バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

到着!魔道都市マジカラ!! ダブモン!!5話/21

 
到着!魔道都市マジカラ!! ダブモン!!5話/21
 

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街中-7
 
 「で、どこの宿屋にしようか・・・?」
 夕闇に立ち並ぶ宿を見て、俺達は思案する、
 はっきり言ってここに来るまでは村に一軒だとか宿が無いとか諸事情で教会でとかばっかりだったので、
 宿が複数ある街というとこ自体初めてなのである、いや、クロスロードシティにはあったかもしれんが、ゴリアゲルとの一悶着で結局教会に寝泊まりしてたしなぁ・・・
 「そうだな、邪気が少ないところがいいな・・・」
 「そうですねぇ・・・そこが一番いいですねぇ・・・」
 カンテーラとウィルピーの言葉に違和感を覚え、思わずそちらの方を見る、
 「お前ら邪気なんてわかんのかよ・・・」
 「そうだよな・・・」
 「どういうものなんだろう・・・」
 「本当にわかんの・・・?」
 「要は人の発してる気がこう・・・」カンテーラが何かを考えるように右手を動かす「悪いこと考えてるなーって感じに見えんだよ、ほら、そういう表情ってあるだろ、ああいうやつ」
 「ただ、そういうの隠せる人間は隠せちゃいますけどねぇ、一見すると表情には出ないってこともありますし・・・」
 そういうもんかね・・・
 「そうだな・・・たとえばここなんてどうだ?」
 そう言ってカンテーラが進んで止まり、左の方を向く、窓に田の字の木枠が、カンテーラの前にちゃんとした木の扉が備え付けられているものの、
 少々木の材質が古めかしいようである、そして、確かにドアの右上に突き刺さった鉄棒には、両端上を鎖で繋げられた、白線で四足ベットの絵が描かれた直線短いUの字型の緑の看板が付いていた
 どうやら、ちゃんとした宿屋のようである
 「失礼しまーす」
 「失礼しますです」
 そう言って、ぎぃとやはり古い木の音を立ててカンテーラとウィルピーが扉を開けて入るのを機に、俺達も追いかけ中に入って行く・・・
 足元が乾いた細粒々状の砂の感触から木の少し硬質な感触に変わる、
 白い塊の住居の中で、木の床と白い壁で構成されていて、少々古めかしい感じがするが、格調ある、ではなく、少し安っぽい古さ、という感じだ、
 左手前には上に廊下のある壁に埋まるような形でカウンターがあり、カウンターの奥には田の字をいくつもつなげたような棚があって、
 さらに左手の方にはカウンターの上の壁と同じ感じの手すりのある廊下に行くのであろう、階段が存在する、右手側は奥に行く廊下だ、
 この世界ではポピュラーな構造なのか?前も似たような宿屋見た気がするが・・・
 そして、カウンターの奥にいるのはやせぎすの日焼けした爺さんだ、黒白混じった灰色の髭と髪に、すこしきつそうな目をしており、前開きの白シャツを着て頭に桃色の布を巻いている、
 「とりあえず、話しかけてみよっか?」「そうだな・・・」「そうだねー」
 「安くないと泊まりたくないわよ、私は、旅費だって限られてるんだから・・・」
 色々言いつつも、俺はカウンターの前まで行き、爺さんに話しかける
 「部屋空いてる?泊まりたいんだけど・・・」
 爺さんの目が不審げに俺達を見降ろす
 「空いてはいるが・・・坊ちゃん保護者は?」
 「ダブモンじゃだめか?」
 「どうも」
 「どうもです」
 カンテーラとウィルピーが浮き上がり、頭を下げ挨拶する
 と、その爺さんが二体をじっと凝視する
