カードゲームライトノベル Wカードフュージョン9話 失踪、失意、絶望、7
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「ええっと、ここからは・・・」
建物左にある搬入出口は、大きな白いシャッター一枚のみが存在していた、
僕は轟さんと博士とその他の機動隊員と共に、そのシャッターそばの少し入口の側で息をひそめているのだが・・・
「とにかく、署長の合図で一斉に突っ込むからね、わかってる?」
「はぁ、まぁ・・・」
こういう場には慣れていないので、思わず曖昧な返事を返してしまった
「カーディンはカーモードに戻って、その補助アームをシャッターの下辺りに移動させて待機」
「了解」
カーディンが車形態に戻り、その運転席側のドアの下から、鉄の棒と球体関節を組み合わせて先に丸い三本爪を付けた補助アームを伸ばし、シャッターの下まで移動させる、
車形態じゃないと、このシャッターくぐれないもんね、そういえば・・・
そうして待つことしばらく・・・
「突入!!」
その時はやってきた!
「行きます!」
カーディンが一気にシャッターを持ち、上に上げる!
ガチャン!
金属が砕ける大きな音が響き、シャッターが上がる!!
今の音、もしかして、シャッターの鍵をぶっ壊して、無理やりシャッターをこじ開けた?
なんつー無茶をするんだ、確かに鍵とか手に入んないんだけどさ・・・
と、そんなことを考えている間にも、まわりの警官隊が盾を前に出して開いたシャッターに突入していく!!
とと、僕はええと・・・
「轟さん?僕たちは?」
「僕達は最後尾だよ、どうしても警官隊で対処できなくなった時に前に出る」
轟さんが厳しい目つきでシャッターの向こうを見る、シャッターの向こうには、コンクリートの床と、左手奥側に、シャッターのあった壁と平行に並ぶいくつもの僕ほどの高さのベルトコンベアの機械があった
「僕は機動隊じゃないからね、必要時以外、何かすることは許可されていないんだよ」
「あ・・・そうか・・・」
ここにいるのは、僕や轟さんよりもずっと強い人たちなんだ、必要時以外は、僕どころか、轟さんも守られる対象なのだろう
「どうしたんだい、そろそろ行くよ」
「あ、うん」
轟さんが走り出し、僕もそれを追ってシャッターの向こう側に入る、
シャッターの中は暗めだが、広い空間になっており、端と上には白い壁と波打ち鉄板の鉄色天井が存在し、それぞれに合わせるように同色の梁が壁天井に張り付くように組み合わさっていて、さらに天井には、シャッターと垂直方向の蛍光灯がいくつも縦横に垂れ下がっていた
と、左手の方に、横に並ぶベルトコンベアの機械が見えた、あの上に乗ってるのは・・・白と黒のカード?あ、Wカードか!!
思わず近寄り、右手に一枚のWカードを取る、
裏表紙は左上が白、右下が黒となっており、中央には大きく灰色でWと書かれ、中央横にCARDGAMEと書かれていて、端の方は白黒が反転している、
ん?これ、紙・・・?
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