観客のリローデット ダブモン!!13話03
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「おぉ~!!」
入口には大きな木の扉と左右の窓に合わせるようにアーチ状の柱が横に並び、上の方には、剣のようにとがった針を中央に設置した丸く膨らんだ屋根が特徴的な塔が山字型
に並び立っている大きな建物・・・
「ここって、入れるのか?」
「ドレスコードとかいるんじゃないの?」
「ちょっと入ったぐらいなら子供のいたずらだと思われるだろ、追い出されたら別の場所に行けばいいだけだし」
「そういうもんですかね・・・?」
等と建物を見つつ話す間にも、扉を開けて中に入る、
天井のスズラン型の膨らんだ花のようなランプを複数あしらった簡素なシャンデリアより黄色い温かな光に内部は包まれ、
白いタイルに反射し、壁と角の柱は神殿風か?
レンガを質素にあしらったものに柱は花びらのように円柱を周りに固めて作ったように見える
正面には木のカウンター、奥角には長足の木の台に花瓶と花があしらわれ、カウンター左右奥には金のつるの装飾のある赤い扉、その外側にある左右の壁は通路になっていた・・・・
カウンター奥には受付のねぇちゃんがいて、そのねぇちゃんは後ろ上でまとめた茶色い髪型をした柔らかな美人で白シャツの上に着た水色に近い青のスーツと布袋を横に膨らませたようなギャリソン帽子がよく似合っている、
人はカウンター奥のねぇちゃん以外いないが、確かに扉より音が漏れ聞こえてくる・・
様々な楽器の音が荘厳に融合したオーケストラの音楽だ・・・テンションが高い感じがするものの、曲名はさすがにわからない・・・
と、受付のねぇちゃんにカンテーラがゆっくりと飛んで向かい・・・
「今やってる演目ってなんだ?」
そう、簡単に聞く
対してねぇちゃんはたいして驚きもせずにカンテーラを見て淡々と
「今やっているのは教皇庁セークレッド楽団、女神弦曲第三十八章でございます」
「ええっと・・・」
「チケット代は金貨二十枚となっております」
う・・・
その受付の笑顔の言葉に俺を含め全員の息が一瞬止まる
もちろん、そんな金無いためである
ん?右の方からオーケストラとは違う曲が・・・
思わず足が伸びていく・・・
「ちょっと!?」
四葉の声にも足は止まらず
「お手洗いはそのまま奥の方に行くとございます」
「あ、あははは・・・」
受付の言葉にごまかし笑いをしながら駆け出す俺・・・
さて・・・
奥の方に行った後、左の方に曲がり、照明がやはり煌々と照らす廊下、
音の聞こえる前方右側の木の扉を開けると、
そこには、玄関からカウンターとここ以外の扉と通路を無くし赤じゅうたんを敷いたような個室に黒い大きなグランドピアノとそれを弾く金髪で胸元に多段布飾りを胸元に付け緑の下の上に金縁の赤い衣装を着た絶望感溢れる少年の姿があった・・・
「ちがうっ!!」
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