バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

騎士剣戦隊キシケンジャー/18

騎士剣戦隊キシケンジャー 18
 
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 「もうすぐ約束の時間だな・・・」
 『いいか、向こうに行ったら、速攻で片を付けることになる、お昼ご飯を食べる暇もないから、きちんとお腹に入れて、その他と、忘れものとかも無いようにしておくんだぞ、変身も短時間しか解けないし、携帯食料は、ポケットに入って邪魔にならない物をな・・・』
 「わかってるってレッドリア」
 椅子に座り、テレビなど付けて、思う存分白飯をほおばる、
 「先程入ってきたニュースです」
 ん?着けていたテレビから?
 テレビの向こうで水色の背景に灰色のスーツを着た女性が両手に持った原稿を読む
 「政府は先ほど、隕石が太平洋の中心部に墜落すると予測されると発表いたしました、しかし、それによる被害は無しもしくは軽微であるとも発表いたしました」
 「隕石が」
 『それは大変だな、だが、被害が無いとはどういう事だ?』
 お、なんか、画面が切り替わって女性右側少し離れたところに白髭を少し生やしたやせ形でスーツ着た博士みたいな人が出て来たぞ?
 「先生、よろしくお願いします」
 「よろしくお願いします」
 二人が頭を下げ、上げて顔のみ向けあって対面し、
 「先生、この政府の発表は、どういう根拠でなされたものなのでしょうか?」
 「この度観測された隕石ですが、大きさはそれほどながら、観測結果によると表面は重金属の陸と液体金属の海で満たされており、軽微ながら大気と金属の植物のようなものも確認され、形状も真球に近く、正しく、惑星と呼ぶにふさわしいしろもであり、更に、速度が急激に落ちているという不可解な現象が起きており、我々天文学者の間では、未知の知的生命体が住んでいるのではないか、もしくは、未知の物質が内部に存在しているのではないかと期待と不安を寄せております」
 「なるほど」
 女性が正面に戻ると同時に女性のみのカメラに切り替わり
 「政府は、念のため、津波の被害が起きる可能性のある沿岸地域に人々に避難命令を出し、液体金属などによる海洋汚染を警戒、また、各国との対応協議に追われております、避難警戒区域はこちらになっております、続報があり次第、またお伝えします」
 出てきた地図は南の海岸線が赤くなっているが俺のいる場所は無関係を示す水色に染まっていた
 「お、この辺りからはずいぶん離れてるじゃん」
 『よかったな、避難しなくてもよくて、さぁ、早く食え、みんなの元に向かうぞ!』
 「おう!」
 
