バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

ハーフビースト:ハーフヒューマン:ヒーローズ/8

ハーフビースト:ハーフヒューマン:ヒーローズ 8
 
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 後方の最上階の窓を拳で叩き壊し、盛大なガラスの割れる音とともに中に入って床に着地し現れたのは、黒のステルススーツで巫女衣装をそのままマントにしたようなものを背に纏う女、
 背のマントと違って黒のステルススーツは右半身のみ、反対側は狐の獣人であり、
 その顔には両側にわたって黒いちょうちょの上半分のような顔隠しの目出し仮面をつけている、
 年齢は俺と同じか少し年下ぐらいか?
 「お前が怪盗狐巫女か!?」
 「その通り、蒼の涙、予告通りいただくわ!」
 怪盗狐巫女が宝石に向かって走る!
 俺達の目の前を抜けて、
 くそ!疾い!出遅れた!!
 透明なタワーシールドを持った警察官たちが壁のように宝石の前に立ちはだかる!
 それを怪盗狐巫女は体を上下反転させるような跳躍で華麗に天井と頭上の間を跳び越え着地、
 宝石のケースを自らの右爪で引っ掛け握り砕きつつ中の宝石を盗り自らのスーツのポケットにしまう!
 が、その間にも盾付きの警察官に包囲され、いくつかの警察官が盾を正面から叩きつけていく!
 対し怪盗狐巫女は正面の警察官に自身の右掌底を勢いよく叩きつけ
 「邪魔」
 警察官を吹っ飛ばした!?
 床に倒れる警察官の上を跳び、怪盗狐巫女は自身が割った窓に走る!
 しかし、その窓に鉄のシャッターが下りる!
 「行くぞ」
 マスターがそう言ったとたん
 「発砲許可!殺してでも止めろぉ!!」
 銃撃の嵐が怪盗狐巫女に突っ込んでいく!
 これじゃ、前に出られない!
 「残念」
 身体を丸め、鉄の防衛シャッターに跳躍突撃!吹き飛ばしながら外に飛ぶ!?
 ネジなどのつなぎ部分が飛び、シャッターごと飛んでいく怪盗狐巫女!
 「おい!シャッターを上げろ!銃が撃てん!!」
 「これじゃ、落ちて死ぬだろ!?」
 「当人も落ちること想定してるでしょ?」
 俺が慌てたところでアルマジロが冷めたツッコミを入れる、
 事実、怪盗狐巫女のマントがなぜか布付きの板のようになって風で怪盗狐巫女ごと空を飛んでいた・・・?
 怪盗狐巫女がこちらを向き、右目と唇の右端が愉快そうに上がる
 「あははは!じゃーねー!!」
 「お前ら!追え!!」
 「銃撃は控えていただけるとありがたいですがな」
 「どうせここからじゃあ当たらん!!」
 警察官の指示にマスターが返し
 「行くぞ」
 マスターが割れた窓から飛び出しながら下の少し離れたビルまで跳び、その壁を右手で掴みながら壁走る、
 「・・・出来るか?あれ?」
 「地上を行くっす」
 マスターを見ながらの俺の言葉にアルマンが呆れたような声で返した
 ま、しゃーなし・・・
 俺は足に力を込めてマスターが跳んだビルの方に狙いを定め
 1・・・2・・・3・・・
 俺はマスターを追って跳躍し、ビルの壁に着地、壁を右足で掴みながら壁走る!!
 
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