バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

観客のリローデット ダブモン!!13話/09

観客のリローデット ダブモン!!13話09
 
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 歩いているうちに街の雰囲気が変わっていくのを感じる、
 画材を扱う店が減り、次第に家の中に本が積まれていく家が増えていく、
 家の中に本棚が立ち並び、そうでない家には窓の端のたくさんの紙が置かれ、扱う商品も万年筆にインクなど、芸術ではなく文字を書くものに特化したものへと変わっていく・・・
 二階の窓の向こうでは窓に背を向け横を向け正面を向け、机に向かって何かを書いている人が増えてきた・・・
 そんな折、文房具屋から出てきた鼓動とイグリードと会う
 「全く、いくら何でも燃やしはしないっての」
 イグリードは呆れたように顔を上げ、目を閉じ両腕を組んでいる、
 対し、鼓動はそれに対し、苦笑気味に
 「そういう属性なんだから警戒されてもしょうがないってば、あれ?」
 気付かれた
 「ああ、お前たちか・・・なんだ?あの二人についていったと思ったが?」
 イグリードのこちらを見ての声・・・
 ちょうどいい、この二人からもちゃんと訊いときましょう
 私は声を掛けてきたイグリードではなく、しっかりと鼓動の方を目線で捕らえ
 「ねぇ、あなた、ハンドルネーム使って動画投稿してるわよね?」
 「そうだけど・・・何?一体・・・?誰から聞いたの?」
 戸惑いながら返して来る鼓動、ま、こっちに来て元の世界のことを問われたのだから当然か・・・
 反応を無視しつつ質問を続ける
 「そのハンドルネームって・・・」
 「ええと、地獄の覇者だけど・・・」
 やっぱり・・・
 「おいおい、なんだその地獄の覇者ってのは・・・」
 今度はこちらが苦笑交じりのイグリード、慌てて鼓動はイグリードの方を見る
 「ネット上で名乗る、ペンネーム見たいなもんだよ」
 「おいおい、もうちょっとマシなもんに変えろよ」
 「もうずっとこれでやってるから今更変える気ないよ」
 「で、良星がバハ魔ン枢機卿っていうんだよね?」
 唐突な私の割り込みにも律儀に鼓動はこちらを見て
 「そうだけど?」
 答えてきた
 ううむ・・・
 「僕が地獄の覇者で、兎白が巻き巻き屋、良星がバハ魔ン枢機卿
 やはり、そうか・・・
 「それで話は終わり?早くメモの紙を探したいんだけど?二人も心もとないって言ってたし・・・」
 「メモ?」
 そういえば、時々何か書いてたわね、
 「そ、そこにいろいろ書き込んでるんだよ、こっちに来てから思いついたネタとか・・・」
 ・・・良星が何か書いてる時に話しかけたけど、
 あいつ、必死になって見せてくれなかったし、私も興味もなかったからそこで引き下がったけど・・・
 そっか、人に見られたいものじゃないもんね・・・
 「ありがと、じゃあね!」右手を挙げて振り返り去っていく私
 「あ、四葉さん!」
 に、ウィルピーが付いてくる・・・
 
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