ハーフビースト:ハーフヒューマン:ヒーローズ 13
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13
「盗難確保!!」
「グべぶっ!!」
俺は真昼間のスラム街で本を万引きした太っちょの半ビーバーに対して右拳を叩きつけていた・・・
あの事件の後、火薬と鉄器は警察が来て手早く回収していった、
まるで一秒でもここにはいたくないとでもいう様に・・・
ま、当然か・・・
(半蛙は吹っ飛ばされた時に気絶してた、ついでに他の容疑者もそれ用の部屋に放り込んである)
「オラ!盗んだもん返せ!!」
「ひー!!」
半ビーバーが両手に持つ盗んだ本を放り出し、走って逃げる・・・
その後ろ首根っこを右手で捕まえ
「反省室行きだ、こっち来い!!」
引っ張り出す、
でもな~いくら何でもこれ繰り返しててもあまり反省しないだろ、部屋を改装しただけじゃ色々限度があるしなぁ、せめてちゃんとした留置所があればな・・・
「ほら行くぞ、アルマン、スキンケ」
そんなこんなで見回りを終わらせ半ビーバーを部屋に放り込み翌日の酒場
「そうそう、ケルロス、新しい本拠地の候補見つけて来たよ」
「マジかよ!?」
椅子に座り机の上の台付きグラスオレンジジュースをストローでゆっくりかき回すリネールの声に仕事中にもかかわらず思わず驚き問い返す、リネールはほっとしたかのような安らぎの微笑みを俺に浮かべ
「ええ、見回りの時に紹介する」
そして、仕事が終わった後、俺とマスター、それにアルマンとスキンケはリネールに連れられ、
どこかで見た壁沿いの道を行き
「ここです!」
この間犯罪組織から解放した倉庫の前にまで来ていた、
言葉と共に楽し気な笑顔で大きく両手を上げここが目的地であることをアピールするリネール
俺達は思わず倉庫を見上げ
「ま・・・まさか・・・」
「そうです!この間接収した謎の組織のアジトです!!」
俺は思わず慟哭していた・・・
「なんでこんなところ・・・」
何かを思い出すようにリネールの両目が一瞬上に泳ぎ
「ええっと、警察の方によると、所有者無し、かといって犯罪者が使っていたの放っておくわけにもいかない、幸いにして本拠地を欲しがってる存在がいたから、らしいです」リネールの笑顔がこちらに向けられる
いいのかよ・・・
「まだ中はからっぽですので、順次作業テーブルとか、壁とか、牢とか入れていきたいと思います」
しゃーねーな・・・
「わかった、手伝いが欲しいなら言ってくれ」
「それから、今までの活動のおかげでですね・・・」
「まて、そこから先は俺が言う」
マスター?
後ろから言葉を止めるマスターの声、
マスターはわざわざ俺達の前に着て見渡すように俺達を見て目と口に力を入れた真面目な表情のまま口を開く
「喜べ、この度、警察より治安維持協力費として金が援助されることになった」
「本当か?!」
これで晴れて俺も自警団で喰えるように・・・
って、ウェイターはどうしようか?ま、公務員てわけじゃないし副職行けるか・・・?
「当面、施設を早急に整えなければならないため給金は少なめだが、施設が整った暁にはその分給与も上げる、みんな、これからも頑張ろう」
おー!
皆が右拳を振り上げ気合の勝鬨を上げた!
「なお、この自警団と設備の責任者は暫定として、ケルロスとなる、陳情などは全てそちらに入れるように」
「え!?」
お・・・俺ぇ!?
「マスターはやらないんですか?」
後ろ左のアルマンが質問するとマスターは律儀にそちらに顔を向け
「私はあくまで酒場のマスターだ、外部から補助もするが、これも給金は無しだ、お前がするほうがいいか?」
「いえ、やめておきます」
となると・・・だ、
俺は改めてマスターをまっすぐ見る
「俺に・・・出来ますかね!?」
マスターも俺をまっすぐ見据え
「出来るかできないかではない、やるかやらないかだ、誰かに押し付けることもできる、ま、やるとしても問題は無い、私達がサポートしてやる」
「僕も!」
「俺もです」
「私も!」
マスター、アルマン、スキンケ、リネール・・・
思わずみんなを見回し、再度、決意を込めマスターに向かい合う!
「わかりました、やってみます!」
「おーし、その意気だ!!」
「それじゃ、マスター、リネール、」言いながら順番に二人を見た後、二人を一辺に見据え「中の掃除と設備の装丁計画をお願いします!その間は俺達見回りしてくるんで!!装丁計画が組み上がったら、一旦俺達に話し通してください!!」
「わかった」
「行ってらっしゃいです!」
お~っし!
「それじゃ、」
俺は後ろのアルマンとスキンケの方に振り返り右拳を振り上げる!
「行くぞやろーども!!」
「おー!」
「おー!」
右拳を上げ返した二人と共に俺達は見回りに歩き出す!!
ドン!!
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