月夜と私の過去と光の城 ダブモン!!4話13
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「リチャージ!」
亀がそそくさと退場する中、状況は互いに戦闘を行えるものが無く、
モンスターゾーンはまさにまっさらな状態・・・
こう来るとは予想外だったが・・・ええい、次に引くカードに賭ける!
「ドロー!」
ほほう、このカードがここで来るか・・・これは・・・ここで行ってみる!!
こいつを1番に・・・
「セット・・・オープン!!」
「ダブモンNo.120、香獣のハーブ散布官、コヨヨン!!」
上から降ってきた、頭にホワイトヴェール被った人型の雌獣が尻餅をつきながらも、元気よく私に右手を上げて振って立ち上がる、
身体にまとうは白いヴェールに軽い白いドレスのような衣装、赤に近い赤紫の毛皮に覆われた体は私の半分ほどで幼いと言ってよく、
それにしては衣服の下に腰のくびれた豊満な肉体が垣間見え、左手の持ち手付き編み籠には紫の花付けた香草が入れられ、
身体的特徴は、基本が人ながら犬の意図残す顔つきに手首先と足首先、それに、頭にヴェールの下に三角耳が見える
「ダブモンNo.72、光放の盆庭育師、エンジュゲン!!」
フードの奴の前にいきなり上から大きな種が降ってきたと思ったら、種が割れてそこから大樹へと変わって行き、
どこからか飛んできた、竹槍三つ二セットが両サイドから突き刺さり、開いてそこから笹茎葉が生え両腕と化した!
さらに上から幾多の色とりどりの光る球が降ってきてその体を色取り、幹に白い綿が眉と髭に分厚く付いた人のような大きな顔が浮かび上がる!!
「私は、コヨヨンのコストにウィルピーキラメント、シャインエレメンタルパワー、シャインシールド・アルファを指定!」
向こうが表にしてきたのは、無機質パワーエレメンツ、メイドセイケツエレメンツ!!、デフォリティアエレメンツ、
ウィルピーキラメントの効果はデフォリティアエレメンツに相殺されて使えない・・・か・・・
でも、1番戦闘、負けはしないわ・・・!
コヨヨンがホップステップでエンジュゲンに向かって行く、
対し、エンジュゲンが両腕竹を前上に向けて空中に射出し、コヨヨンに槍側を向け撃ちこむ、
コヨヨンは楽しそうに一発目を右にピョンと軽やかに跳んでかわし、二発目を左にピョンと跳んで避け切り、
その後も左右交互に時に回ったりしながら微かに避け跳び通り、六発すべてかわし切った、
さすがに、コスト3だけはある・・・
しかし、その後もエンジュゲンは微かに付いたつたのようなもので竹槍を操り引っこ抜いてコヨヨンの左右から三本ずつ交互に隙間なく同時に竹槍を投げるが、
コヨヨンは回りながら高く跳んでかわし切る、
エンジュゲンが両腕を戻し、それで頭の光の飾りを持ってコヨヨンに投げつけ、地上に落とし、爆破していくも、
その爆発に吹き飛ばされてもなんら動揺することなく回転しながらスタリと華麗に地上に着地、
再度の爆発で壁の方に吹き飛ばされても壁に両足を着いて上に跳び、放物線を描いて地上に着地する始末、
さらに、満点の笑顔で二本指でVサインなど得意げに掲げ、
動揺し、エンジュゲンの動きが止まり、
そこにホップステップと近づいていって大跳躍から渾身の右足蹴りを叩き込む!!
・・・が、すぐに弾かれてしまった・・・コヨヨンは足を上に上げて回転しながらも着地、対するエンジュゲンは何ら変わりなし、どうやら、エンジュゲンにダメージは与えられていないようである・・・
やっぱり、パワー足りてないな、もう・・・
「私は、シャインプラウオンエレメント!!の効果を発動!コヨヨンのパワーを600上げる!!さぁ、行って!!」
コヨヨンの右の手のひらに光球が出現し、それをコヨヨンが上に投げ上げると、
光球が上にとどまり、一気にエンジュゲンに光を放出、エンジュゲンを一瞬のうちに炎上、炭化させていき、
コヨヨンの再度の大跳躍からの蹴りにより、向こうに倒れ伏すこととなったのだった・・・
お~っし、行くわよ・・・
「ここで私は香獣のハーブ散布官、コヨヨンの効果を発動、次の戦闘終了時まで、そちらのコスト強度4以下のモンスター、オーバーのパワーを0にし、効果を封印する!!」
コヨヨンが着地しつついきなり左手の籠に右手を突っ込んでハーブを取りそこいらじゅうに雨あられとばら撒いていく・・・辺りにハーブの心地良い香りが充満していく・・・
これよ!この効果を使いたかったの、相手を一気に無力化するこの効果を!!
この効果は敗北したって使えるから、
別に戦闘に勝つ必要はなかったんだけど・・・
と、向こうもカードを見せてくる・・・植物の実弾きエレメント!!・・・?
戦闘後効果・・・ターン終了時まで生き延びさせ、残りのタイミングで戦闘前後を発生させ、効果を二回発動させられるようにする・・・ですって!?
次の瞬間、先ほど爆発していたところから、光の小さなエンジュゲンが生えてきて、
私の方に襲い掛かってくる!
迫りくる竹の両腕!!
「大丈夫ですかっ!?」
そこにウィルピーが駆けつけ、私の代わりに正面から竹の叩き付けを受ける!
「このっ!」
それをお返しとばかりに右手の方外側からハンマーとペンチを大きく振るい、光のエンジュゲンに貫通させ、消し飛ばす!
そして、ほんの少し、こちらに向く、
「大丈夫でしたか?」
「あんたは?」
「これくらい・・・」
「・・・なら、その言葉信用するわ、さ、行きましょう」
「ははは・・・」ウィルピーの乾いた笑い「手厳しい」
「痛いなら素直に言いなさい」
「いえ・・・行きましょう!!」
ウィルピーが離れ、
私とウィルピーは再び奴と対峙する、
だが、奴はフードの下で、にたりと不敵に笑った気がした・・・
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