バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

疾走、荒野の向こう/2 カードゲーム小説WカードFu

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カードゲームライトノベル Wカードフュージョン10話 疾走、荒野の向こう2
 
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 「ううむ、ここは一体どうなってるんだ?」
 近づいて見たところ、三方にブロック塀がある寂れた給油所にしか見えない、
 上には四角く平べったい屋根があり、中央にはその屋根を支える石材製の柱が、柱地上の前後に給油機器が置いてある、ただし、流線型の銃のようなトリガーとノズル付きの握りが先についてあるパイプが三つのみとシンプル極まるしろものだが、
 他には奥に白く、角と壁の削れた横長の四角い建物がある位か、入口が左右に二つあり、左手の方の入り口は広く、中にタイヤや何かの機械の部品が詰まっており、右手側の出入り口には、休憩所だろうか、白いテーブルとイスがある、上板部が外周前後が波な円の形をしていて、その下が鉄パイプの四本足で構成されているテーブルと、白くて角の丸い四角いクッションと細めの鉄パイプの外枠とこちらも四本の足で構成された背もたれ直角構成のイスだ、椅子はどうやらテーブルを挟んで左右に一つずつ同じものがあるようである
 「とにかく入ってみよう」
 カーディンが走り出し給油所の中の前の方の給油スタンドに近づき、道路から見て横の方を向きつつ停止する
 「ええっと、これの使い方は?データになかったかな・・・」
 ・・・
 カーディンがいきなり押し黙る、どうやら、スタンドの使い方を自身にインプットされたデータから検索しているようだ、
 にしても・・・
 右手の方の壁には機械無料!人間くんな!と張り紙がしてあるし、
 奥の壁にはDeadHumanDEATHと黒いスプレーで落書きがしてあったり、
 なぜか異様な雰囲気である、別にいいけど
 「これだ、鉄石油!」
 と、カーディンが運転席のドアの下から鉄の棒と球体関節と丸い三日月上の三本の爪で構成された補助アームを伸ばし、
 スタンドの一番左の赤いノズルを取り、自身の後ろの方に持って行き、なにやらカチャカチャと音を立てた、給油口のふたでも開け、中にさっきのノズルでも差し込んだのだろう
 「双歩!これでエネルギー補充ができるぞ!」
 あ、あれでいいんだ・・・
 運転席のメーターをチラリと見ると、左下の小さい円形メーターが少しずつ右に向かって動いているのが見えた、
 ううん、ちゃんとエネルギーが補充されているようだ、
 ま、機械無料なんだからお金はいらないに違いない、
 監視カメラの類もないようだし、これはこれで不用心すぎると思うけど、ふうむ・・・
 右手で右腰の金具からシートベルトを外し、左手で助手席のドアのロックを引き出し、ドアノブを引いて開け、外に立ち歩きつつ、右手後ろ手で閉める!
 「双歩!?」
 「大丈夫、ちょっと見て回るだけ!」
 ううん、すがすがしい、やっぱり人間、外に出て歩かないとね!さっきと言ってる事が違う気がするけど!
 カーディンが言うには穴の向こう側、こっちは僕達のいる世界とはまるで違うらしいのだが、やはり、車内にずっといるよりかは外に出た方が気分がいい、
 だが、違和感が全くないわけではない、
 なんていうか、空気が硬いのだ、動きづらいとか言うんではなく、触れている空気の感触が硬い、
 呼吸などにはまったく問題は無いのだが・・・、カーディンの言葉を信じるならば、こっちにいても生存には問題はないらしい、さらわれたエルドガンもこの空気を吸って違和感を感じているのだろうか?
 っとと、リラックスしてる場合じゃないや、とっととここの探索を終えてしまおう、
 まずは、角に近い方の右手側の、いろいろ入ってる入口から!
 足早に駆け、目標の場所に到達する!
 が、
 「え~・・・わからん」
 そう、素人である僕には何もわからないのだ、左足側に平積みされてるタイヤも、右手側のプラスチックであろう箱に積まれた小さな機械の塊も、
 こいつでとれば何かの役に立つかな・・・?
 右手でジャケットの左内ポケットから四角い物体を取り出す、
 それは、上が白く下が黒く、中央にパトランプと羽を模したカーディンの額についている物と同じエンブレムが付いている、
 とりあえず、この広い入口の向こうに向けて、右手の親指あたりの丸いスイッチを適当に数回押す、っと、
 カチッ、シュッ!
 デッキケースの上からカードが幾枚も出てきた!
 まず、給鉄油所スタンドマシン部品置き場、
 パワーを下げる効果を持つジェイルだ!
 素の状態でもパワーを下げられるのに効果でさらに下げられる、
 でも、維持コストがネックか・・・
 続けて、給鉄油所の鉄くず キゴォーン?
 こっちはパワーと一緒にコストを上げ下げできる、
 どっちかと言えば、コストの方が主効果な気もするが、パワーの上下幅は少ないし・・・
 次いで、ビックマシーンタイヤ?
 タイヤのイクイップ!?増えるパワー量が大きい、効果には期待できない、
 っていうか、条件がちょっときつめだけど、このコスト由来のパワーの上昇量の大きさには期待できるか・・・?
 でも、カードのテキストとかの記載を見る限り、カーディンや僕に必要そうなものはなさそうだ・・・
