オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベもどきを置いていきます。

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まとめ フュージョン/ 短編/ EX/

星間戦争編 青星民の涙/7

 

星間戦争編 青星民の涙 7
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  シンリーE01を素体に、その外装を白く輝き花びらかファンタジーの様に半水滴状に風になびくような装甲に替え、
 頭にかぶるのも騎士風の兜に替わっており、鉄製のとさかもついている、
 左腰には実体剣を携え、左手に携えるは装甲を平べったくしたような大きな盾も持ち、
 盾は前方にシールドキャノンを備え、剣の方はエネルギー消費が大きくなるものの、ビームサーベルを実体化させつつ飛ばすことができるという話、他にも武装はあるが・・・それよりも先に名だ、
 名は・・・スターシンリーE03、
 コンセプトは・・・
 「作戦開始の出撃準備に入ります」
 女のアナウンスの声、
 おっと、そろそろ時間だ、
 大きく跳躍して胸元まで飛びつつ
 「行くぞ、スターシンリー!!」
 声紋に反応し、胸元が開く、中はあいにくとほとんど変わっていないが、これは致し方ない、急に操作体系が変わると混乱するからだ、
 中に入ると自動で出入り口が閉まり、シートベルトを上げて座り、シートベルトを下げて閉めている間にモニターが起動、
 「それでは、先行機より、射出口にスタンバイ」
 ドックの部分が前に動いて右に向き、格納庫通路の先のある長い通路の一番奥にセットされ、通路の先が上下に開いて向こうに宇宙が見える、その先にはゴツゴツした岩々が浮かぶ第六小惑星帯も・・・
 「作戦を開始カウントダウン、5・・・」
 さっきの将校の声が聞こえ、気合が入る
 「4・・・3・・・2・・・1・・・出撃!!」
 「出撃、スターシンリー!!」
 一気にドックごと前に出て射出され宇宙に飛び立つ、周りには他のシンリータイプもいる
 と、前方に数百のガルダタイプ、そのライフルからビームの雨、
 盾を前に構え、盾の砲身の上と盾全体上下左右に付いた隠しカメラからの映像を見てキャノンを適当に相手を狙って幾度もぶっ放しつつ囲まれないギリギリの位置まで前に出ていく、
 その間にも周りの援護射撃光弾と敵のビームによって敵味方の無人機が撃破され、
 いくつかのビームがこちらに向く、
 来た!
 一撃目を背部のバーニアをふかして上に避け、二撃目を盾で防ぐ、
 さぁ、出てこい、このままでいいのか・・・?
 陣形を崩したくないのか、敵機は出てこない、砲撃は雨あられと俺の方に向かってくるのだが、微妙に動いて避けたり盾で防いだりする、が、その間にも敵機の方が撃破される数が増えて行く・・・
 なぜか、
 これこそがこの機体のコンセプト、
 機体を目立たせることにより有人機の目をこの機体に向かせ、攻撃を集中させ、その間に敵の無人機を撃破、
 数の有利を持って行くというものだ、俗にいうヘイトコントロールというやつである、
 無人機はヘイトコントロールなど知ったこっちゃないので作戦通りに敵の無人機、チャンスがあれば有人機を狙う、
 俺がへまをしなければ無人機は攻撃してこない、有人機は派手な俺の機体を無意識に狙う、目立っているから味方も一緒に狙うという目論見もあるのだろう、出る杭は打たれるという奴だ、そして、逆に撃破できないと悟って狙わなくなってもこちらが気になって集中しきれない・・・と、
 本来、派手な無人機を作って有人機を守るというコンセプトで早い内から構想のみがあり、それで03等とついているのだが、
 そこまで強力なCPUが作れなかったために廃棄されかかっていたのだ、
 なんせ無人機は有人機と一対一じゃボコボコにやられるし、CPU相手に集団で狙われてもアウトなのである、前に出て注目させる必要があるため逃げに徹せられないというのもきつい、
 有人である俺にそれが回ってきたのは皮肉としか言いようがないが、ま、それだけ腕を買われてるってことだ、せいぜい生き残ってやろうじゃないか
 そして、狙いはもう一つ、
 モニターが真下を写す!
