この争い起きた戦場で ダブモン!!8話/13
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バトル-5
「ここからは、少々本気で行かせてもらおう・・・!」
向こうの将軍が目を細め、こちらをにらむ・・・
そんなこけおどしに負けはしない・・・!
「リチャージ!」「リチャージ!」
さあ!ここから攻め返していくわよ!!
「ドロー!セット!」「ドロー!セット!」
「オープン!!」
「オープン!!」
私は2番、向こうは1番に裏で置いたカードを表に!
「来なさい、ビービードリ!!」
「ダブモンNo.70、光鳥の養蜂師、ビービードリ!!」
私の目の前に光の鳥が現れた、
全身が光に包まれ、そこより周りに光を放っている・・・
「ならば我も行かせてもらうぞ、オーバックスカードだ!!地力撃エレメント!!」
な、何ですって!?
オーバックス!?何が来るってのよ!!
「さぁ、コストを指定するがいい!!」
「ぐ・・・私は、ビービードリのコストにウィルピーキラメントとシャインライトフラッシングバスターエレメント!を指定、ウィルピーキラメントを発動しこのカードを裏に!!」
すると、直後に向こうの将軍の前に山札が巻物のように推移していく・・・
それを右人指し指で突如指定した・・・
「こいつだ!!」
「ダブモンNo.278イィィィエェェェェックス!、丸める堆肥作り、ヒスカラベ・オーバーァアア!!」
目の前に現れたのは・・・茶色い玉?
「さらに、『地力大大恩恵エレメント!!、大地の砂利撃エレメント!!、地力交代咄嗟エレメント、アースプルダウンエレメントを表にし、ヒスカラベのパワーを3600上げる!!』」
大きな茶色い玉の裏に、小さい6本足の茶色い甲虫がその後足を上げて支えている・・・?
「あれ、フンコロガシじゃないか・・・?」
「だろうな・・・」
「僕もそう思う」
げっ!?
後ろの三バカの台詞に思わず慟哭する、
あの球を転がしてるのがフンコロガシ型のダブモンということは、あの茶色い玉はつまり・・・
「安心するがいい・・・」
え?
妙にほっそい悟った目でこっちを見る向こうの将軍・・・
「オーバー時のヒスカラベの玉はフンではない・・・フンが変化した・・・火薬だ」
もしかして、爆発するの?フンが・・・?
ブッ!ショックのあまり吹き出す・・・
「尚悪いわぁあああ!!」
私の抗議の声にもかかわらず、向こうの将軍は堂々と右腕と右人差し指を振り上げ突き出してくる!
「行け、モリミーブ、1番戦闘だ!」
ええい!!
ビービードリがモリミーブに向かい飛ぶ、
でも、今の向こうはコストを支払わなくていいというオーバーの利点を捨てた裸の木々!
「私は、ビービードリの効果を発動!モリミーブのパワーを1000下げる!!」
ビービードリが光のような速さで飛ぶ、これをモリミーブが木の棍棒を叩きつけようとするが、ヒラリと華麗に飛び回避、
そこから一気に口から光を吐きだしモリミーブを焼く、
「私はモリミーブの効果により、ビービードリの効果を相殺」
が、反対側より大きく薙ぐような棍棒に、慌てて上に飛んで避け、光を吐き出すのを中止するのを余儀なくされた、
「それあらば私はシャインエレメンタルパワー+!」
「地力恩恵エレメント!!」
ビービードリが今度は光の蜂を繰り出し、それを飛ばす、
棍棒が振り回され、それに当たっていくつかの蜂が消し飛ぶ、
が、大半の蜂は、棍棒の風に流されるも、隙を見てモリミーブの体の中に入り込んでいく・・・
「さて、これは止められるかしら?シャインエレメンタルパワーとシャインディシングエレメント!!!」
向こうの将軍の目が厳しく狭まる
「ぐ・・・ない」
「『シャインエレメンタルパワーの効果でビービードリのパワーを500アップするわ!!それに、シャインディシングエレメント!!の効果でパワーを600上げる!!』」
すると、ビービードリの体が強く発行し始め、ビービードリはその光輝くエネルギーを風に乗せ、モリミーブに送る、
何をしてるのだろうか・・・?