 「・・・ふむ・・・人語を喋れるってことは、それなりに知能が高いのかね?」
 「見た通り、感じた通り」
 「ですね・・・」
 「ならいい、気の短いダブモンに問題起こされちゃ敵わんからな、十分注意してくれ、ま、人間も気が短いのはお断りだがな、そこのガキどもはとりあえず大丈夫そうだ、さ、とりあえず、値段はあのぐらいだ、」
 爺さんが親指で後ろにある、左右が炎のような紋章のような形をした黒板を差す、白い線で値段が書かれていた、ふむ・・・
 「この辺りじゃ安いのか?」
 「おいおい、坊ちゃん、この宿はな、ちょっと安めでたっぷりのサービス、ってのが売りなんだよ」
 「いや、その言葉も信用していいもんやら・・・」
 「いやいや、そもそも、もう日も暮れるだろう、夜道は危ないぜ?ここにしとけよ!」
 「どうする?」
 店主との問答の果て、後ろの方を向くと、三人が俺の方を見て
 「邪気は無いってことは、犯罪に巻き込まれる可能性は低いって事だろ?」
 「前の宿よりかは安いんじゃない?」
 「外、もう暗くなってるわ、探すのきついんじゃないかしら、一日ぐらいならちょっと高めでもよかない?」
 「なら決まりだな?部屋数は二つ、あの値段ならそれぐらいとれるだろ、でいいな?」
 「ああ」
 「いいよ」
 「元より私は異論無し」
 「なら、決まりだ」
 爺さんの方に振り返り、鞄の中から財布を出して、二部屋分の金を出してカウンターに置く
 「二部屋頼む、隣同士な、入り口からは近いほうがいいや、景色もとりあえず見たいけど、そういうとこあるかな?」
 「205と206かね、上に上がって直ぐだが、裏通りが見れる、明かりがついてるだけの質素なものだが、表のただ派手な宿屋通りよりはいいだろう、もっとも、そちら側はすでに一杯だが」
 「じゃ、そこでいいや、食事は?ある?」
 「ある、うちはサービス良いからな、出来たら呼ぶよ、奥にある食堂まで行ってくれ」今度は左手の親指を上の方から後ろに差す
 食堂の方向まで前の宿屋と一緒かよ・・・
 と、爺さんが後ろに振り帰ってすぐに戻り、
 「じゃ、これ鍵だ」
 後ろの棚より出された、上に部屋番号が刻印された金属製の鍵を出す、それを受け取り、
 「ほら」
 振り返って一つを四葉に差し出す
 「ありがと、あとで宿代払うわね」
 「なるべく早くな」
 そういうやりとりをかわしつつ、鍵を受け渡し、階段の方に向かう、
 と、階段を上がる前、向こうの廊下の奥の方からひそひそとこちらを見て何かを話す、人間とダブモンの女性か?の二人組が見えた
 人間の方は先が柔らかめの箒を両手に持っていて黒肌に目以外の顔を覆う黒いベールをかけ、下に長ズボンをはいた黒一色のロングスカートと長袖ながら白いフリル付きエプロンを着用している、
 ダブモンの方も似たような服装なのだが、黄色がかった爬虫類の顔であり、腹側は白い鱗で構成され、赤い目と二本の角を持ち、袖はなく、代わりに足の下から伸びた長い尾で箒を持っている、
 「ああいうのがいいんだよ」
 ん?カンテーラ?
 「人間とダブモン、両者が一緒になって働いて行ける環境がな、ダブモンは圧力や低賃金に敏感だから、そういう悪い場所からはすぐに逃げ出しちまう、人間と一緒になってひそひそ話できるだなんて環境は、ある意味ではダブモンにとって安心できる環境なんだ」
 「へぇ~」
 と、カンテーラが俺の耳元まで飛びこっそりと
 「ちなみに、あのダブモン、スッナアラっていう毒持ちだから、野生で出会った時は十分注意しておけよ」
 「う・・・わ・・・わかった・・・」
 女神がいなけりゃ死にかけたあの時の事を思いだし、思わずうめいた俺なのであった・・・毒持ちは・・・苦手だ・・・
 
