バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

魔石物語/21

魔石物語 21
 
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21 地母神の欠片1
 
 「すみませんが地母神の欠片はございませんか?」
 出入口の扉から歩いてきたのは、笑顔が素敵な神官、緑色の縦長帽子とローブに身を包み、朗らかな笑顔を浮かべる男性・・・
 「あるけど、あんた、地母神派の神官?」
 カウンターの店主が少し細目でどこか疑わし気に問う
 対し、神官の男性は右手を伸ばして顔の前で左右に振り
 「いえいえ、違いますよ・・・」
 「でも、緑色のローブだし・・・」神官は右手を戻し
 「違います、緑色の別の派閥です」
 緑が象徴色の別の神様って・・・
 朗らかに言い返す、まぁ、緑ってメジャーな色だし・・・
 「ま、そう言うなら渡すけどさ、」店主の顔がカウンター外の私に向く「ちょっと待ってね、店番よろしく~」
 私に行ってカウンター左側から出て奥の方に引っ込んでいく、
 そういえば、今度店終わりに倉庫の整理を手伝って、って言われていたっけ・・・
 と、店主が戻ってくる・・・
 その右手には、感じたことのない魔力を纏う石のような濃緑色の手の平大の欠片が握られていた・・・
 店主はカウンターに戻り、神官に向かい
 「はいこれ」
 かけらを差し出し、神官はそれに顔寄せよく見る
 「確かに・・・」
 神官は受け取り、金を払い出入口より出ていく・・・
 それを私は見送りつつ口を開いた
 「あれが、地母神の欠片?」
 「そうよ、世界中に数えきれないほどあって、破壊が出来ず、妙な魔力が宿ってる欠片、ぞんざいに扱えば人知れず消えていることもあるって話」
 やっぱり、店主は何か知っているようだ、私は専門外なので詳しいことは何も知らない、
 せっかくなので訊いておこう、
 私は店主の方を改めて見てカウンターから私同様に神官を見送っていた店主に話を続ける
 「地母神の欠片っていえばあれですよね、全部そろえると地母神が復活するっていう・・・」
 店主は目を少しめんどくさそうに閉じつつ右人差し指で自らの髪を持て遊びなどしながら
 「そうそう、割と有名な話よね、でも、いまだかつて全て揃えたことのある人間はいない・・・」
 「まぁ、そりゃ、どこにあるかもどれくらいの数あるかもわからないですからね・・・」
 と、店主の目が覚めたように気が付いたように冴え、髪いじりもやめ私も見ずに
 「でも、大部分の欠片はそろえたことがある、かもしれない、って話は聞いたことがあるわね・・・」
 「え?本当ですか!?」
 
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