少女ロサミ アピス
M モンスター
賃金2          第一効果
魔力1400       ☆1このモンスターが次の戦闘に参加する時』
哺乳・地属性       ☆2自分の同じカテゴリを持つ
効果           リサイクルカード三枚がある時』
戦闘前          このモンスターの魔力を500上げる
自任意          
次の戦闘終了時まで    
                   ☆2・条主対象:☆を全て指定すること
                     ★0・以外:★を全て指定すること
             文・スロットマシンを背負う謎の少女
               その正体は?
               というかスロットマシンの方が気になるんですけ
               どそれは一体何!?
 
二閃の浪人 ジンガ・ヤガタ クレイア
M モンスター
賃金2          第一効果
生命力1500      ☆1このモンスターが次の戦闘に参加する時』
哺乳・地属性       ☆2相手モンスター1体を指定し』
効果           そのモンスターの生命力を200下げる、
戦闘前          ・そのモンスターの生命力が500以下の時、
自任意           そのモンスターを時限無しで
このターンの間       相手のトラッシュに送る
                   ☆2・条主対象:☆を全て指定すること
                     ★0・以外:★を全て指定すること
             文・二刃を持つ大剣を背負う青年、
               その重い剣術で相手を叩き斬る!!
 
氷聖烈光盾 アピス
R リサイクル
賃金0          第一効果
スピリット・闇属性    ☆1このリサイクルを賃金として召喚した
効果           魔力持ちの自分のモンスターがいた時』
賃金で表になった時    ☆2同じ場所にいる相手のモンスター』の
自任意          魔力を300下げる
このターンの間
                   ☆2・条主対象:☆を全て指定すること
                     ★0・以外:★を全て指定すること
 
牙飛閃!! アピス
 
地裂烈加! クレイア
R リサイクル 
賃金0          第一効果
スピリット・地属性    ☆1このリサイクルをコストにしたのが
効果           賃金持ちの自分のモンスターだった時、
賃金で表になった時    もしくは次の戦闘に賃金持ちの
自任意          自分のモンスターが参加する時』
このターンの間のみ    ☆2相手のモンスター1体の生命力』を200下げる
             その後、可能であるなら自分のチャージゾーンの
             裏側表示のカードを賃金で表にする
                   ☆2・条主対象:☆を全て指定すること
                     ★0・以外:★を全て指定すること
             文・間合いを計りつつの地裂斬からの追撃が決まる!
 
空裂牙走閃 クレイア
 
氷聖烈光盾 アピス 地裂烈加! クレイア 相殺
 
欲望の戦士達      VS 数素武具の戦士
氷聖の騎士団長        二閃の浪人
アイレス アピス       ジンガ・ヤガタ クレイア
賃金2            賃金2
魔力1400         生命力1500
哺乳・氷属性         哺乳・地属性
戦闘前            戦闘前
☆1             ☆2
スロットマシンを背負う少女  星の魔術師
ロサミ アピス        メイダ クレイア
賃金2            賃金1
魔力1400         魔力800
哺乳・地属性         哺乳・光属性
戦闘前            戦闘前
☆2             ☆3
裏:1表:2         裏:1表:2
  
氷聖の騎士団長        二閃の浪人
アイレス アピス       ジンガ・ヤガタ クレイア
賃金2            賃金2
魔力1400         生命力1500
哺乳・氷属性     VS  哺乳・地属性
戦闘前            戦闘前
☆1             ☆2
 
氷聖の騎士団長        二閃の浪人
アイレス アピス       ジンガ・ヤガタ クレイア
賃金2            賃金2
魔力1400         生命力1500
哺乳・氷属性     VS  哺乳・地属性
戦闘前            戦闘前
☆1             ☆2
トラッシュ!
 
スロットマシンを背負う少女  星の魔術師
ロサミ アピス        メイダ クレイア
賃金2            賃金1
魔力1400         魔力800
哺乳・氷属性     VS  哺乳・光属性
戦闘前            戦闘前
☆2             ☆3
 
星の魔術師 メイダ クレイア
M モンスター
賃金1          第一効果
魔力800        ☆1このモンスターが次の戦闘に参加する時』、
哺乳・光属性       ☆2賃金を持つ裏側表示の
効果           自分のチャージゾーンのカード1枚を表にして』
戦闘前          ☆3自分の何のカードも置かれていない場所1つ』に
自任意          後述のモンスターを賃金0扱いで召喚する
このターンの間      これは時限を過ぎるか
             場所を移動したとき消滅する
             ・魔力0、効果無しそれ以外は
              このモンスターに準拠したモンスター
 