 いきなり盾を下に向け、そこから来たビームを防いだ、
 その先には、歪んだ空間があった・・・いや!
 「ようやく見つけたぜ・・・」
 そして、下に飛んでそいつと対峙する、
 対峙した今は、歪んだ空間ではなく、真っ黒な機体がよく見える
 その姿はまるで伝説のドラゴンだ・・・
 確かに基礎は鎧を着た人型だろう、だが頭部は甲殻のとがった爬虫類を思わせる鋭角なものになり、
 背中左右後ろに伸びる大型ブースターはまるで大きな鎧をまとった竜の翼であり、なぜか長い尾も持っている、
 なぜ、歪んだ空間ではなくちゃんと機体が見えたのか、
 理由は単純、この機体、全身がそこそこに様々な波長の光で持って発光しているのだ
 その発光の反射によって情報を常に収集しているのである、
 そして、その中の一つの波長によってあの機体を察知できたというわけである、
 「管制、例の機体を見つけた、これより交戦状態に入る」
 「了解、敵側の援護に気を付けてください」
 「ついでに奴の機体に反応したのは光源08だ、あとで上層部に送っといてくれ」
 「了解しました」
 さて、これ以上、仲間を倒されるわけにはいかないんでな・・・
 と、向こうの口が大きく開かれ、口喉から光が放たれた、
 なるほど、あれでやられたってわけね、
 だが、今回は姿が丸見えだ、左手側に間一髪で避ける、
 出力が想像以上に大きいな、盾で受け切れるかわからん・・・
 盾を前に出し、キャノンを発射するも、一気に上に移動し避けられ、再度狙って発射した一発など回り振るわれた尾で弾かれた、
 接近戦しかないか、あまり好きじゃないんだが・・・なっ!
 一気に間合いを詰め、上から剣を振るう、が、一気に後ろにブースターをふかして逃げられた、
 その間にも上からビームの雨が来るとサブモニタに警告、幾体ものガルダ機の有人機と無人機がビームライフルをこちらに向けている・・・
 慌てて下がって降ってきた幾本ものビームを避けると・・・
 ん?画面に通信回線の要請が・・・あの黒い機体からか!?
 「敵側からの通信要請は危険です!」管制の声、
 悪いな、興味の方が勝る
 「おっと、手が滑った」
 管制の通信のスイッチを切り、敵側からの通信を付ける、向こうに移ったのは、後ろを結んだ黒髪のオールバックで、黒いゴム製のパイロットスーツと、薄茶色く、箱状ポケットが幾つも付き、胸に一文字ついたタクティカルサスペンダーに身を包んだ俺と同年代のワイルドかつ人相の悪い顔、
 「よう、済まないが、あんたの相手ばかりする気はないんでね」
 「逃げるつもりか?」
 「まぁ、そう受け取ってくれても構わないよ、オズマレ・ドルチェ」
 「なに?俺の名を知っているのか?」
 何者だ!
