月夜と私の過去と光の城 ダブモン!!4話20
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というわけで、城内の探索である、一応、おばさんに荷物を回収して見回るが・・・
城の裏手ではきっちり亀の兵隊が小さい裏口の前に立っていて行けそうになく、
一階右側にある本棚が壁まで埋め尽くす図書館にも脱出口みたいなものは無し、
お風呂の位置も確認したが、今は入ってる場合じゃない、
が、気付いたことが一つ、探索しているうちに、老若男女、何人もの人間にすれ違ったこと、
そして、それらが不安そうな表情をしているものが大半な事、
はっきり言おう、ここの待遇は並みの宿より良い、となると不安な表情の理由は?
城の構造を聞くことを装い、それとなく訊いてみると、
一様にここから出られないからだと答えられた、
病気だの疲労だのと理由を付けられてはいるが、半分閉じ込められている様な物だ、
ということは、私達もここから出られない可能性が高い、やはり、おばさんを脱出させ、
ここからの脱出路を確保せねばならないだろう、その為にも・・・
「そろそろ、日が変わる直前ぐらいじゃないですかね?私の感覚だと」
「なら、入口の方に戻らないとね・・・」
全部は回りきれなかったが、大丈夫だろうか?
ここの城主は現れるだろうか?脱出劇はこの人だけで済むのだろうか?
様々な状況になる可能性を秘め、私達は入り口の大広間、
その階段を下り、入口へと向かう、
・・・誰も、いない・・・?
このまま入口まで行ければおばさんを外に逃がせるか・・・?
そう思い前進していくと、階段の方、後方上から布に包まれた誰かが飛んで、門の前にふわりと降りてきた、
やっぱり、誰かが来たか・・・
「あなたがここの城主?」
紫と灰色の中間の色のようなフード付き前開きな大きなローブ、そのふちには前から袖先から金の帯のような刺繍が施された豪華なもの、
が、その中は人・・・のように造形された黒い何かに見える・・・
「返事は無し?ウィルピー?」
「何もしゃべってませんよあの・・・え~なんでしょ?」
どうやらダブモンですらないらしい、
と、おもむろに向こうが何かを右手で突きつけてくる、
緑の立方体中央に紋章が付いてるような物、紋章は、木製の盾に木のつるが巻き付き、星がちりばめられているようなものに見えるが・・・?
あれってデッキケースか?私達以外にも持ってる奴がいたのか・・・?
「あれは・・・デトウッズの紋章じゃないかい?」
「デトウッズ・・・?」
それって、この辺りに王城があったっていう・・・なるほど、王様気取りってわけ・・・
「ウィルピー?」
「行けますよ」
言って、ウィルピーが前に出る、
おっし・・・!
「その勝負!」思い切り右人差し指を突きつけ「受けてあげるわ、ただし、私が勝ったらこのおばさんを外に出してもらうわよ」
向こうの口元がにたりと笑った気がした、気味が悪いな・・・
スカートのポケットからデッキケースを華麗に取り出し、突きつける、黄色い長方体に、中央に黄色い宝玉が付いているデッキケースだ、
すると、互いに緑の板が右斜め端に小さい画面を伴い出現、
デッキケースを置いて左の方に寄って行き、ひとりでにデッキが出てきてシャッフルされ山札となりながらデッキケースが上下反転し、その外側に置かれ、山札がデッキケースがあった場所に設置され、その山札から手札とライフカードを五枚ずつ整え、
私の衣装が、下の方から、タイツが左右半々に白赤の縞々と背景に青の白い星をいくつも記したものと、白青赤の配されたものに替わり、
スカートも赤白青の三色が全体的に横に並ぶ物となり、
左目元に白い星がいくつか付き、その上に小さなシルクハットが傾いて出現する
「さ、やりましょうか、あなた、パートナーは?あなたと同じく、後から来るのかしら?いなくても、こっちは手加減しないわよ、さ、カードバトル・・・スタート!!」
「スタートですっ!!」
私達の声をどこからか聞きつけたのか観客が徐々に集まる中、
この城からの脱出をかけた、私達のカードバトルが・・・始まる!!
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