カードゲームライトノベル Wカードフュージョン8話 戦獅の咆哮6
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「なっ!?」
僕が驚く暇もあればこそ、ジョーカーが病院の入口のガラスに突っ込む!
ガシャァアアン!!
大きな音を立て、ジョーカーがものの見事に入口のガラス中央に大穴が空けながら病院の中に入って行った!!
くそっ!ジョーカーが中で暴れたら大変なことに・・・あの中には映命さんがいるかもしれないっていうのに・・・
思わず病院に向かって一歩踏み出し
「まて」
金属の様に冷たく言い放たれた言葉に、思わず、発言者の方に向き直る
「君の相手は僕だ、そうだろう?」
発言者、レオン君が僕の方を表情も変えずに冷静に見てきている
「それとも、怖気づいたか?」
ぐっ・・・落ち着け・・・
僕が今すべきことは何だ、ジョーカーを追う事か?
違う、僕がジョーカーを追ったところでレオン君とレオリングも追ってくるのは明白、
そうすれば、ジョーカー単体よりも確実に被害が大きくなるだろう、
なら、僕が今すべきことはあの二人の足止め、
出来うるならば撃破することに他ならない!!
だが、今はダメだ、まだ、僕の稚拙な策を実行するには条件が揃っていない、
その策が実行できるまではカードバトルも行えない、
深呼吸し、気持ちを落ち着かせてみる
すーはー
・・・よしっ!!
「まさか、でも、さすがに病院を急襲されるのはちょっと堪えるよ」
「ほぅ、ジョーカーが言ってたのは正しかったようだな」
ん、ジョーカーが何を言ってたんだ?
「・・・少し聞かせてほしい、なんで病院の前に現れたんだ・・・?」
周りに子供たちがにわかに集まって来ている、おそらく、レオン君が漫画の主人公に似ているせいだろう、
だが、子供達が集まると同時に大人たちも集まり、子供達を後ろに追いやるように警戒感をあらわにしている、
この状況、僕とレオン君だけじゃない、カーディンとレオリングも僕達の背後でにらみ合っているのだ、
子供二人がにらみ合い対峙しているってだけならともかく、その両背後に警察のロボとライオンのロボットがにらみ威圧し合っているのだから明らかに異様な光景に映っているのだろう
「なに、簡単な話だ」
よし、僕の話にレオン君が乗ってきた!!
「こっちに来た時、僕がなぜここを襲うのかと聞いたら、ここならば君たちが来ざるを得ないからと言っていただけだ、それ以上は聞いても教えてくれなかったからな、なんでも、僕は知っていることをひょいひょい話すから信用が無いらしい」
まぁ、そのジョーカーの意見には同意するが・・・
「へぇえ、そうなんだ、あ、アリスとの仲はどうなの?」
まわりの子供達から少しどよめきが走る、
が、レオン君の表情は変わらない
「なぜあいつとの仲を訊く?」
「そりゃあ、まぁ、訊きたいからねぇ・・・」
「別に何も変わらない、今まで通りの同僚、だ、そういえば、アリスが激怒していたことがあったが、それと何か関係があるのか、それともう一つ・・・」
レオン君が一歩踏み出す
「この時間稼ぎに何か意味でもあるのか?」
げっ、ばれてら!!
「前にあった時の様にカードバトルを行おうとしない、ジョーカーが逃げても務めて冷静にしようとしている、時間稼ぎなのは明らかだ、
それとも、やはり僕に負けるのが怖いのか?」
レオン君が目じりを吊り上げ、怒りの表情になりながらこちらをにらみ付ける、
ぐっ、これ以上は限界か、仕方がない・・・
右手をジャケット左内ポケットに入れ、その中にあるデッキケースを取る、
「確かに、君に負けるのは怖いし嫌だよ、」
そして、デッキケースを取り出す、
「でも、ここで君を野放しにして、ここを壊されるのはもっと嫌なんだ!!」
右手にもつデッキケースをレオン君に突きつけ
ピーポーピーポーピーポー!!
「パトカーが通ります!!道を開けてください!!」
この声、轟さん!ようやく来たか!!
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