バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

騎士剣戦隊キシケンジャー/19

騎士剣戦隊キシケンジャー 19

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 な・・・? な・・・?
 俺達はたくさんの巨大魔怪人を見て呆然と立ち尽くす・・・
 「さぁ、キシケンジャーの諸君、これをどうやって攻略するのかしら・・・?」
 「く・・・くそっ!」「だが、やるしかない!」「私達ならやれる!」「俺達なら!」「皆さん、行きましょう!」「それではよぶぞ!」
 ん・・・?空から鋼の地球が降ってくる!?
 いや、まさか、報道で言っていた惑星のような隕石か!?
 「な・・・なんでここに降ってくるんだ!?」「あれはニュースでやっていた!?」「ちょっと!」「海の真ん中に落ちるんじゃなかったのかよ!?」「どうなってるんですか!?」「んな・・・!?」
 それが巨大魔怪人たちを吹き飛ばしながら俺達の側に降り注ぐ!
 「うわー!」「うわぁー!」「きゃー!」「うわ~!」「きゃー!」「うぐわ~!」
 全員が全員、なすすべなく吹き飛ばされ
 「いてて・・・みんな!大丈夫か!?・・・なんだこりゃ!?」
 俺は思わず両手を前の床について立ち上がり、呆然とそれを見据える、
 そこにあったのは濃紺の鋼の地球、いや、大きさは地球ほどじゃないがかなりでかく、液体金属がとか言ってたがそういった物が流れ出してくる様子はない・・・
 「いてて・・・何が起こったの・・・?」
 レダのやつやみんなも起き上ってくる・・・が、そこで、降ってきた惑星の表皮が二つに割れ、さながら超竜の翼の様に開かれ、
 「グギャアアアアアア!!」
 中から現れ、大きな声を上げたのは、正しく、濃紺の鋼で出来た巨竜
 スマートさと力強さを併せ持つ体型に、大きな尾と翼、それに瞳孔の無い黄色い瞳を併せ持ち、
 「げぇええ~あれはオメガバハムート!?」
 『オメガバハムートだと!?』
 見上げるレダの声にいきなりレッドリアが反応する
 「そんな・・・せっかく苦労してこっちに飛ばしたのに!なんで今更こんなところに!?」
 『どういうことだ、説明しろ!』
 レダがレッドリアの声に振り返り
 「うるさい、黙れ!」そのままオメガバハムートに視線を戻して大きく右腕を振るう!「魔怪人ども、やってしまえ!」
 巨大魔怪人たちが一気にオメガバハムートに殺到していく、
 しかし、オメガバハムートは翼羽ばたかせ一気に空に上昇、口から吐き出した熱線で、魔怪人たちを端より打ち倒していく・・・
 が・・・その熱線が俺達にも!?
 「うわわわ・・・!」
 思わず姿勢も構わず大きく跳んで避ける俺達!
 俺は背中を打ったもののあれに巻き込まれるよりかはましだ!!
 「どうなってるんだよこれ!」「誰か説明しろ!!」「状況飲み込めてないんじゃないの!?」「あんなんにどうやって説明すりゃいいんだよ!」「だ、誰か、説明してください!!」「オメガバハムート・・・」
 『そうだ、オメガバハムートは、王家を守護する守護精だ!』「どういうことだよレッドリア!」
 『その昔、始祖の騎士団たちの時代、彼らは守護精の源たる存在と契約を交わしたと言われている』『それがオメガバハムート、それは騎士団と共に戦い、戦乱が終わると空より高き場所に去ってしまった、だがそれは王家を守護し、王家が危機に陥るとそこより来たると言われていた』『・・・そういう伝説だ、だが、誰もその存在を見たことが無い・・・』『ですから、実在することすら信じられてはいなかったんですが・・・』
 ブルーリアたちが説明する
 なるほど、王家を空より高い場所、すなわち宇宙より見守り、危機に陥ると守りに来るってわけだな・・・
 『貴様!それを私達が知らぬ間に・・・』
 レッドリアの大声にレダが力を込めた怒りの目を向ける
 「うっさいわ!こっちだって死ぬほど苦労してこっちに飛ばしたっつーのに!!」
 王家を守護・・・?まさか、あれの気配を察知して戻ってきたっていうのか・・・?