 「敵国のエースパイロットだぜ?知らない方がおかしいや、前回の第六小惑星帯の有人機はあらかた潰したと思ってたんだが?」
 「その中に俺も交じってたよ、生き残ったのは幸運に過ぎない」
 「へ、そりゃこちらとしても幸運だな、あんたを撃破できたとは、だが、さすがに機体の性能差がある中で撃破しても自慢にはなんねぇや、じゃあな、その基地はお前達にくれてやる、おっと、偽名だが名乗っておこうか、俺の名前はグルード、グルードクラッシャーとでも呼んでくれ、じゃあな」
 「おい!」
 向こうに振り返り、どこまでも飛んで去って行く・・・この機体なら追いついたり追撃をかけられたりするかもしれんが、いや、今は・・・
 上空で展開される白熱の集団砲撃戦・・・
 そこに不意に飛び込んで行った最新鋭機の俺にもはや敵は無く、
 無人機も、並みの有人機すら軽くあしらい、敵の撤退、基地の奪還にこぎつけたのだった・・・
 
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星間戦争編 青星民の涙/6

 

星間戦争編 青星民の涙 6
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 「ふぅ・・・」
 白い箱型の集合住宅の一室の開いた入り口で俺は部屋を見つつようやく一息ついた、木製の本棚に椅子を伴った机に反対側にそこそこのベット、机の上にはノートパソコンが一つ、
 入り口の側には鉄製のキッチンもある、キッチンそばの左手の壁の方には冷蔵庫も、
 料理が苦手なので全自動がよかったんだがあいにくとここはそうじゃなかった、包丁は使わなきゃならんしコンロの火も手で回し式スイッチをひねって付けなきゃならん
 時々作ってくれるオーディには頭が上がらない、
 靴を脱ぎつつ家に上がり、一番奥の防弾ガラスの窓の白薄いカーテンを開け、向こうを見る、
 大きな塀に隔てられた向こうの茶色くボロイ貧民街と内側の白く整然とした住宅街とのコントラストが見える、昔は俺も向こうの貧民街側にいた、状況が変わったのは軍に入った後、シミュレーションで結果を残したからだ、
 残したその後、パイロットとしての正式な訓練後、軍の寮を出てここに移り住んだ、軍のパイロットはエリートだ、基地一定範囲の指定住居であれば一人で住むことが許される、
 ・・・にしても、入院する前はこっちには久しく帰ってなかったな・・・
 ・・・
 二星は連星として、一つの星国として政権を回していた、
 この二つをまとめて守る、二星がつながったかのような宇宙風の影響もあって、一つの指示体型の元に動いていたのだ、実際に政治的にはそこまで影響力は強くなかったそうだが、
 二星の間には七つの小惑星帯が存在している、その内の一つが第六小惑星帯であり、
 その中で中央に存在する第一小惑星帯、その中央付近にある小惑星に上に、内部が筒状のコロニーを上中央に頂いた家形の連星政府が設置され、
 そこを互いの一人の指導者を置く場所として動いていた、しかし、そこが何者かに爆破され壊滅、調査でも何も見つからず、互いの星の印象が悪化、
 その結果、起きたのがこの戦争である、
 諸説あるが、互いの星が相手の星の者が犯人だと言い合っており、
 戦争状態も相まって現場となる第一小惑星帯コロニーを再度調査することも難しい状況、事実が解明できないその状況が、泥沼状態の戦争にさらに拍車をかけ・・・
 ・・・
 さて、晩飯にはまだ早いかな、明日は戦闘の報告書を上げねばならんが、朝、基地に行ってからでいいだろう・・・
 ・・・パソコンでネットでも見るかな・・・
 椅子を引いて座りつつ、机の上の蓋つきの薄い箱のような機体を本を上に開くように開け、左奥基盤側の丸い電源ボタンを押す、
 嫌になるぐらいレトロなものだが、センサーキーボード搭載型や人工知能搭載型より安く、消費電力も低い、
 外側からはわからないが、内部は地球産のOSのコピーである、著作権が切れたほどの古いしろもので、これまた古いウィルス対策ソフトで何とか強化して使っている、無線では無くて有線なのもいい、時々敵星からジャミングが届いて操作不能になる時があるらしいから、それに、現在普及しているパソコンの基礎システムは、元は敵星が開発したものだ、
 ・・・今だに大半の人が敵星が開発した基礎システムを使っている、色々疑問に感じないのだろうか・・・?