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到着!魔道都市マジカラ!! ダブモン!!5話/20 妖魔版

 
到着!魔道都市マジカラ!! ダブモン!!5話/20 妖魔版 
 

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 宮殿-7
 
 気が付くと、俺はカンテーラを、四葉はウィルピーを背負い、夜の廊下を駆けていた、
 「いやー楽だわー・・・」
 「すみませんね、私まで」
 「いいのよ、疲れたでしょ」
 「とにかく、気配の隠蔽と察知だけはやっててくれよ・・・」
 「ねぇ、足元に砂の足跡みたいなのが出来てないか?」
 「もしかして、踏んじゃいけない物かな・・・?」
 兎白と鼓動の言葉に、初めて、暗闇の中に砂で出来た足跡が出来ているのに気づく、
 大きな小判型の足跡で、おおよそ、人間の物ではない大き目ぐらいの大きさと形状だ
 「これは・・・」カンテーラが俺の肩より見下ろす「・・・ラクダーナの物だ・・・」
 「ラクダーナ?」「なんだその、楽そうな名前は・・・」「背中とかに乗れそう・・」
 「大体、どういうダブモンなのか想像つくんだけど・・・」
 「お察しの通り、ラクダーナは背中に他者を乗せて砂漠を行くダブモンだよ、だが、少々砂を操れるんだ、毛皮の砂を紛れ込ませ、歩く場所が砂漠で無い場合毛皮から足裏から砂をふきだして歩きやすくするのさ、だが、それだけじゃない・・・」
 「それだけじゃねぇって・・・」
 「実はですね、あ、そこの曲がり角の右手先・・・」
 ウィルピーに言われ、思わず立ち止まりながら角から先を見る俺達、
 そこを兵士とともに向こうに歩いていっていたのは、毛深いラクダであった、
 こぶが背中から張り出した四足歩行、足と顔が毛が無く、少し長めの首と尾と足に眠そうな目に丸く出っ張った鼻口、広い足裏を持つ、
 もっとも大きな違いは帽子だろう、周りが立った砂の帽子をかぶっており、毛皮には細かい砂が付いているように見える、たしかに、砂を紛れ込ませてるんだな・・・
 「あれがラクダーナ・・・?」
 「そうだ、足跡に砂を残してるだろ?」
 「確かに・・・」
 歩く足からは確かに砂を残してる・・・ん?なんか細い糸みたいなものが足跡と足跡をつないで・・・
 「気付いたか?あいつら、足跡を砂の糸でつなぐことで、自身の縄張りを作ってるのさ、そして、砂の足跡を踏んだりした日にゃ」
 「あいつらが気付く、ってわけか・・・」「でもさ、走る時の風圧とかは・・・?」「そうだよね、すぐに風で飛ばされそうな気も・・・」
 「それぐらいは大丈夫さ、風で砂が飛ばされることもあるしな、多少は向こうは気にしないだろう、本来は砂漠で使う能力で、周辺の砂からの振動やらの情報を感知するものの応用なのさ」
 「砂漠とこことじゃだいぶ違う気が・・・」
 「砂という存在に媒体にした気術的な側面があるから、神経をとがらせていれば気付く、というわけさ」
 「わかったようなわからんような・・・」
 「ともかく、それぐらいなら、今までに比べて楽勝よ!!」
 四葉の言う通り、今までのダブモン達に比べればだいぶ楽だ、ラクダだけに・・・
 「だが、妙だな・・・力が集まってる場所がある・・・」
 背中のカンテーラの言葉に不安感を覚える
 「力って・・・ラクダーナの?」
 「そうだ、」
 「ラクダーナ自身から発せられてるとかじゃなく?」
 「そうだ」
 ・・・何か仕掛けがある、というわけか・・・というか、多分・・・
 「どのあたりだ?」
 「あっち」
 カンテーラが差したのは、ラクダーナ達の行く先の方、俺達はラクダーナに気付かれないように待機し・・・
 お、左手の方に曲がった!
 そのまま曲がり角まで行くと、さらにラクダーナ達がそこで右手に曲がったのが見える、ぐるりと回る形になるのか・・・あの辺りは部屋が壁のようになっていて見えてなかったはず・・・
 「ここの中央辺りだ・・・」
 カンテーラに言われるままに進むと・・・左手先の、本来十字路であろう場所の左の方の少し先、そこが砂の壁に覆われていた・・・
 「これは一体・・・」「どうなってるんだ・・・?」「進めないよね・・・これ」
 「こいつは・・・」
 「なるほど、ラクダーナの力で砂の壁を作ったってわけか、自分達が通る時はラクダーナ達に砂を回収してもらえばいいだけだからよく考えたな・・・」
 ふうむ・・・
 「今までの事からすると、多分、あの先に階段があるんじゃねーかな・・・カンテーラ、あの砂の形、わかるか?」
 「なるほど、砂で地面の形はわからなくても、この砂の塊に宿ってるラクダーナの力を読めば砂の形はわかるかもと・・・ビンゴだ」
 「段差の下ごと階段が埋まってるような形してますねぇ、これは・・・」
 「あ、それ、俺が言おうと思ってたのに・・・」
 「強行突破でどうにかなんないか?」
 「いや、強行突破もダメだ、あの壁、ラクダーナの力の糸が無数に張り巡らされてる、壊すのはもちろん、少し崩しただけでもすぐに駆け寄ってくるぞ」
 「そっか・・・」
 俺の意見をカンテーラが否定する
 「・・・もう一度言うけどさぁ・・・」
 四葉か・・・
 「どうぞ」
 「こんなの・・・見つからずにどうやって行けってのよ!!」
 四葉の言葉が・・・廊下には響き渡らなかったけどその意気は十分伝わって来た、気がした・・・
 