 レッドリアの方に急いで向く
 「レッドリア、それは後回しだ、今はオメガバハムートを説得する!」
 『わかった!あれだな』
 「ああ!クレストセット!」『キングクレスト!!』
 立ち上がり俺達の前に照射された行く筋もの光線により、王様の立体映像が現れる
 その王様が威厳たっぷりにゆっくりとオメガバハムートの方に姿勢を上げ、迎えるように両腕を広げる
 「オメガバハムートよ、我は、今代のジャステールナイツ王国の国王なり!」
 お、オメガバハムートが俺達の方に降りてきて、顔と共に左目を俺達を確かめる様に下げてきた
 「彼らは我がジャステール騎士団の騎士たちと、客員の騎士たちだ、どうか、我が王国と平和を取り戻すために、その力、お貸し願えないだろうか?」
 オメガバハムートは見定める様に国王を見つめ・・・顔を上げて・・・
 「グギャアアアアアア!!」
 辺りが響き渡るような声量で一吠えしたのち、俺たちの前に向かって口から行く筋もの熱線色の光線を照射、その光線が当たった地面に光が形作るような感じで剣が刺さっている状態で出現した・・・?
 なんだあれ?中にちりばめられた細かいエネルギー片がキラキラ光る氷色の透明な剣?
 鍔と柄が左右対称のキザキザの迫力ある意図で作られていながら、剣の刀身は少し中央がへこんだ両刃、
 鍔の中央に太陽の意図が太陽色で描かれており、柄の先には赤い装飾のひもが埋まった中央から出ていて、剣先には金の衝撃波のような剣先が付いている
 『あれは・・・まさか、グレイトカリバー!?』
 グレイトカリバー?
 「抜けばいいのか?」
 『いやいや待て待て違う違う、だが、あれを私が、いや、私達が手にしていいのか・・・?』
 様子のおかしいレッドリアの方に思わず視線が行く
 「何をためらってるんだ?」
 『レッドリアは、始祖の騎士団の大ファンだからね』『何度も読んで、騎士たるものを学んで来たって言ったもんね』『レッドリアの生き様の根源』『ザムレッドが現実の師なら、始祖の騎士団は幻想の師だもの』
 『・・・私が幻想に憧れた騎士は、団長に仕え、前線を共に戦いぬいたその時代の筆頭騎士だ、それは団長がオメガバハムートと戦い抜いている時、託されたこの信頼の証の剣を用い、同様に戦い抜いていた・・・だが、そうなるためにはやはり現実の師が必要で、その為最強の騎士たるザムレッドに師事できることをうれしく思っていた・・・』
 「騎士たちよ・・・」
 王様!?
 思わず王様の方を向く中でゆっくりと、王様も俺たちの方を向く・・・「それはオメガバハムートがお前達に力を貸すとした信頼の証、レッドリア、そして、レッドリア握りし騎士よ、我は、お前達が王国と平和を取り戻してくれることを信じているぞ」
 そう言って、王様の幻影は消え去った・・・
 『・・・行くぞ、ユウキ!私の指示に従ってくれ、何度も本を読み、あれの使い方は心得ている!!』
 決意のこもったレッドリアに応えるように、俺はレッドリアに向かい、返事を送る!!
 「ああ!」
 そして、グレイトカリバーまで近づき、地面に刺さったままのグレイトカリバーに向かい、
 「まず、クレストと追加の剣先を外し、グレイトカリバーの後ろのひも付きのキャップを外し、私の柄先に付ける!」
 レッドリアの指示の通りにする、レッドリアの柄先に追加のパーツが付く格好となった
 「これでいいのか?」
 「ああ、すると、残った柄が左右に分かれ、鍔と一体化する」
 確かに、左右に分かれて元から一つの鍔だったかのように一体化したぜ、
 「その空いた部分に私を差し込み、振り上げろ!!」
 「わかった!!」
 ガシャと音が鳴るまで差し込み、上に振り上げると、剣先が伸び、
 内部に鋼の剣宿す、美しい剣と化していた!
