カードゲームライトノベル Wカードフュージョン9話 失踪、失意、絶望、8
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「紙、だよね・・・?」
そう、紙、紙だ、でも、こんなふうに違和感を感じたのは初めてだ、
今までこんなふうに感じたことは無い、Wカードを見ていても、
もう一枚、左手側近くの別の機械にあるWカードを左の手で取る、印刷されているのは全く一緒の絵柄、文字、
なのに、こっちの方が・・・なんて言うんだろう、息吹を感じる、
そうだ、こっちの機械にある方は全てそんな感じだ、逆に、さっきの機械の方は違う息吹なんて、無い、そして、息吹のある方をデッキに入れたくなる、
確か、子慎君のカードも全て息吹のある方だった、僕の持ってるカード達も・・・
なんだ、何が違う?
「双歩くん、早く行くよ!!」右半身の方遠くの方から轟さんの声
「あ、はい!」
慌てて答え、カードを戻しつつ轟さんの方に向かう、
周りでは、隊員の人達が機械を見回り、誰か隠れていないかなどを点検している、
一体何だったんだろう、あの感覚は・・・
と、轟さんを追って向かった先左の手側に仕切りの壁が現れ、そのまま先に進む、
そこは、先に同じ仕切りのある部屋の中で、そこで署長さんの指揮の下、警官隊の人達が、部屋の中にあった大量の紙束を壁際にどけている所だった、
紙束はカードに使うものだろう、いくつもの茶色い紙袋に包まれ、いくつか空いている上の部分からそこそこつるつるの面が見える、上等なものである
「何、してるんですか?」
轟さんが思わずつぶやくと、署長さんが気が付いたように僕達の方を向く
「やぁ、合流できたか」
「一通り、どけ終わりました」
署長さんが僕達に声をかけると同時に、一人の警官が署長さんに向かって声をかける、
署長さんが今度はその警官の方に顔を向け「やぁ、ご苦労」と返した
「あの・・・何を・・・してるんですか?」轟さんの再度のつぶやきが響きわたり
「ああ、」署長さんが再度僕達に顔を向ける「すまないすまない、実はね、この下に、空洞があるらしいんだよ」
「空洞ですって?」
「そうだ」
空洞・・・?
「ここに来た隊員の一人が気が付いたんだ、紙束を調べている時に、奥の方で少しだけ響く音が違うとね」、
「どういう事です?」今度は僕が署長に問いかけた
「素人にはわからん音の反響だよ、相当巧妙に隠しているらしいね」
「コンクリートカッター、準備できました」
またも一人の隊員が署長に向かって声を発し
「ご苦労」
署長が隊員の方ではなく、紙束をどけていた場所全体に目を向ける、
すると、すでに隊員が紙束があった場所、四隅にそれぞれ待機していた、
各自右手に大仰しい機械の丸のこを持っており、別の隊員の方を一周するように向いて待機している
「それでは、始め!!」
ギュィイイイ!!
署長の合図により、隊員たちが丸のこを起動させ機械音を響かせて、コンクリートに押し付ける、
コンクリートと丸のこの間から火花が散り、同時に、隊員たちが四角形時計回りにコンクリートを切っていく、
そうして、ほんの少しが過ぎわたり、隊員たちが別の隊員がいた場所にまで到達した、
すると、唐突に隊員たちの間のコンクリートの床が陥没し、
ゴゥン・・・
重苦しい音を響かせ、向こう下の方に滑って行った、よく見ると、床下が奥先に行くにつれ下になるように斜めになっている、
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