 実際には敵星が開発したもの以外にも新しいものがあるはず、にもかかわらずなんでそんな古いものを・・・とか思われかもしれないだろうが、これぐらいのバージョンのマシンでないとみられないサイトがあるのだ、バージョンが対応していません、というやつである、
 マウスで操作する矢印でフォルダをいくつもダブルクリックしつつ、いつものサイトへのブックマークを掘りだしアクセス、
 そこから最近のニュースを見る、
 ははは・・・なるほどなぁ・・・
 ゼリョーヌィ、敵星である緑地星の指導者が変わったって、新しい指導者はクラックというらしい、クラック星総統領、
 それが、連星両方に大きな問題がと主張・・・へぇ・・・
 にしても敵星の指導者が変わっただなんて大事件じゃないか、ちゃんと報道したのか・・・?
 おっと、新しく買った画面端末に音楽を入れないとな、宇宙に行った後も通信出来るわけじゃないしな・・・
 机天板右側下の縦三連箱引き出しの一番上の引き出しを引いて中からパソコンと画面端末をつなぐ、絶縁体で外部を覆ってコネクタを付けた黒線を取り出し机の上に置いて、
 右胸ポケットから小型の長方形の画面端末を取り出してパソコンと共にケーブルを繋ぎ、パソコンの音楽フォルダにある音楽ファイルを一律、マウス操作の矢印で出した四角で囲みコピーのキーボードショートカットを押してコピーしアクセスした画面端末のフォルダをダブルクリックで開いてペーストのキーボードショートカットを指で指しし、音楽ファイルをコピーする、
 ・・・この画面端末はこの間新しく買ったものだ、前の物は、第六小惑星群の基地の方に置いてけぼり・・・敵に占拠され取りに行けないのだ、そんなこと言ってる場合でもないしな・・・
 お?パソコンの画面に右下の時計に結構遅い時間が・・・
 仕方無い、ちゃっちゃと調理して喰いますか、今日は遺伝子改造の青トウモロコシをゆでて白米付けるかね、これでも貧民街のペースト配給食糧よりずいぶんとましなんだが・・・
 ・・・
 「どうしても、行かなければならないの?」
 「兵士として行かなきゃならん、もう一度・・・」
 太陽が大きく真上を指す中で、目の前にあるのは海をのぞむ荒野の上、上部にレールの敷かれた直線と上に上がる歪曲を組み合わせ格子状の鉄で支えた長い滑走路、
 そして、そこ、俺のすぐ後ろにセットされた、全体が大きく前中央が飛び出した三角の羽のように作られ、その羽の真ん中一直線が盛り上がりこれまた三角の上後ろに斜めに少しせり出した尾翼を付け作られた黒い軍用飛行機、
 あれで俺は、再び宇宙に立つ、
 それを、白いワンピースを着たオーディが見送りに来たのだ、
 こいつより少し劣るぐらい愛しき新機体は後から別便で来るらしい
 長い手すり付き渡り通路のようなタラップの前で、俺達以外の幾人もの兵士が家族や恋人と話している、
 「もし、今度攻撃を喰らったら、死ぬかもしれないのよ?」
 オーディが緊張の走る真剣な顔で俺を見据える
 「それは今までも一緒だ、それとも、また宇宙勤務に戻るのが嫌かい?」
 「・・・」
 オーディの目つきは厳しいままだ、
 「なに、とりあえず、次の週末には戻ってくるさ、上にもそう言っている」
 「・・・約束よ・・・」
 「今までよりは帰ってこれるはずだぜ?なんせ、主治医様が宇宙の軍事基地への立ち入りを許可されなかったからな、いずれは出るかもしれんが、それまでは、医療休暇がちょいちょい認められるだろ」
 「それはそれは・・・」
 ようやく、オーディの顔が微笑んだ・・・
 「じゃ、行って来るぜ、見上げは第六小惑星帯の石でいいかい?」
 「・・・無茶はしないように、いざという時は、すべて捨てて逃げて頂戴・・・」