名・砂漠の乗駱駝屋 ラクダーナ ダブモンNo.78
概・M モンスター コスト3 パワー2000 哺乳・火属性
発・戦闘前・自任意・時限無し・条文の頭に指定:
条・主対象:一・自分のモンスター1体
      二・自分の戦闘を行うカードが無いかつ、
        次に戦闘を行う場所で無い場所一つ
   主対象単体であるため全対象とする
効・第一効果:一を二に移動させる
文・様々なものを運ぶヒトコブラクダ型ダブモン、
  砂を操る力を持ち、それで様々な現象を起こし身を守る、
  毛皮の中にも砂を潜ませていてその為に砂がこぼれることも
 
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到着!魔道都市マジカラ!! ダブモン!!5話/20

 
到着!魔道都市マジカラ!! ダブモン!!5話/20 
 

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 宮殿-7
 
 気が付くと、俺はカンテーラを、四葉はウィルピーを背負い、夜の廊下を駆けていた、
 「いやー楽だわー・・・」
 「すみませんね、私まで」
 「いいのよ、疲れたでしょ」
 「とにかく、気配の隠蔽と察知だけはやっててくれよ・・・」
 「ねぇ、足元に砂の足跡みたいなのが出来てないか?」
 「もしかして、踏んじゃいけない物かな・・・?」
 兎白と鼓動の言葉に、初めて、暗闇の中に砂で出来た足跡が出来ているのに気づく、
 大きな小判型の足跡で、おおよそ、人間の物ではない大き目ぐらいの大きさと形状だ
 「これは・・・」カンテーラが俺の肩より見下ろす「・・・ラクダーナの物だ・・・」
 「ラクダーナ?」「なんだその、楽そうな名前は・・・」「背中とかに乗れそう・・」
 「大体、どういうダブモンなのか想像つくんだけど・・・」
 「お察しの通り、ラクダーナは背中に他者を乗せて砂漠を行くダブモンだよ、だが、少々砂を操れるんだ、毛皮の砂を紛れ込ませ、歩く場所が砂漠で無い場合毛皮から足裏から砂をふきだして歩きやすくするのさ、だが、それだけじゃない・・・」
 「それだけじゃねぇって・・・」
 「実はですね、あ、そこの曲がり角の右手先・・・」
 ウィルピーに言われ、思わず立ち止まりながら角から先を見る俺達、
 そこを兵士とともに向こうに歩いていっていたのは、毛深いラクダであった、
 こぶが背中から張り出した四足歩行、足と顔が毛が無く、少し長めの首と尾と足に眠そうな目に丸く出っ張った鼻口、広い足裏を持つ、
 もっとも大きな違いは帽子だろう、周りが立った砂の帽子をかぶっており、毛皮には細かい砂が付いているように見える、たしかに、砂を紛れ込ませてるんだな・・・
 「あれがラクダーナ・・・?」
 「そうだ、足跡に砂を残してるだろ?」
 「確かに・・・」
 歩く足からは確かに砂を残してる・・・ん?なんか細い糸みたいなものが足跡と足跡をつないで・・・
 「気付いたか?あいつら、足跡を砂の糸でつなぐことで、自身の縄張りを作ってるのさ、そして、砂の足跡を踏んだりした日にゃ」