スロットマシンを背負う少女ロサミ アピス
M モンスター
賃金2          第一効果
魔力1400       ☆1このモンスターが次の戦闘に参加する時』
哺乳・地属性       ☆2自分の同じカテゴリを持つ
効果           リサイクルカード三枚がある時』
戦闘前          このモンスターの魔力を500上げる
自任意          
次の戦闘終了時まで    
                   ☆2・条主対象:☆を全て指定すること
                     ★0・以外:★を全て指定すること
 
星の魔術師 メイダ クレイア スロットマシンを背負う少女 ロサミ アピス 相殺
 
連牙飛黒曜 アピス
R リサイクル 
賃金0          第一効果
スピリット・闇属性    ☆1相手と自分の戦闘前タイミングと賃金を持つ
効果           モンスターかリサイクルの発動が
相殺時          戦闘前タイミングを持つ
自任意          モンスターかリサイクルの発動で相殺された時』
このターンの間      ☆2自分のモンスターが次の戦闘に参加する時』
             ☆3次の戦闘に参加する
               相手のモンスター』の魔力を200下げ、
             ☆4自分の何のカードも置かれていない場所1つ』に
             後述のモンスターを賃金0扱いで召喚する
             これは時限を過ぎるか
             場所を移動したとき消滅する
             ・魔力0、効果無しそれ以外は
              このリサイクルに準拠したモンスター
                   ☆4・条主対象:☆を全て指定すること
                     ★0・以外:★を全て指定すること
             文・空飛ぶ刃で相手を翻弄し、斬る!!
 
スロットマシンを背負う少女  星の魔術師
ロサミ アピス        メイダ クレイア
賃金2            賃金1
魔力1400         魔力800-200
               計600
哺乳・地属性     VS  哺乳・光属性
戦闘前            戦闘前
☆2             ☆3
               トラッシュ!
 
連牙飛黒曜 アピス  VS  数素武具の戦士
賃金0
魔力0
スピリット・闇属性
無し
☆0
 
連牙飛黒曜 アピス  VS  数素武具の戦士
賃金0            ダメージ!
魔力0
スピリット・闇属性
無し
☆0
 
欲望の戦士達      VS 数素武具の戦士
山札:27枚         山札:27枚
手札:3枚          手札:4枚
ライフカード:3枚      ライフカード:3枚
チャージゾーン:3枚     チャージゾーン:3枚
トラッシュ:3枚       トラッシュ:2枚
 
モンスターゾーン       モンスターゾーン
               二閃の浪人
               ジンガ・ヤガタ クレイア
               賃金2
               生命力1500
               哺乳・地属性
               戦闘前
               ☆2
スロットマシンを背負う少女
ロサミ アピス
賃金2
魔力1400
哺乳・地属性
戦闘前
☆2
 
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マルチプルブレイドターンインフィニティ オブ トラジリィー/7

