カードゲームライトノベル Wカードフュージョン10話 疾走、荒野の向こう3
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「さて、後どれくらいだろ・・・」
先を見ても荒野と道路と青空以外何も見えない、あの地図、ほんとにこの辺りの地図なんだろうな・・・
「カーディンは何か見える?」
「いいや、私にも何も見えないな」
「うう・・・そうか・・・」
「なに、仕方がない、新しい建物と先に進む手掛かりが見つかっただけで奇跡みたいなものだ、気長に行こう」
「はぁ・・・それしかないか・・・」
思わずため息をついてしまった、気持ち逸ってしまうなぁ・・・
何気なく、左手の窓から外を見てしまう、あの地図からすれば、左手の方には何も無いはずなのだが、何も・・・ん?
「あれ、なんだろ?遠くの方に何か動く物体が・・・」
「なに?」
確かに見えるのである、荒野の中で遠くの方に小さい、地を駆ける動物の影みたいなものがあるのが・・・
「ふうむ・・・どうやら、小動物のようだな」
「やった、こっちに来てから初めて見る動くものだよ!」
「確かにその通りだ、うん、道路際まで寄せてみよう、もっとも、向こうに向かう都合上、荒野の中は走りづらいから、しばらく行って何も無かったら、戻ってきて小動物たちの方に行ってみよう」
「うん、それでいいよ!」
カーディンが左手側の道路際まで寄せて行く、
しかし、相当な距離があるのか、道路端まで寄ってもあまり姿が鮮明には映らない、
どうしよう、もっと間近で、いや、せめて何なのかぐらいはわからないかな、そうだ!
右手で左の内ポケットからデッキケースを取り出し、影の方に向かい、右手親指でデッキケースのスイッチを複数回押す!
カチッ、シュッ!
さて、どんなカードが出て来たんだろう?
一枚目、機狼 メカニカルウルフ?あの影、狼だったのかな?
コスト1なのは使いづらいけど、効果の召喚の部分は使えるか!?
次は、機狼の超音波吠えって、吠えてる感じはしなかったけど、どこかから聞こえてきたのかな?
コストで表になった時のタイミングで相手を妨害するカード、使いこなせば強力そうだ
ふうん、機蜘蛛 ロウカセンガン・・・って、狼と思ったら蜘蛛!?どういう事だろう・・・
スキップかトラッシュか二者択一、うまく使いこなせるかな・・・
機荒野ピラニア アイアン種?今度はピラニア?この辺り川は無いよね・・・
効果はパワーを下げるだけだけど、自身のいる場所以外も狙えるのが魅力か?
少量の砂が飛んでる、風でも出てきたのかな、機原荒野の風、風でもカードになるのか・・・いや、よく考えりゃ空気でもカードになるんだから風でもカードになるか、
相手のモンスター全てを対象にパワーを下げるけど、その分効果は薄いたったの100だ、うまい具合に相手のモンスターのパワーを0以下にできれば追加効果が期待できるな
機原砂風・風波返し、風を返すのか・・・まぁ、行けば返る、か・・・
戦闘を行えるカードが無いうえで手札が無い状態で次の戦闘をスキップする、
コスト自体も低いうえ、特定のカードのコストを下げる特性を持っている、
使いやすいかどうかは知らないが少なくとも相殺とかには使えないだろう、
ここから逆転とかできるのか?
機原砂風・砂原の鉄片、飛んだ砂の中に鉄片でも混じってたのか?
モンスターの効果発動時のみ、いきなりモンスターカードを召喚する効果だ、
ただし、戦闘前しか持たないため戦闘時には使えない、一体どう使うんだろう・・・
機原砂風・砂原の鉄欠、今度は鉄欠?
こっちはジェイルか、タイミングが戦闘前になったことで相殺されやすくなってしまっているが、
そのかわり、チャージゾーンのカードを表にして、パワーを下げる効果がある、これがどう出るのか・・・
原荒高・流元連化、この荒野が風で流れているせいか?正直そうは見えないし、それだけではない気もするが・・・
なるほど、指定したカードを発動させたうえでモンスターの召喚もできるのか、
でも、召喚したモンスターはこのターンしか持たないし正直戦えるものじゃ無いが・・・
直接コスト付きのカードを使えばいいだけだけど、このひと手間が一体どんな結果を生むのか・・・
原荒高・流元的化、風で流れているだけでなく、この荒野自体に荒野が流れるのと一定で流れを止める特性でもあるのだろうか?
さっきの原荒高・流元連化のカードはリサイクルのみ対応だったけど、こっちはスマッシュにも対応してる、
そのかわりモンスターの召喚条件が少し異なってるな、
これだと、相手がコスト召喚してないとこのカード発動できなくなるが・・・
機工原・引き割りタッパ、砂がタッパのように変化するっぽいけど・・・?
相手の方がカードが多い時にのみ効果が発動するカード、おまけに、多かった枚数によって効果が変動するという、
不利な程効果が大きくなるけど、このカード自体のコストが低いうえ、
数が多いとこのカード自身が裏になって他のカードのコストにできる、スキップがあるから防御的とはいえ、狙わない手は無いだろう、
機原砂風・大砂かぶさり、そういうことも起こるのだろうか・・・?
カードを表にするだけのカードだけど、発動条件軽いし、相殺にも使えるだろう、多分だけど、
表にした後、表にしたカードをどうするのかが肝だろう、使い手の戦術しだいといったところか、
発動条件が普通に戦闘で使えるものになってるのが興味深いな・・・
機砂荒野の迷い鉄砂、砂も迷ったりするんだろうか・・・?
コスト発動もできないし、再利用も難しい、奇襲には使えるか?
でも、奇襲に使うったって多分、別のカードを使うし、何より、チャージゾーンに一枚しか残らないんじゃなぁ・・・
「うん?先に何か見えてきぞ!」
「えっ、本当!?」
カーディンの声を聞きカードや影から興味がそれて前の方を見る、そこには、確かに右手側向こうの方に四角い建物らしきものが・・・いや、これは・・・
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