 「お前だけは捨てられるかよ、じゃあな」
 振り返って、タラップを伝い飛行機に向かう
 ・・・そして離陸後、数時間・・・
 「それでは、第六小惑星帯基地奪還作戦の最終準備を開始する!!」
 全てが鉄でできたような宇宙船のシンリー型ばかりの格納庫中で、目の前の官将が大声を上げた、えらそうな態度は以前のサンドル司令官とそんなに変わらないが髭はないし制服の色は紺色だし髪は黒いし何より十歳ほど若く見える
 「「はい!!」」
 俺を含め、集まった兵士が大声を上げ返事をし、
 「作戦の遂行は三十分後だ、それでは各自持ち場に着け!」
 「「はい!!」」
 全員の返事が唱和した後、我先にと持ち場へと無重力の中を飛んで移動していく、
 ここに集まっていたのは最終調整を行っていた整備士、それから、機体のパイロットたちだ、電磁石ブーツで床に張り付いていた、力強く跳躍すれば機械が感知して自動で磁石を切り、足を床壁天井に向けて近づければ磁力を戻してくっ付けるという仕組みである、
 機体のパイロットは五人ほど、ここ以外の艦船も参加しているためもっと多いが、戦力の大半はやはり無人機であり、ここだけで八十一機、全体としては五百機程が参加している、
 どこまでやれるかは怪しいが、こちらは戦艦の援護もある上に向こうは迎撃準備ができ切ってはいないだろう、地上の軍基地に攻撃を仕掛けてきたが、そう思うことにする、
 遠くまで並ぶ左右壁際の、機体胸部の前に横切るような搭乗用通路の付き前と上の開いた左右が手前上が少し斜めで中央が空いた鉄の壁のようなもので構成された整備用ドック、その一つの前に、飛んでいって床に足を向け着地、ドックの方に足を向けドックに格納された機体を見る、
 これが、俺の新機体・・・
 
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星間戦争編 青星民の涙/5

 

星間戦争編 青星民の涙 5
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 そこから、残った敵に対しての掃討作戦が始まった、
 有人機もいくつかあったものの、無理して降りてきた奴らだ、敵ではない、
 結果、そこからはこちらはいくつか無人機が撃破されただけで、人的被害はゼロにとどまった、幸運と言えるだろう
 残念ながら捕虜はいない、高所から落ちた時に死亡したと言えばそうなのだが、向こうの救命ポッドはあまり性能が良くないのか?パラシュートぐらい付けとけとか思うけどな・・・
 「ひさしぶりだな、オズマレ」
 「見舞いにも来なかったくせに何言ってやがる」
 格納庫、目の前の迷彩服に身を包んだやせぎすで茶のロングゆるふわパーマなどかけている男がプレラスだ、
 「すまんな、機体持ちは引継ぎとかいろいろあってな」
 俺達は右の口角を上げ不敵に笑うと、互いの生存をたたえ、お互いの機体の前で握手した、
 「しかし、これはもう最低でも手足とっ変えかのう・・・」
 その奥で、爺さんが倒れ仰向けられた俺の機体を見上げて唸る、
 敵の無人機のターゲットになりながらも右足とブースターの軽移動と右手のM2987を駆使して何とか生き残り、
 その後、そばにいた無人機に格納庫まで連れてってもらったのだ、
 「無人機の手足引っ張ってくれば簡単だろう」
 「そりゃそうなんじゃが、こうも続けざまじゃとのう・・・」
 「お前さんにも時が来たという事だろう」
 思わずいきなり声を発したプレラスの方を見る、
 「プレラス、どういうことだ?」
 「この辺りじゃシミュレーターのスコアトップ、無人有人関わらず撃墜数も華々しい、にもかかわらず、お前は他の奴に予算を回してほしいとカスタム機にすることを断ってきたな」