マルチプルブレイドターンインフィニティ オブ トラジリィー 7
 
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 「そういえばさ?」                 BGM:ワールドマップ1
 「何?」                         ザッザッザッ・・・
 砂漠を歩く中後ろからリリサとメイダの声がする       ザッザッザッ・・・    
 「メイダって、回復系の術が使えるんだよね?」
 「そういうリリサは補助と攻撃一度に使える術があるじゃない・・・」
 「あれって、そんなに珍しいの?」
 「珍しいっていうか、私はあんまり聞いたことない・・・どうやって使ってるの」
 「どうやってって・・・私は思いついた呪文をどーって・・・」
 「そうじゃなくて、術ってさ、イメージのコントロールが必要じゃない?どうやってイメージしてるのかってさ・・・私、補助系はどうしても無理で・・・」
 「うーん、リスナーファイアを使う時は、味方も敵も一気に熱くなっちゃえ~って、そういう感じ」
 「え・・・?どういう感じだって・・・?」
 「そういうメイダは回復術ってどういう感じで使ってるの?私、回復術って使えないんだよね~」
 「ええ、そうなの?意外・・・私がヒールを唱える時は、そりゃあ、あの人を助けたいとか、このまま別れたくないとか、そんな感じ・・・」
 「ふうん、なんかトラウマ持ち?」
 「そんなわけではないけど・・・」
 「まぁいいや、つまり誰かを助けたいとか奉仕したいとかっていう意思が大切なのかな・・・?」
 「補助系の場合はどういう感じに変えたいとかかな・・・?今度やってみようかな・・・」
 「ねぇねぇ、にぃちゃん」
 「にぃちゃんって俺のこと?」
 いきなり後ろから話しかけてきたのはマユーカだ、思わず目線をそちらに向ける
 「数素秘奥義って使える?」
 「唐突質問だけど、それっぽいのなら使えるよ」           SE:驚き
 マユーカの目が少し驚いたように見開かれる
 「ど・・・どうやって?」
 「どうやってって言われても・・・こう、感情を全部ガーッとぶつける感じ」
 「ううん・・・やっぱりそんな感じかぁ・・・」
 マユーカがなぜか残念そうに目線を伏せ逸らす
 「やっぱり?」
 「僕も先生にそう教わったんだよ、全部の感情と数素を全てぶつけろってさ」
 「へぇ・・・」
 「やっぱり駄目なのかな?何がダメなんだろう・・・?迷いや戸惑いがあったらダメなのかな・・・?」
 迷いや戸惑い?                          SE:疑問
 「ううん、よくわかんないな・・・初めて出した時は、出さなきゃやられるって状況だったし・・・」
 「ううう・・・」
 とまぁ、そんなこんなで目線を少し戻すと、先の方にフォビドンと思わしき街が見えてきた・・・
 砂色の四角い家々が立ち並ぶさまは        SE:ワールドマップから移動
 先ほどの村と同じだが、
 その規模が決定的なまでに大きく、たくさんの人がいて、
 一番最奥の階段で登る高い台の上には家の様式は同じなれど
 左右に塀の様な廊下が付いた大きな家がつながったそれよりも大きな宮殿が
 存在しているのだった・・・         BGM:砂漠の商業都市フォビドン
 その入口で俺達は横並びで街を見渡す・・・
 「ここが、フォビドン?」              いらっしゃいいらっしゃい
 「そうだよ~」         おおお客さんカコイイねドウこの壺安くしとくよ
 リリサの呑気な声が響く、しかし・・・         ただの安壺だな、いらん
 「さて、これからどうしようか・・・?」            ああ、それじゃ
 「ここの長にでも直談判に行くか?」        10個セットでこのお値段ね
 左手からのジンガさんの声に俺は口に手を当てて頭をひねる   ぬ・・・これなら
 「う~ん、でも、当てもないし・・・           ご近所にも配れる!!
  確かにそれができれば一番いいんだろうけど・・・」
 「前みたいに利用されてここまで戦争に巻き込んじまうかもしれないかもな、なら、情報収集と行こうか?」
 と、右手側に嬉しそうに顔をこちらに向けるリリサが見えた
 「なら、酒場とか?あ!食事処と両立してるところなら知ってるよ!もちろん、掲示板のあるとこ!」
 ・・・他に行くとこも無いか・・・俺はリリサに顔を向け、声を発する
 「案内してくれる?」
 「もちろん!」
 「でも、俺達と一緒にいたら危険かもしれないよ?」
 「平気平気!私、そんなに弱い女じゃないもん!」
 リリサの自信と楽しさ垣間見える笑顔、でも・・・
 「そういう意味じゃないんだけどな・・・」
 「ほらほら、こっちこっち!」                  ザザザ・・・
 リリサが町に向かって走り出す!
 俺達は顔を見合わせ、互いの呆れ顔から何の案も無いことを察すると、仕方無くリリサについていく・・・
 そうして左手の大通りから一本入った通り、右手に少しずれたところ、大通りの方を向く店の前でリリサが待っていた、
 外観は他の家よりも大きく、入口の左上には大きな鉄の棒を刺しその下にベッドと皿に盛ったご飯を模して打った角の丸い逆三角の鉄のプレートがつるされていた