 そして、俺たちは一か所に集まる
 「みんな、来たな」
 「ああ、いよいよだな」
 「これで、戦いが終わるのかね?」
 「どうあれ、行くしかないだろう」
 「皆さん、準備はいいですね?」
 「行こう!」
 そこは、広い砂地、左右に岩が積み上がったような広大な場所・・・
 「あら、あなた達もここを見つけてきたの?キシケンジャー」
 が、そこには先客がいた
 砂地の中央にいたのは、紫のローブを着た色黒の、怪しげな女占い師!?
 俺は思わず大声を上げ
 「お前、一体何者だ!?」
 「意外だわ、まさか、ここを嗅ぎ付けられるとはね・・・」
 『あれは・・・そうだ、魔皇帝の側に控えていた女だ!』
 『確かに、あの魔の気配、魔皇帝の物とは違うが、強大な気配・・・』
 『なんでこんなところにいるの?』
 『奇襲を嗅ぎ付けられたか!?だが、そんなふうには見えない・・・』
 『まるで、私達とは違う用があったみたいな・・・』
 すると、からかうように微小に嗤い
 「ふふふ・・・まぁいいわ、我が名はレダ!魔皇帝様が世界を支配した暁には妃となるもの!」
 「なんだって!?」「なに?」「どういう事よ!」「どういう事なんだ?」「なんですって?」「なんだと!?」
 「さぁ、世界が私達の物になる瞬間を見るがいい!!」
 レダが向こうを向き、呪文を唱えつつ強大な魔力を纏って両手を使い、
 「ディメンレヂューラバーラカ・・・我と異体の二者に集められた多大なる魔力よ!!」
 虚空で何かを思い切り開くような動作を行うと、向こうの空間が大きく開き、歪む黒い空間と共に何かが見えた、
 赤い魔力のこもった宝玉の瞳いただく黒い骸骨のような顔、ねじり曲がった魔力の鎧兜に覆われている、魔人としか形容できない存在・・・
 魔皇帝!
 一斉にレッドリア達が声を上げる!
 俺は思わずレッドリアに声を掛ける
 「なに!?あいつが!?」
 レダが横に避け、往々しく魔皇帝が話し出す
 「ひさしぶりだな、騎士の諸君、そして、初めまして、向こう側の住人たちよ」
 『貴様、何をたくらんでいる!?』
 「なに、私の望みは今も昔も全てを支配することだけだよ」
 「それで、この世界も支配しようとしているのか!?」
 「その通り、こちら側の世界は支配し終えてしまったのでね、次はそちらの世界というわけだ」
 「そんな事はさせない!」「この世界は渡さない!」「そうよ、あんたなんかには負けないわ!」「俺達が、この世界を守り、そっちの世界の平和も取り戻す!」「私達の剣を受けなさい!」「お前を倒し、二つの世界を平和に導く!」
 『騎士の勤め、今ここで果たさせてもらう!』『ここで剣を振るわなきゃ、騎士じゃないね!』『私達の怒りを受けなさい!』『うむ!絶対、平和を取り戻す!!』『今ここで反省なさい!』
 キシケンチェンジ!!
 「赤の騎士!キシケンレッド!!」
 「青の騎士!キシケンブルー!!」
 「黄の騎士!キシケンイエロー!!」
 「緑の騎士!キシケングリーン!!」
 「桃の騎士!キシケンピンク!!」
 「銀影の騎士!キシケンシルバー!!」
 騎士剣戦隊・・・キシケンジャー!!
 はぁあああ!!
 皆が一斉に魔皇帝に向かって行く!!
 「済まないが、こちら側にはこれないと思うよ、なぜなら・・・」
 魔皇帝の空いた場所から、今まで見た魔怪人たちが大量に溢れ出てくる!?
 それに阻まれ、俺たちは先に進めない!
 気が付くと、びっしりとこの場所一帯が魔怪人で埋め尽くされていた・・・!?
 「では、レダ、後は頼むぞ」魔皇帝に対し、レダは恭しく頭を下げ
 「はっ、お任せ下さい」
 魔皇帝が背を向けて去ると同時に、開けられた次元は閉じ、レダがそこに立ち、
 「さぁ!収束式魔怪人結界陣展開!!」
 いきなり下より六芒星と円を基礎とした怪しく光る紫の魔法陣が大きく展開!
 その魔法陣の上に乗った魔怪人たちが反応して行き、大きな結界を展開していく!?
 それをレダが大きく望み
 「あははは!!広がれ、広がれぇ!!この世界の全てを包むまで!!」
 「なに!?」「あの魔法陣の結界には、この世界の全てを包むほどの能力があるというのか」「ええ!?」「なんだって!?」「確かに今までの結界とは比べ物にならないほど広がっています、まだ広がり続けて・・・」「このまま行けば、この世界は」
 「そうはさせるか!みんな、マスタークレストだ!」
 「ああ!」「ええ!」「おう!」「はい!」
 が、その声を聴いたかレダが突如俺達を見据え
 「そうはさせない!魔怪人たちよ、一斉攻撃!!」
 右人差し指を前に出すと同時に魔怪人たちが自身の遠距離攻撃を一斉に俺達に向かって発射!?
 その攻撃の膨大さに、俺達は思わず大きく吹き飛ぶ!
 「ぐはぁ!」『一旦退却だ!』
 「ブリザードガスト&フリーズリターンクレスト!」
 キシケンシルバーの巻き起こした吹雪に紛れ遠距離攻撃の一部を防ぎながら、俺達は一気に逃げ帰ったのだった・・・
 
