バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

スマートフォンサイコパス/5

スマートフォンサイコパス 5
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第5話 買い物
 
 「あれ?よもぎちゃんじゃない!?」
 ん?なんでここに平雛ちゃんが?
 周りの台や壁際の光る台に所狭しと野菜が並べられた野菜売り場にて、
 青いミニスカートに白Yシャツと薄ベージュのベストを来た平雛ちゃんと会う、
 平雛ちゃんは目を縦に丸くして不思議そうな表情をしている、
 私はとっさに先ほどの言葉に返答していた
 「どうしたのこんなとこで?」
 「よもぎちゃんこそ!」
 「私は夕飯の食材を買いに来たんだけど・・・」
 「私はお母さんの買い物に付き合ってるだけだよ~おねぇちゃんと一緒に!」
 「おねぇちゃん?」
 「そうそう、久しぶりに家に帰ってきてさ、自分の家の食材もついでに買うって!、あ、おねぇちゃん!」
 平雛ちゃんが私の後ろ遠くに手を振ると、私が振り返る中で一人の籠を持った女性がこちらに切れ長の目を向け、近づいてきた、
 気の強そうな顔立ちに薄い赤のスーツを纏い茶のロングヘヤーだが、特徴的なのは左前髪に金のゆるふわロン毛のウィッグを一房、目に被らないように垂らしていることだ
 そして、その固いのか変なのかようわからん女性が私の前に立ち止まり、少し柔らかい表情で私を見る
 「始めまして、舞衣、平羽(まいひらはね)というんだ、君は?」
 「観加奈よもぎといいます、平雛ちゃんとは仲良くさせてもらってます」
 一瞬、平羽さんの目が鋭くなった、
 ・・・まさかな・・・
 「ああ!そうだ!よもぎちゃん、一人暮らし始めたんだよね?今日もそこから!?」
 「え?」
 平雛ちゃんの声に思わず振り返り、前にあった少し楽しそうな表情の少女に返事する
 「そうだよ」
 「じゃあじゃあ、今日、よもぎちゃん家で一緒に晩ご飯食べよう!」
 平雛ちゃんが流れるように視線を自身の姉の方に向け、私もそれにつられる
 「おねぇちゃんもいいでしょ?」
 「ふむ・・・」
 なんだ?一瞬考えこんだ・・・?
 「いいだろう、お母さんに言っておこう、お金は?」
 「大丈夫!それぐらいあるから!!」
 「そうか?なら、行ってらっしゃい」
 「うん!」
 平雛ちゃんは大きく首を縦に振り、一緒に買い物に向かう
 ・・・そういえば・・・あの女・・・刑事・・・か・・・
 そんなこんなで食材を買い集めエコバッグ片手に家まで帰り
 入り口横の備え付きのキッチンで調理を
 「ねぇ、私が作るよ!」
 平雛ちゃんが右肩の方から顔をのぞかせ楽しそうな表情を見せるが、私は少し遠慮がちに
 「いや、これから一人でやってかなきゃいけないし・・・」
 「じゃ二人で作ろ!良いでしょ!?」
 「あ・・・うん、いいよ」
 そうして二人で作ったカレーを部屋中央の角丸四角形ちゃぶ台にて二人で食べる、
 と食べ終わって平雛ちゃんが入り口と反対側のベランダ窓の方を見る、
 ・・・すっかり真っ暗だ・・・
 「遅くなっちゃった・・・」
 「途中まで送るわ」
 少女が私の方を見る、眉毛も両中ほどを上に曲げ嬉しそうな表情を見せる
 「・・・ありがとう・・・」
 そうして道の途中まで送り、帰りの道すがらスマホを覗くと・・・
 タイヤ製造系会社からメールが入っていた、
 上から切られそうなので早急にネガキャンを消してほしいという話だ、
 私は、これを二倍の値段で請け負い、怪しまれないようこの会社だけネガキャンを消すスピードを遅める決定をした
 
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