オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

月夜と私の過去と光の城 ダブモン!!4話/21

 

月夜と私の過去と光の城 ダブモン!!4話21
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 夜の事務所ビルの屋上で、私は手すりに体をのせ、ボーゼンと下の道路とビル街を眺めていた
 道路行きかう車とビルの中の光が鮮明とぼやきを混じらせ私の目に届く、
 「風鳥歌語理が死んだ」
 昼ごろにもたらされたこの一報は、事務所に大きな混乱をよんだ、
 事務所に所要で来ていた内部の人間には全員に待機命令が出され、私もそれに巻き込まれ、
 事務所はあれよあれよという間にマスコミへの対応を協議することとなった、
 がんで死ぬにはあまりに若すぎる・・・
 どうしてこんなことに・・・
 「人気アイドルの風鳥歌語理殺人容疑として、所属事務所の社長が逮捕、その他、副社長も拘束されました、風鳥歌語理はがんに見せかけ、医師と共謀して殺害したとみられ、現在、主治医も拘束され、事情を聴いています・・・」
 が、事務所内のテレビから聞こえたこの一報により、状況はさらに混沌とすることになる
 下には今だにカメラマンやリポーターの山、
 気付かれれば絶対何か言われんだろーなー・・・閉じ込められてるだけじゃ息が詰まるっつーの
 「目的は事務所内の横領がばれたことが理由だそうです、それと、保険金をだまし取ることも目的で・・・」
 思わず、体を横から真上に向ける、夜空には星が瞬いていた
 歌語理さん横領なんて知ってたんだ、偶然なのか、はたまた当人が何かをきっかけに調べたのか、私に知る由は無い、警察が調べてくれるだろうか、
 なんせ、この状況下で指示するべき社長と副社長が警察にご厄介になっているのだ、
 事務所内の混乱は今だに収まっていない、何人かは隙を見て逃げ出した、私も逃げたかったが、この状況だとそれもかなわない
 「そんな・・・嘘・・・」
 「あなたが帰った後、容態が急変したって・・・」
 一報を受けた後女性専務とした会話も今では空虚だ、
 「そんな・・・嘘・・・」
 「嘘・・・嘘よ・・・」
 今では、社長たちが逮捕された時のこの言葉の方も空虚か・・・
 「私と一緒にここを出て、私が事務所を立ち上げるから、そこで一緒に仕事をしましょう」
 あの女性専務から、すがりつくように言われた言葉、その時は思わず考えさせてほしいと断ったけど、
 私が一緒にいて、役になんて立つのかしら・・・
 ああ、月が高い、今日は満月か、そろそろ日が変わるかな・・・
 体勢を戻した時、遠くの廃ビルの上に、お城が見えた、
 な・・・あれって、噂のお城!?
 月に照らされたその西洋のお城は、私を誘っているように見える、
 どういう事だろ、こんな街中であんなものが出たら間違いなくみんなに知られているはず・・・
 最近出始めたとか言ってたな、もしかして、この辺りからの角度でしか見えない?
 いずれにしても・・・
 私は思い切り左右を見る、あった、右隣の屋上、四角いコンクリの小屋のような階段格納部屋、そこから下に行けそう・・・
 手すりから隣接したビルに移り、小さな四角い立方体に付いた扉の丸ドアノブを回す、
 ラッキー、鍵かかってない、他の屋上に行く手間が省けた!
 扉を開けて中に侵入、深夜までやってる店でもあるのか少しの明かりを途中で見つつ一気に一階まで下りてガラスの自動ドアの入り口を出て、マスコミ連中をしり目に一目散に歩道を走り先ほどの城の乗った廃ビルに向かう、
 どうして私もこんなに行きたがるのかわからない、呼ばれた気がしたのか、あの状況から逃げたかったのか・・・
 気が付くと廃ビルに入り込み、屋上までたどり着いていた、
 四角い城壁に本丸、それにてっぺんにまで曲がる鉄の装飾持つ中央塔と幾多の塔が立つ昏いレンガ積みの西洋の城・・・
 ・・・もし幻影だったら馬鹿みたい・・・
 そう思いつつも近づいて門にその手を付けると、確かに木の少し柔らかな感触があった、
 ・・・開けるわよ・・・
 思い切り両手に力を込めると、最初は開かなかったが力を入れるごとに確実に開いていき、
 ついには完全に開いた、内部は暗いが広かった・・・
 ・・・もしこれが幻だとしたら、屋上の手すりにひっかっかて延々歩く羽目になるか、へたすると手すりからまっさかさまに落ちて潰れたトマトのように死ぬわけか、ま、それもいいかもしれない・・・
 そんなことが頭に浮かびつつも私は、その城に一歩足を踏み入れた
 「初めまして、私の名はウィルピー、ダブモンNo.33、贖罪の鍛冶屋、ウィルピーと申しますです」
 
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