 そして、金色のエネルギーが駆け廻り、俺の鎧兜全体が金ぶちに彩られ、内側に銀河が映るマントが生える・・・!
 「勝利の聖騎士!!ビクトリーキシケンレッド!!!」
 『そして、グレイトレッドリア』
 「『見参!!!』」
 体中に・・・新たな力が満ち溢れる!!
 「何が勝利よ!やれ!巨大魔怪人軍団!!」
 レダの指示に、巨大魔怪人が遠距離攻撃を仕掛けてくる!しかし、それをオメガバハムートがかばうようにして受け、倒れる!
 「はん!いくら図体がデカくても大したことないじゃない!」
 「オメガバハムート!」
 立ち上がって行くオメガバハムートの頭上に立ち、伸びる光の剣刃で遠距離攻撃を斬り裂きまくる!!
 「こいつクレストは・・・?」
 「グギャアアアアアア!!」
 『まさか、対応しておいてくれたのですか?!ありがとうございます!!こうですか!?』
 すると、いきなりクレストを入れる方が上左右と下の3方向に開いた
 「そういう事か、行くぞ、グレイトレッドリア」『ああ!』
 「『グレイトソード&グレイトシールドクレスト!!』」
 出現した透明な光の盾はオメガバハムート身体前面全てをカバーして攻撃を防ぎ切り
 「『はっ!』」
 それを遠距離攻撃を弾かせつつ前に飛ばして魔怪人たちを一気に吹き飛ばし、さらに、出現させた大きな光の剣を横振りに振るい、魔怪人たちを斬りのめ倒す!残ったのは、6体!!
 俺は正面を見据えながらオメガバハムートに語り掛ける!!
 「無理をするな、一緒にやろうぜ!!」
 「がぁあああ!ネオ!ジオ!バダリラ!グラップ!ランサー!ハンマ!」
 レダの声に反応するように、残った6体が融合、一つのコアと6本の腕を持つ魔怪人と化す!
 そして、左三本で袈裟懸けに、右三本でもう一度左右逆袈裟懸けに攻撃を振るってきて、
 その6つの腕の猛攻にオメガバハムートはダメージを受け、どうにか熱線を吐いて反撃するも効かずに六つ腕を無理やり入れられ弾かれてしまう!?
 『まだだ!私達の力を融合するんだ!!』
 「わかった!」
 「グギャアアアアアア!!」
 オメガバハムートの各部がのびて人型となりながら、首が後ろに動いて上と左右に刃がのびた兜かぶる鋼の顔が出現!
 俺達が内部に入り、オメガバハムートが尾に隠されていた剣を取り
 「『完成!マックスウェルキシケンオー!!』」
 マックス、ウェル、キシケンオーが魔怪人に向かって走る、左三本の腕袈裟懸けも、右三本の左右反対袈裟懸けも、槍もハンマーも素手もひし形の刃も、全て剣でいなしながらそのまま一気に横に斬り裂き!
 「『バハムート、キングスラッシュ!!』」
 真上に伸ばした剣から伸びた熱線と一緒に刃を叩きつけ、魔怪人を打ち倒す!
 「きぃいいい~!!」
 これで全部のはずだ!!
 「まだよ、まだ!はぁああ!!」
 レダの気合の裂帛の声とともに、魔力が集まって行く?!何をする気だ!?
 するとレダが巨大化、その姿を光る水色の目を持つ、全身を黒いレザーと棘に包んだ魔怪人と化していく・・・
 髪は白く、肌は青白くなり目から上以外は全て黒いレザーと棘に覆われている・・・
 「はっ!」
 向こうからの右手の茨の鞭!その攻撃を受け、思わず怯む!
 「はぁああああ!!」
 もう一発左手からの棘の鞭!!
 さらに続く気合ともう跡が無いという意気からの左右鞭の猛攻に反撃の隙を掴めず、とうとう前に倒れ伏してしまう・・・
 「殺す!殺す!殺す!」
 振り下ろされる両鞭!が、そこに横より電撃の一撃が飛んできて、レダがひるんだ!?