 「そりゃぁ、まぁ・・・」
 俺は今まで凡庸機でどうにかなってきたし、カスタム機は一度故障しちゃうと修理がなぁ・・・
 凡庸機なら無人機のパーツ引っ張ってくればすぐに修理できるし・・・
 「これからもどうにかなると思ってんのか?仕方無い、ちょっと司令室に来い」
 「指令室?」
 「いいから来い」
 プレラスが歩き出すのを見て思わず両手を外側から上げて肩をすくめついて行く、
 砂の入り込んだ通路を通り、無造作な鉄の扉が左にスライドして辿り着いた場所、
 暗い中で上に外の様子が写し出された大きなモニターがあり、そのここより一段低い下の方では、
 別々の映像が規則正しく並んだ幾多のモニターに向かって座る幾人の青の制服姿の男女がいた、
 ここだけ無機質な感じがする、
 「おい、お前達、誰の許可を得て入ってきた?」
 そこに右手の方から俺達を一喝する、俺達含めたまわりを見降ろす無機な重厚な机と椅子に座っていたいかつい初老、
 立派な口髭を生やし、これまた立派な黒の鍔付き濃緑帽子を被った、立派な軍服を着た軍人、
 スーツに豪著で金のひもがふちに付いた布の黒い肩パッドを付けたようなものだが、胸には数個の勲章が輝いている
 なるほど、この人がこの基地の司令官か・・・
 その司令官に向かい、プレラスが敬礼をする
 「はっ!サンドル司令官、以前第六小惑星帯基地と回収された機体から録画された、例の記録映像をこいつに見せたいと」
 「例の記録映像・・・」サンドル司令官と呼ばれた男性が考え込むようにしばし顎に手を当て、「ああ、あれか、だが、あれは機密だったはずだ、」
 「彼はその記録映像の撮影者の一人です、見せてもよろしいかと」
 「ちょっと待ってろ、」
 サンドル司令官が机に視線を戻し、備え付けの電話でどこかに電話をかける、
 「はいはい、ええ、オズマレ・ドルチェです、許可は・・・機体回収分なら許可を出すと、わかりました」
 サンドル司令官が電話を戻し、椅子に座ったまま椅子を回し俺達の方を見る
 「許可が出た、機体のレコーダーに残った分だけだ、視聴室に行け、連絡は出しておく」
 「了解しました」
 たらいまわしだな・・・
 それから、指令室から出て、またも通路を進んでライフルを担いだ見張りのいる部屋の扉の前まで行き、その見張りが敬礼する
 「連絡は来ております、すでにセットは完了しております」
 扉が左に自動で開き、部屋に入ると、気密性の高い部屋に簡素な鉄の椅子と机に、黒いパソコンのディスプレイに同色のマウスとキーボード、それにヘッドフォンが、机の上に置いてあった、
 異様に思うだろうが、サーバーは別の場所に置いてある、ここからは限られた操作しかできないようになっているのだ
 扉が閉まり、ヘッドフォンを付けて椅子に座り、ディスプレイの丸いボタンでそのディスプレイの電源を付ける、
 「俺はもう見たぜ、無理矢理見せてもらったってのが正確だがな」
 何やらかしたこいつは、ま、こいつは昔から目標のためには方法を選ばない側面があるからな、今回の様に・・・
 と、画面が映し出される
 「ええっと、ジャンプするぞ」
 プレラスが画面下のシークバーをマウスで動かすカーソルで移動させ、前の戦いで有人のガルダを撃破した瞬間まで映像が進む
 「っつ!」
 突然、頭をあの時の焼けつくような痛みが襲った
 「大丈夫か、フラッシュバック、ってやつか?」
 「大丈夫だ、このぐらい、痛みと苦痛には訓練で慣れてる」
 「ま、そう言うと思ったぜ、これぐらいに耐えてもらわなきゃ、カスタム機なんて与えられない」
 そうだ、この後・・・ここだ!