 「あいつらが気付く、ってわけか・・・」「でもさ、走る時の風圧とかは・・・?」「そうだよね、すぐに風で飛ばされそうな気も・・・」
 「それぐらいは大丈夫さ、風で砂が飛ばされることもあるしな、多少は向こうは気にしないだろう、本来は砂漠で使う能力で、周辺の砂からの振動やらの情報を感知するものの応用なのさ」
 「砂漠とこことじゃだいぶ違う気が・・・」
 「砂という存在に媒体にした気術的な側面があるから、神経をとがらせていれば気付く、というわけさ」
 「わかったようなわからんような・・・」
 「ともかく、それぐらいなら、今までに比べて楽勝よ!!」
 四葉の言う通り、今までのダブモン達に比べればだいぶ楽だ、ラクダだけに・・・
 「だが、妙だな・・・力が集まってる場所がある・・・」
 背中のカンテーラの言葉に不安感を覚える
 「力って・・・ラクダーナの?」
 「そうだ、」
 「ラクダーナ自身から発せられてるとかじゃなく?」
 「そうだ」
 ・・・何か仕掛けがある、というわけか・・・というか、多分・・・
 「どのあたりだ?」
 「あっち」
 カンテーラが差したのは、ラクダーナ達の行く先の方、俺達はラクダーナに気付かれないように待機し・・・
 お、左手の方に曲がった!
 そのまま曲がり角まで行くと、さらにラクダーナ達がそこで右手に曲がったのが見える、ぐるりと回る形になるのか・・・あの辺りは部屋が壁のようになっていて見えてなかったはず・・・
 「ここの中央辺りだ・・・」
 カンテーラに言われるままに進むと・・・左手先の、本来十字路であろう場所の左の方の少し先、そこが砂の壁に覆われていた・・・
 「これは一体・・・」「どうなってるんだ・・・?」「進めないよね・・・これ」
 「こいつは・・・」
 「なるほど、ラクダーナの力で砂の壁を作ったってわけか、自分達が通る時はラクダーナ達に砂を回収してもらえばいいだけだからよく考えたな・・・」
 ふうむ・・・
 「今までの事からすると、多分、あの先に階段があるんじゃねーかな・・・カンテーラ、あの砂の形、わかるか?」
 「なるほど、砂で地面の形はわからなくても、この砂の塊に宿ってるラクダーナの力を読めば砂の形はわかるかもと・・・ビンゴだ」
 「段差の下ごと階段が埋まってるような形してますねぇ、これは・・・」
 「あ、それ、俺が言おうと思ってたのに・・・」
 「強行突破でどうにかなんないか?」
 「いや、強行突破もダメだ、あの壁、ラクダーナの力の糸が無数に張り巡らされてる、壊すのはもちろん、少し崩しただけでもすぐに駆け寄ってくるぞ」
 「そっか・・・」
 俺の意見をカンテーラが否定する
 「・・・もう一度言うけどさぁ・・・」
 四葉か・・・
 「どうぞ」
 「こんなの・・・見つからずにどうやって行けってのよ!!」
 四葉の言葉が・・・廊下には響き渡らなかったけどその意気は十分伝わって来た、気がした・・・
 
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