 「がぁっ!?」
 「今の電撃は、まさか、ブルーサーペント!?ということは、キシケンブルー!?」
 電撃が来た方を見ると、そこには頭にキシケンブルーを乗せたブルーサーペントのみならず、レッドドラゴンやヴォルケーノドラゴンを始めとした他の守護精や守護精の上に乗る他のキシケンジャー達も・・・!
 「無理をするな、一緒にやろう!!」
 「レッド!抜け駆けは許さないからね!」
 「俺達もいるぞ!」
 「ユウキさん!」
 「レッド、忘れるな!」
 「おし!全員合体だ!!」『で・・・出来るのか?』「やってみるんだよ!!」
 頭部と鎧以外がナインナイツキシケンオーに合体しつつ、
 胴と両腕と両足部分のジョイントが分かれ、後ろにオメガバハムートが前の装甲を上に開きつつ中より金色の兜を放出しながら両足両腕を曲げて前にだし追加のジョイントと化しつつ合体、
 胴部がオメガバハムート内部に収納されつつ追加のジョイントにそれぞれの両腕と両足が付き、背中よりオメガバハムート開いていた装甲が根元より裏がえり金とガンメタの鎧が胴部全体に覆いかぶさり、ドラゴンの頭の追加パーツともなり、
 そうして、ナインナイツキシケンオーがより手と足が力強い印象となり金とガンメタル色の鎧を纏って行く・・・
 さらに、上に飛び出していた銀の細い斬撃のような角持つ大仰しい金の竜のような緑の宝石持つ王冠のような兜が覆いかぶさって、両腰に背中にイエティの鎧部分がかぶさり、盾に紋章の様にヴォルケーノドラゴンの頭部が付いて、
 剣の上にマックス、ウェルキシケンオーの剣が追加刃として付き、大きく両翼を羽ばたかせる
 完成!ゴットナイツキシケンオー!!
 『で・・・出来た、出来たぞ!!』『新しい伝説の誕生さ!』『始祖の騎士団、いえ、今まで存在し続けてきた全ての存在のおかげね!』『俺達、強くなった!!』『行きましょう!!』
 「おのれぇえ!小癪なぁ!!」
 鞭を幾度も振り下ろしてくるがそんなものは効かない、ドラゴンの口から熱線を吐いてレダを焦がし
 「がはっ!」
 さらに近づいて剣を一撃!
 「ぐはっ!」
 とどめだ!!
 ゴットナイツキングスラッシュ!!
 守護精たちの幻影を剣に宿して巨大な刃を形成、一気に振り下ろし、レダを斬り裂く!
 「がはあっ!」
 そして、爆発!!
 
 「いよいよですね・・・」
 元の場所に戻り、ユナがつぶやく・・・
 「ああ、レダもあの一撃で魔力の部分を切り離して牢屋に放り込んだし、守護精たちも揃ってるしな!」そして俺は左右のみんなに目配せし「みんな、準備はいいか?」
 「ああ」「うん」「おう!」「ええ」「ああ・・・」
 『行こう、魔皇帝のもとに!』『これが最後の戦いかな?』『私達の願いをここで』『成就させる』『行きましょう』
 「マスターピンククレスト!」
 ユナがクレストを使うと、そこにお姫様の映像が、華美さと気の強さを併せ持ったような姿の・・・あれがラーディアか
 そのラーディアが俺達を一瞥し
 「それでは、開くぞ、クレストを掲げよ」
 みんながそれぞれのクレストを全て持って掲げると、そこからエネルギーのようなものが、ラーディアの上に
 そして、ラーディアが向こうに振り返り
 「はあっ!」
 ラーディアの右手から集めたエネルギーが放出され、そこにまっすぐな裂け目のような扉が開いていく・・・
 向こうにあったのは、黒紫の瘴気のような魔力に支配された滅びた王国・・・
 そんな中で、ラーディアは俺たちに振り返り
 「さぁ、わらわに出来るのはここまでじゃ、後は、頼んだぞ・・・」
 そう言って、ラーディアの幻影は消え・・・
 「行きましょう!」
 ユナの号令と共に、
 「ああ!」「うん!」「よし!」「おう!」「うむ!」
 俺達は、ジャステール王国に足を踏み入れて行く・・・!
 
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