 「これは・・・」
 「ひどい・・・」
 俺とユナが山の中の森の道の途中、変身が解ける中、街を一望出来る場所で、絶望の声を響かせる、
 街にある人々が全て石と化しているのだ、上には結界も広がっている・・・
 「ちょっとこれ見て!」
 マコミに呼ばれマコミのもったスマホを見ると
 「宇宙からの地球の映像みたいなんだけどさ・・・」
 そこには、地球の全てが紫の魔力の結界で、覆われていく姿が・・・
 「これじゃあ、全ての人々が石に・・・」
 「くそ・・・逃げ場も無しかよ!」
 サトルとジンカイの悔しそうな声・・・
 「手は・・・手はないのか!」
 シルバーダも悔しそうに・・・
 だが、俺の頭にはある疑問点が・・・
 「いや、あいつら、俺達がマスタークレストを使おうとしたとき、妨害したよな」
 『言われてみればそうだが、それが・・・』
 レッドリアの言葉に、俺はレッドリアを見て、一抹の望みをかけ声を出す
 「もしかしたら、スーパーキシケンジャーならどうにかできるんじゃないか?」
 「あ!」「そうか!」「だが、あの弾幕は?」「私はユウキさんの言うことを信じます!」「どうにかなるかもしれないが・・・」
 『あの攻撃をどうにか・・・か・・・』
 ん、なんで黙るんだ?
 「レッドリア?」
 『賭けのような考えだが、私に託してくるか?』『レッドリアの考えてること、大体読めるよ、でも僕的にもそれはかなりギリギリだと思うよ?』『ほぼ五分か、みんなが足を揃えなくちゃね』『だが、今までの戦いから見れば』『私は、みんながそのレベルにあると考えます』
 「だが、その案でどうにかできたとして、あの結界を止められるのか?」
 『サトルの言う通りだが、ここで僕の推測を語らせてもらおう、あの陣は多分、魔怪人が上に乗ってないと機能しないんじゃないかと思う、そして、結界は完成しない』『ブルーリアの言う通りなら』『あの陣から魔怪人が逃げ出す前に』『倒せばいいですね』
 『だが、完成して、人々の生命力が魔力として集まり出せばもう止められないぞ・・・』
 「その前に・・・倒す、レッドリア、」さらに周りを見渡し「みんな、その方法を教えてくれ!」
 『わかった、だが、これはタイミングが重要になる、号令役を決めたい』
 え・・・?
 意外な言葉に俺はレッドリアを再び見て
 「レッドリアがするんじゃないのか?」
 『いいや、私はエネルギーのコントロールに専念したいと思う、号令役は・・・ユウキ、お前だ』
 「俺が!?」
 いつもそういう役はレッドリアがやりたそうにするのに・・・?
 『そうだ、私はお前がそこまでに成長したと思っている、だから託すのだ』
 『おやおや、あのやりたがりのレッドリアがねぇ』
 『レッドリアも成長したってことか』
 『いいことだ』
 『レッドリア、かっこいいですよ!』
 『うるさい!私は私なりに最良の判断をしているだけだ、ユウキ、やってくれるか?』
 「ああ、何か知らないけど、やってやるさ!」
 『よし、それじゃあ、作戦を説明する!』
 