 「ここ、ここ!」
 リリサに促され俺達がドアの無い扉を通ると、   BGM:食器をこする音が続く
 その先では石製の丸い机を並べた店、
 奥には陶器の器を並べた棚、その先には木製のカウンター、
 机の周りとカウンターの前には石製のイスが椅子二つ分程間隔を開け並べられ、8から9割ほどは人が入っている
 奥には頭に布を巻きシャツを着た少し年の行った日焼け肌のガタイの良い店主がいた・・・
 「いらっしゃい」
 重苦しい声・・・
 「店主!リリサだよ!」
 リリサが右手を上げ挨拶すると途端に店主の顔から力が抜け、警戒が薄れる
 「おっ!リリサちゃん!また来てくれたのかい!」
 重い声のまま、眉を上げて笑う店主
 「うん!この人たちと一緒にご飯!今席空いてる!?」
 「ああ、あっちの方に空いてるから、座ってくんな」
 俺達から見て右手の方に差した先の中央付近に、確かに誰もいない席があった・・・
 「俺はカウンターでマスターと適当に会話してみるわ、お前ら、お金はあるな?」
 「あるよ、一応」
 「じゃ、そういうことで」
 ジンガさんはマスターの前の席の一つに歩いていき、俺達は指定された席に向かう
 リリサがいることで周りが俺達を見るのが分かる、好奇や嫌悪が主だが、羨望の眼差しも見える、
 しかし、誰もそのことを口に出すことはなく食事を進めている、真昼間、酒はあるが飲む時間帯ではない、ということは、皆静かに食事がしたいのだろう、裏通りにある重苦しい雰囲気の店だから、なおさらそう見えるのかもしれない、俺達としてはそちらの方が好都合だ、
 俺達は椅子を一周するように座る
 「こちらどうぞ~」
 マスターとは違う髭の濃い男性が木の板に張り付けた紙のメニューを持ってきた、
 幸い、所持金に不具合が出るような値段ではない、
 俺達はそれぞれ適当に食事を頼むと、男性はそれを手に持った本の様な黒板にメモして奥の方に去っていった・・・
 そうして出てきた料理、
 俺は黄色く炒めた米と骨付き鳥、
 メイダさんは薄いパンのようなものに鶏肉とトマトのスープ、
 マユーカは黄色い煮豆と赤い炒め米、
 リリサは緑色のスープに四角く切った炒め鶏肉が乗った米だ
 そして、皆で食事を進めていく・・・
 ジンガさんも向こうでマスターといろいろ話してるようだし      バァン!!
 いきなり上より扉を開く大きな音がする・・・           BGM:無音
 なんだ・・・?
 見上げると、カウンター横、壁一枚を隔てて二階への階段が存在しており、
 食堂エリアの真上にある壁沿いの通路を右に進んだ先に扉が二枚並んでいて、
 その奥の方の扉が開き、誰かが出てきていた、
 出てきたのは、緑のローブで全身を覆って顔だけ出す、
 はつらつな顔をした少年・・・いや、少女か・・・ BGM:名前はロサミだよん!
 年は幼いと言ってもいいそれで、ローブには下がった犬の耳のようなものが付いているが、特に目を引いたのは両肩に掛けたベルトより背中に背負った物、
 てっきり硬質の縦長方形の背負い鞄かと思ったら違う、
 降りてきたときにそれを見たが、横にレバーがあり、なぜか中央上に小窓があり、横に三つ並ぶサクランボの絵が付いていた、
 まるでおじさんが旅行から帰ってきたときに訊いたスロットマシンのような機械だ、
 しかし、スロットマシンはカジノという所(おじさんがそこがどういう場所なのかはおじさんの奥さんのおばさんに話を中断されて結局教えてもらえなかった)にしかないと聴いたのだが・・・?
 「おい、あれ、ロサミじゃねぇか?」
 「ああ、間違いねぇ・・・」
 お客たちが一斉に見るも、それは嫌悪の目一色、俺達の時とは違い、そこに好意的なものは存在しなかった・・・
 「フィローゲル様に取り入って、何かやらせようとしているとか・・・」
 「王国と帝国の戦争に介入させようとしているって噂も聞いたぜ?」
 「新参者が・・・」
 「俺達は商売をしたいだけだ、命のやり取りも誰かを死なすのもごめんなのによ・・・」
 ロサミと呼ばれた少女は、俺達を含めた皆を一瞥するも、
 何も気にすることなく去っていく・・・      BGM:食器をこする音が続く
 「あの子・・・」
 「怪しい・・・」
 「前来た時、あんな子がいたなんて知らなかったけど・・・」
 知らなかった・・・か・・・
 俺とマユーカが放った言葉に続くリリサ、
 そこにジンガさんが口端を少々上げた少し得意顔で戻ってきた、
 「マスターからたっぷり話は聴けたよ」
 「どうだった?」
 ジンガさんは横目でさっきロサミが去っていった出入り口を見た
 「やっぱり、あのロサミって子が怪しいらしいな・・・
  さて、どうするか・・・」                    SE:閃き
 唐突にリリサが身を乗り出すほどの勢いで元気よく右手を上げ二度ほど上下に揺らし
 「はいはい!いっそのこと尾行してみるってのは!?」
 「でも、私達の姿、知られちゃったんじゃないかな・・・?」
 俺達皆が一気に注目したリリサの意見をメイダさんがごもっともな意見否定する、しかし、リリサは右手を下げながらめげずにいたずらっ子のような笑みを浮かべ、
 「それについては、案がありま~す!」
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――