バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

煉瓦の聖都 ダブモン!!14話/11

煉瓦の聖都 ダブモン!!14話11
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
f:id:OirenW:20210130024051p:plain
 
 「何があったのですか!?」
 僧侶たちが駆けこんでくる、
 その先頭、白地に女神の銀刺繍の帽子をかぶった白い二段ローブの大仰しく、端を切りそろえた髭を生やし厳格そうなおじさんがレファンの前に立ち、真正な目で見る
 「隠し通路が開いていましたぞ!」そして、すぐさま祭壇の方に目を向け「おお!裁定の剣は無事なようですな!」
 「ええ、そうですね・・・」
 レファン?
 レファンがうつむいたままレファンが赤い髪を握り、外す、
 そこにあったのは青に近い黒の髪で、俺達はその姿を一度だけ見たことがあった、
 レファンと出会ったときに立体映像で見ていた・・・
 「教・・・皇・・・?」
 レファンが目に少し力を込めた決意の目で俺達の方を向き見る
 「そう、私は教皇、本名をフレェトといいます・・・」
 「フレェト・・・」「フレェト」「フレェト?」
 「フレェト・・・」
 さらにおっさんの方に頭を下げ
 「すみません、ガハネ卿、変装していた魔族を都に引き入れ、あまつさえこの部屋に入られてしまいました」
 おっさんがフレェトを見つつも言葉を聞き驚きに目を見張る
 「魔族ですと!?教会から去っていったのはやはり、これは失態ですぞ!!」
 「ええ、その通りです、ですが、魔族は明朝に来ると宣告していました、今すぐに警備態勢を整えなくては・・・」
 「警備体制の是非はともかくとして、この部屋を知られたのは万死に値する失態!進退をどうお考えか!!」
 フレェトが顔を上げ、声を荒げる!!
 「進退を気にするのであれば、私をとっととクビにしてから警備体制を構築すればよろしい!一刻も早く警備を強化することこそ、今の急務だろう!!」
 その勢いに、さすがのおっさんも言葉を詰まらせた
 「う・・・致し方ない・・・わかりました、進退は後で事情を聴いてから審議会を経て判断します故、今は警備の兵を集めましょう・・・」
 と、おっさんが修道僧たちと一緒に去っていった・・・
 「私達もここを出ましょう、ここを閉めなくてはなりません・・・」
 俺達を見ずにそう言って歩き出すのを、俺達はついていく・・・
 「なぁ、さっきのおっさん、」
 「ガハネ枢機卿ですか?」
 歩いているためか、こちらの方は見ないフレェト
 「そう、どういう立場なんだ?教皇が一番偉いんだろ?なんか偉そうだったよな・・・」
 「一応、私のすぐ下の部下ですけど、仮にも、私の先々代から教皇庁に関わっていますからね」
 「先々代って・・・」
 「私は単に先代が、父が教皇だったからそのまま座を引き継いだだけですからね、無理矢理我がまま言って外に出たりして、ずいぶんと迷惑をかけました」
 「そうなのか?」
 「そういうもんですよ」
 「でも進退って・・・」
 「ああ、私にも親戚というものは多くいますのでね」
 なるほど・・・
 いいつつ、俺達は外に出る、すると、左右に待機していた修道僧が椅子を左右の壁より外し、階段が床で隠されていく・・・
 「そういや、ロザリオはどうなったんだ?金のロザリオ、持ってたんだろ?」
 「ええ、これですね」
 兎白の質問に答えるかのように俺達の方に振り返り、木の羽ロザリオを差し出すフレェト、
 そこには確かに、内部に金色の羽ロザリオが内蔵されていた・・・
 フレェトが力の無い気まずそうな笑顔を見せる
 「こいつの開け方は教会上層部の秘密なので、お教えできないんですよ」
 へぇ・・・
 「でもさ、警備ってどうするの?」
 鼓動の言葉に、フレェトが俯き、そして、意を決したように俺達の方を見る
 「皆さんに・・・お願いがあります」
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――