すると、モリミーブの体内よりいくつもの巨大な光の針が瞬時に伸びてきた!
ジャキン
げ~っ!あれやるためにエネルギー送ってたのか?!相も変わらずえげつないなあの鳥・・・
針が引っ込み、穴だらけとなったモリミーブの穴より蜂たちが退避する中で、モリミーブが後ろに倒れ切って地面に激突し爆発、消滅する・・・
「だが、2番戦闘はこちらのものとしてもらうぞ」
「おっと、その前にシャインディシングエレメント!!の効果を発動!!」
と、ヒスカラベの大玉が転がってくる・・・!
「ガサンラン!あれをどうにかしなさい!!」
ガサンランが考えなしに突っ込んでいく!
ブチョ!
めちゃに嫌な音を立て、ガサンランが大玉に吸着され、巻き込まれ、下敷きになって爆発、消滅する・・・
おいこら!何も出来なうちにいなくなるんじゃない!!
「では、ここで私は効果を宣言させてもらおう、『ヒスカラベの効果を発動、ライフカードを一枚手札にさせる!!』」
ヒスカラベが速度を上げ迫ってくる、ぎゃ~っ!!
「まったくしょうがないですね・・・」
ウィルピー!!
ウィルピーが前に出て、ハンマーと鋏を構える!
「ビービードリさん、光であれを焼くのをお願いできますか?」
ビービードリが光でヒスカラベの大玉を焼く、
それによって表面が乾き、焼け焦げた匂いと共にあれ特有の嫌な臭いも無くなる、が、
「ウィルピー!その玉は」
「わかってますよ、火薬だっつーんでしょ、さぁさぁ、ここからお立合い!」
ウィルピーが一気に近づき、左手側よりその玉を叩いて一気に飛ばす!
焼かれたことで衝撃が直に伝わるようになったのである、
誰もいない草原に着弾し、大爆発を起こすヒスカラベの大玉、嫌なにおいがしたものの、直にあの爆発喰らうよりかはましである
「後で洗わせてくださいね・・・」
ウィルピーの言葉、おそらく、槌に破片が付くのを気にしてだろう・・・
「水場見つけたら存分に洗うがいいわ、まったく・・・」
「公害だな」「だな」「だね」
後ろからの気楽かつ他人事な三バカの言葉に思わず意見の一つもぶつけてやりたくなる
「あんたら、もしかして、巻き込まれたかったわけ?」
「まったく!」「まったく!」「まったく!」
「だよね」
「ま、匂いなんぞ一日あれば無くなるだろう・・・」
そういってイグリードが納得するかのように両腕組んで目をつむるように首を縦に振る
・・・近隣の集落出身のイグリードが言ってくれればさぞ心強い、カードバトルが終わったらきれいさっぱり無くなる気がするけど・・・
「ぐぬっ!」
と、いきなり向こうの将軍の顔が苦痛にゆがんだ、
私は思い切り余裕を持って声を掛けてやる
「どうしたの?どっか痛いの?」
向こうの将軍は慌てて右手で首後ろを抑え・・・そこから光の蜂を持ってきた・・・・
そして、その目は驚愕に見開かれていた、
光の蜂はそんな見つめられた中で崩壊し、消滅する・・・
「これは・・・さっきの騒ぎの間に・・・」
ま~あんだけわ~ぎゃ~やってたら気付かんわな・・・
「シャインディシングエレメント!!の効果により分身を3番に召喚していたのよ・・・!」
「ぐ・・・」
将軍の左口端が一瞬歪み、下より目線がこちらに向けられる
「先ほどのカードか・・・」
「安心なさい、毒は入っていない・・・と思うわよ、ね、ウィルピー」
「ええ、まぁ、先程のものには・・・」
少しあきれたようなウィルピーの言葉、
・・・っていうか、それって入ってることもあるっつーことかい、つくづくえげつないなあの鳥・・・
と、向こうの将軍がさっきまで蜂の持っていた手を悔しそうに握り直す
「・・・とにもかくにも、これで1ダメージずつ、というわけか・・・」
「そういうことね」
互いにライフカードを1枚取って引き、左手の手札にし、相対する、向こうはより厳しさを増して、対して私は真正面より
「だが、まだまだここからだ」
「その通り、一気に逆転してあげるわ!!」
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