 出てきたカードを左手に取り、そのまま左手親指をデッキケースの手前左手側に入れて引いてデッキケースのふたを開け、左手に持ったカードを入れ、左手で押してふたを閉める、
 じゃ、次だ!
 急いで右手側のもう一つの、テーブルとイスのあった入り口に向かい、デッキケースを向け、同じようにスイッチを押す!
 カチッ、シュッ!
 デッキケースの上からカードが何枚も飛び出してくる!
 ふむ・・・給鉄油所の休憩所 ボロボロ、か
 パワーを下げる量も多い、しかし、こちらも維持コストが・・・
 それにインヴォークだからパワー下げる量多くても使いづらい、
 戦闘直前効果は使いやすいから、相殺用なら役立つかな、効果によるパワーの増減はそこそこか・・・
 さらに、給鉄油所廃休憩所の廃墟の入り空気?
 発動条件が少し変わっていて軽い、それに全体的に自分の方も含め好きなモンスターのパワーを、
 少量ながら下げられるのが強みだろうか、コストも低いというのも大きいな・・・
 ほいで、デスクアンドチェア 白の波型に乗せて?
 相手のコストによってスキップしたりパワーを下げさせたり出来る、
 弱い相手にはスキップで強い相手にはパワー下げ、弱い相手にはあまりスキップとか使わないから、
 強い相手にパワーを下げるか相殺を期待する程度だろうか・・・
 とりあえず、テキストとかから使えそうな情報は・・・ん?
 休憩所の奥の薄暗い床の上で何かに光が反射して暗い影の中に影の混じった光が映し出されている?なんだろう、一体・・・
 好奇心に負け、足が先に進む、中は割と埃っぽく外から見た通り暗い感じなのだが、左手の方に左右に並ぶ長方形の出入り口を発見した、
 上の方中間に左右に並ぶ、壁から飛び出す形で小さな固いラベルの何かが割れた後があって、そのせいか看板とか無いけど、お手洗いな気がする、年月が経っているせいか匂いとかも無いけど、僕の勘がそう告げる、
 って、あ、その前に水が置いてある!
 透明な大きめのペットボトルのような容器に入った物が、きっちりとブロックの様に固められて置かれていた、
 どうやら、あれが入口からの光を反射していたようだ、
 デッキケースのカードを左手でとって先程と同じように左手親指をデッキケース前左手側の方に入れ、ふたを開け、デッキケースの中にカードを放り込み、次いで同じ左の手でふたを元に戻して閉じ、今度はジャケットの左内ポケットにデッキケースを入れ、
 急いで入れ物に近づき、ペットボトルの一つを両手に取・・・る?
 ううん?この水、なんか、ラメか細かい銀紙でも入っているかのようにキラキラしてるんだけど・・・
 本当に水かこれ、人間が飲めない物だとか、そういうものじゃないよなぁ・・・
 ま、いいや、いっぺんカーディンの元に持って行って相談してみよう、疑わしい時はデッキケースで検査かければ水じゃない時はそうだと出ると思うし・・・
 急いで振り返ると、もう一つ、吉報が待っていた、
 先の方の壁に、簡易的な地図が貼ってあったのだ!
 下から上に二本の黒い線が中央離れた所を通っていて、左下の方に赤い丸が、右上に大きめの黒い四角が描かれた物で、
 赤い丸と四角からさらに外側の方に線が引かれ、その辺りに何やら書いてそうなのだが、残念ながら、地図の劣化がひどく、黒いしみと共に欠けてしまっている、
 スタンドが赤い丸にしろ四角にしろ、道路の接地面から考えて、先に進めば何かあるという証拠である、
 赤い丸か四角がここを表し、線が道路であると仮定した場合、ではあるが、
 よし、水?も手に入ったし、地図も見れた、これだけ色々わかったなら十分だ!
 急いで入口の方を向いて走って外に出て、右手側から大きく回ってカーディンの方に戻り、左手でペットボトルを抱えながら右手で助手席のドアを開け、中に入り、右手でドアの裏側持ち手を持ってドアを閉じ、
 「カーディン、水を見つけた!」
 「なに!?本当か!」
 「うん、これこれ、でもさ、これって水なの?建物の中にいっぱいあったけど・・・」
 「ふうむ・・・」
 ・・・
 カーディンが黙り数瞬
 「ああ、これで間違いない、こちら側の水とはそういうものらしい、光の反射性質が水の構造上違うらしい」
 「それって、飲めるの?」
 「うむ、データによれば、問題は無い!」
 ほんとかよ・・・
 あ、そうそう、もう一つ、
 「カーディン、建物の中に地図があったよ、どれくらいかわからないけど、先に進めば何かあるみたい!」
 「本当か!?」
 よくよく考えてみれば随分曖昧な情報だ、しかし、これ以上伝えられるものは無いし、
 ここに来るまでに建物らしい建物が無かった僕達にとっては朗報なのである、せめて、かけた文字が読めればよかったのだが・・・
 「うん、多分ね」
 「よし、それだけ聞ければ十分だ!出発するぞ!」
 「了解!」
 左手の水を後部座席の足元に置き、右手で左上のシートベルトの金具を引いて右下の留め具に引っ付け、助手席ドア窓部のロックを右手で押してかける
 と同時に、カーディンが自身の後ろの給油口から給油ノズルを外し、ノズルを元の場所に戻して、補助アームをまたも後ろの方に持ってきて、
 パタン!
 と音を立てさせた、きっと、給油口のふたを閉めたのだろう、
 そして、補助アームを運転席のドアの下の元の場所にしまい直し
 「行くぞ!」
 「おう!」思わず右拳を振り上げ、
 カーディンが前から運転席側にUターンするようにぐるっと給油柱の周りを回って次いで助手席側に回りつつ道路に出て、
 先に向かって走り出した・・・
 
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