 思わずマウスを右クリックで停止させると、そこには、星空の中央が歪んだ光景が写っていた、
 この次の瞬間、俺の意識は無くなったんだ・・・
 だが、今見てみると間違いない、記憶に間違いが無ければ、俺はこの歪んだ場所から撃たれたんだ、他の何処でもない・・・
 「これは・・・一体何だ・・・?」
 「上層部も俺も、意見は一致してる、敵の新型機だ」
 新型機・・・か・・・
 「だろうな・・・どういう機体だと推察されてる?」
 「これ以外の情報、基地の方のカメラにも写っていたらしいが、どうやら、有人機を特に狙って潰していたらしい、こいつに十人近くやられているとさ、俺は遭遇する前に撤退命令を受けたからよかったが・・・」
 「有人機を?そうなると、無人機では限界があるな・・・」
 俺達は特に勝つことではなく生き残ることを重点において訓練を受けている、
 あのシミュレーターだって実際には制限時間がかなり多めにとられており、
 生き残りつつ無人機を分断、各個撃破していくのが戦法の基本となっているのだ、もっとも、俺は簡単に動きが見えるので、めんどくさくてやらないのだが・・・
 シミュレーターをクリアできるぐらいなら、居るだけで無人機にとっては脅威なのである、
 そして、そんな手合いを相手にすれば、当然、相手にしている間にこちらの無人機に撃破されるのがオチだ、有人機に構いすぎるのは無人機にとって危険極まりないのである
 つまり、こいつは有人機なのだ、
 無人機にはどんなに性能の良い機体を与えたってだった一機じゃ、戦場に出られるまでの有人機には、動きを読まれて撃破される、
 だから単独で有人機を狙うには、有人機しかない・・・!
 「そして、見る限り、かなりステルス性の高い・・・ボディに使われてるのは新素材か・・・」
 「そうじゃなきゃ、俺達の補助CPUが知らせてくれるだろ、無人機だって反応するはず、その前に十人ほどやられているということは・・・」
 「有人機を殺すためだけに、か、無人機だけを相手にしようって輩も珍しくないのに、これは奇特な・・・」
 「わかったか、これで、今までの機体じゃ、仲間を守れないことが」
 ・・・確かにそうかもしれない・・・
 敵機の新型機なら、今までの機体で対抗できるとも限らない、
 有人機狙いなら、俺が前線に戻ってすぐに遭遇する可能性も低くないだろう、
 また、俺の頭が撃ち抜かれる事態にならないとも限らない・・・
 「・・・すぐに決めるべきことじゃない、少し時間をくれ・・・」
 「いいが、あまり猶予はないぞ・・・」
 ・・・そして・・・
 「その様子だと、事情を知らされたようじゃな、踏ん切りがつかんか」
 格納庫に戻り、爺さんに話しかけられ、
 「いや、歩いてる間に決意した」
 ちゃっちゃと返事を返した、
 俺は、俺自身の機体を見るに一切邪魔の無い左前まで移動し、今まで一緒に戦ってきた機体をのぞむ、
 先ほどの戦いで攻撃を受け吹っ飛んだ右足、それ以外にも、細かい傷が無数についている、
 いくらなんでも、余程でない限り装甲のとっかえなどできないので、長く大きなダメージを負わずに戦えば戦うほど、細かい傷が増えて行く、
 この細かい傷は、それだけ、うまく戦い抜いてきたあかしなのだ、ま、最近急遽溶接した胸の一部分には、そんなものは無いが・・・
 「出来れば、新品じゃなくこいつの改修機がいいんだがな・・・」こいつとの戦いの日々が頭をよぎる、主に宇宙での戦いだ、仲間を助けたり助けられたり、無人機が少なくなったときに何とかしのいだり、思わぬところで援軍にきた奴らに助けられたり、思わず右手を握り込んだ、
 「いやが応にもそうなるじゃろ、」爺さんも共に機体をのぞむ「お前さんの癖と経験が染みついた機体とOSじゃ、利用しなければお前さんの機体にはなるまい、望みの武装はあるか?」
 「一番良いのを頼む、ってな」
 古代のジョークである
 「ま、生き残るのが最優先だ、武装にこだわっちゃいられない、戦略を立てる奴らがこれが最良だといえば、ま、信じてやるさ」
 「は、言うようになったわ、任せておけ、今までの戦術データから、最適な物を出してもらえるよう、上に頼み込んでおく」
 「あ、その替わり、製造社は指定していいか?」
 
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