 俺達は先ほどの荒野に、みんなが揃って現れる、すでに変身済みかつ、マスタークレストも使った、
 「現れたわね・・・」
 レダの不気味な声色に応える様に、俺達は宣言する!
 「聖なる赤の騎士!パラディンキシケンレッド!!」
 「刃たる青の騎士!ブレイドキシケンブルー!!」
 「翼持つ黄の騎士!ウィングキシケンイエロー!!」
 「絆化す緑の騎士!ブラザーキシケングリーン!!」
 「貴とき桃の騎士!ロイヤルキシケンピンク!!」
 「銀影の騎士!キシケンシルバー!!」
 我ら!・・・スーパーキシケンジャー!!
 「やれ!」
 魔怪人たちの一声の遠距離攻撃が、俺達に襲い来る・・・
 「ユウキ、お前に託したぞ」
 「頼んだよ!」
 「ユウキ、信じるぞ」
 「ユウキさん、緊張しないでくださいね」
 「ユウキ、行こう!」
 俺は皆を見回しつつ「ああ、みんな、」正面に向き直り指示を出す!「クレストセット!」
 『ソード&シールドクレスト!!』
 『バタフライ&サンダービークレスト!!』
 『ミラーデブリ&リフレクショットクレスト!!』
 『ウォールシールド&ウォールハンマークレスト!!』
 『ヒールナース&スマッシングキュアクレスト!!』
 「ブリザードガスト&フリーズリターンクレスト」
 「防御の力を、集めろ!!」
 目の前に皆の力を集め、大きな光の盾を作る
 そこに攻撃が全て集中していく
 「どうした!?さらに攻撃!!」
 レダの指示に、攻撃がさらに増していく・・・
 「ユウキ!このままじゃ持たないぞ!」
 「ユウキ!どうすんのよ!?」
 「ユウキ!どうすんだ!」
 「ユウキさん!」
 「どうするんだ!?」
 「まだだ・・・もう少し・・・」
 はぁあああ・・・
 皆の裂帛の気合いが重なって行き・・・その受け止めたエネルギー量が想定量に達する!
 「今だぁ!!」
 はぁっ!
 気合の声とともに弾き返したエネルギーは、相手の遠距離攻撃を弾きながら魔怪人たちの中心部に着弾!魔怪人たちをかなりの量消し飛ばす!
 「そ・・・そんな!」
 「みんな!行くぞ!離れすぎないように、まわりを魔怪人に囲まれないようにしないように注意して戦えよ!」
 「おう!」「わかった!」「反撃開始だ!!」「行きましょう!」「一気に行くぞ!!」
 俺の巨大な光の刃が一気に魔怪人たちを斬り裂きつつ皆で突進!!
 ブルーが正確に相手を突いて行き、
 イエローの射撃がいくつもの魔怪人にとどめを刺し、
 グリーンの振るう城壁が魔怪人たちを消し飛ばして、
 ピンクがきっちりと剣を振るい、
 シルバーの吹雪が広範囲に凍らせ、二撃目が相手を砕いていく・・・
 「ば・・・馬鹿な・・・そんな!?」
 レダのうろたえる声が聞こえる間にも魔怪人の大半は消失・・・!!
 が、そのレダの前より、見覚えのある六つの影が駆けてくる!!
 「あれは・・・ネオ!」「ジオ!」「ランスアモン」「バダリラ魔怪人」「ハンママモン」「グラップデーモン右胸のみか・・・」
 そう、赤いひし形に青いひし形、槍持つ悪魔に黄緑のひし形、ハンマー持つ悪魔に拳握る悪魔!!
 「人間が・・・ここまでやるとは!」「貴様ら等、すぐに倒してその首、魔皇帝様に献上してくれる」「ランサー!」「殺しつくしてやる!」「ハンマー!」「グラップー!!」
 それぞれ因縁のある相手に一気に突進、しかし、すれ違いの一刀の元に倒し切る!
 「そんな、まさか・・・」「ここまでとは・・・」「ランサー」「がはぁ・・・」「ハンマー」「グラップー」
 背後で魔力の爆発音が聞こえ、
 さて、これで・・・
 「残りはお前だけだ、レダ!」
 「この結界を解除してもらおうか!」
 「それとも、武装解除される方がお好み?」
 「どちらにしろ、もう、お前に勝つ手段は残されていない!」
 「観念してください!」
 「ここで・・・この世界に対するお前達の悪巧みも終わりだ!」
 「ふふ・・・あははは・・・」
 なんだ!?突然笑い出したぞ!?
 「何がおかしい!」
 「まだ私に奥の手が無いとでも?はぁっ!」
 レダがその両手を合わせると、魔力が一気に収縮し、倒してきた魔怪人たちが一斉に巨大化して行く!
 な・・・?
 俺達はたくさんの巨大魔怪人を見て、を見て呆然と立ち尽くす・・・
 「さぁ、キシケンジャーの諸君、これをどうやって攻略するのかしら・・・?」
 「く・・・くそっ!」「だが、やるしかない!」「私達ならやれる!」「俺達なら!」「皆さん、行きましょう!」「それではよぶぞ!」
 ん・・・?空から鋼の地球が降ってくる!?
 
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