バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

氷漬け罪の雪女と氷精霊との出会い ダブモン!!6話/22 妖魔版

 
氷漬け罪の雪女と氷精霊との出会い ダブモン!!6話/22 妖魔版
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バトル8
 
 「ワァォオオオオ!!」
 巨大な氷狼が吠え、辺りに小さな氷の粒が含まれた衝撃波が走る・・・!
「っつ~!」
 思わず氷の粒がかする冷たさと斬るような強烈な痛みに声が出そうになるが、こんなことでひるんではいられない・・・!
 「フリィジア、決めるよ!」
 「任せて、相棒!」
 「決めるといったところで、この状況を覆すカードがあるのかしら?」
 狼の方から響きわたっと声に、俺は答える、
 「あるよ!だから・・・リチャージ!ドロー!セット!」
 「ならば見せてみるがいい・・・リチャージ!ドロー!セット!」
 向こうは2番、こちらは1番・・・よし、
 「オープン!」
 「オープン!私はハンドカード、アイスクロリシールドエレメンタル!」
 ハンドカード・・・?前のターンまで使ってたやつだよな・・・?そっか、もう手札が無いんだ!
 「さぁ、そちらの切り札を見せてもらいましょうか!?」
 「俺はオーブカード、フリージングフリージアエレメントを表にする!」
 
名・フリージングフリージアエレメント
概・OR オーブ 強度1.36 スピリット・氷属性
召・チャージゾーン R×1
オーバードライブ条件:オーバードライブしません
オーバードライブ時発動:オーバードライブしません
発・オーバー時のみ・自任意・このターンのみ・条文の頭に指定:主対象:自分の
条・一・チャージゾーンの裏側表示のカード1枚
  二・モンスターゾーンのモンスター1体
   主対象単体であるため全対象とする
効・第一効果:主対象一を効果で表にする
       主対象二のパワーを100上げる
       二がカテゴリ、氷属性を持っていた時
       パワーをさらに500上げる
文・強き氷が、輝きを増す・・・!
 
 俺の前で山札のカードがまるで巻物のように移動していく・・・あった!
 右手人差し指でそのカードを選択、そのカードが1番に移動する!
 「ダブモンNo.199イィィィイイエェェェックス!凍月(いてつき)の氷彫師 フリィジアァアアア・イルミネェェェエエエト!!」
 
名・凍月の氷彫師 フリィジア・イルミネート ダブモンNo.199EX
概・OM オーバー 強度4.00 パワー4000 精霊・氷属性
召・チャージゾーン R×3 OR×1
オーバードライブ条件:自分のライフカードが0枚の時
オーバードライブ時発動:カテゴリ3:月光を追加する
発・戦闘後・自任意・次のターン終了時まで・条文の頭に指定:
条・主対象:次の戦闘を行う自分の場所に戦闘を行うカードが置かれていなかった
      このオーバーが相手のモンスター・オーバーに勝利した戦闘
   主対象単体であるため全対象とする
効・第一効果:次の戦闘をこの場所の番号と同じ番号として戦闘を行う、
       このオーバーが置かれている場所と
       次の戦闘が行われる相手の場所に置かれたカードで戦闘を行い、
       番号以外はその場所同士でカード効果を適応させ、
       その後は、そのまた次の場所に移る
文・氷の彫像を掘る精霊型ダブモン、
  内部に幻想的な光が宿り、それがより彫像を美しく引き立てる
 
 夜の中に、氷の月とも太陽ともつかない天体が浮かび、
 その前に下から生える氷の牙の中に眠り凍るフリィジア・・・
 しかし、フリィジアの体が急速に成長していき、目を覚ますと、その手に長き槍を持ち、
 「はっ!」
 槍を振るって氷の牙を砕き飛ばし、背景の氷の球体の前に立ち浮かぶ、
 その姿は髪長き氷の美女であり、
 青い氷のビキニのような衣装に肩アーマー、腕周りに肌に合うような氷の鎧を着け、
 腰の左右にも腰鎧を着けていて、
 右手に先に刃、反対に長い柄を持つ雪の六角結晶の槍を持っている、
 そこで大きく横に円を描くように槍を振るうと、背景が氷球ごと氷のようにひび割れ、ぶち壊れる
 そして、フリィジアが俺の前に降りてきて、その自身の体を手のひら左右から足左右から顔下に向けマジマジと見る、
 「すごい・・・私、オーバー化なんて初めてよ・・・どう、」フリィジアが満点の笑顔で俺の方に振り返った
 「相棒!」
 「いや・・・・別に・・・」
 思わず顔をそらしてしまう・・・
 「いやん!顔赤くして!あなたのおかげよ、相棒!」
 それは・・・その・・・
 「へぇ・・・オーバーになったのね・・・」
 スノゥメアの響くような棘を含む言葉・・・
 フリィジアが表情を引き締め、しかし、余裕ありげに口元はほころばせ振り返る
 「そうよ、あなたを止めるために、相棒のおかげでね・・・さぁ、行きましょう!」
 その言葉に、向こうのスノゥメアの両口角が笑うように不気味に上がる
 「忘れていないかしら・・・?」
 
名・アイスクロリシールドエレメンタル
概・H ハンド コスト0 シールド・氷属性
発・戦闘前・自任意・このターン終了まで・条文の頭に指定:
条・主対象:一・自分のカテゴリに「氷属性」を持つ
        “次の戦闘に参加するモンスター・オーバー”
      二・一よりもパワーが低い相手の“”
        ただし、自分のモンスターゾーンに、
        カテゴリ:氷属性を持つ同じコスト・強度、を持つ、
        モンスター・オーバーが2体以上いた時は、パワーではなく
        コスト・強度3.4以下でも二を対象にすることができる
   略・“”
   主対象単体であるため全対象とする
効・第一効果:一の戦闘のみスキップする
文・いきなりの氷のシールド、相手は防ぎきれる!?
 
名・エレメンタルパワード・マルチ
概・OR オーブ 強度0.31 スピリット・闇属性
召・チャージゾーン 裏×1
オーバードライブ条件:オーバードライブしません
オーバードライブ時発動:オーバードライブしません
発・オーバー時のみ・自任意・このターンのみ・条文の頭に指定:主対象:自分の
条・一・チャージゾーンの裏側表示のカード1枚
  二・モンスターゾーンのモンスター1体
   主対象単体であるため全対象とする
効・第一効果:主対象一を効果で表にする
       主対象二のパワーを100上げる
文・闇の力が属性の力を少し増す
 
ウルフィス&スノゥメア
モンスターゾーン 
冬うつつの雪女将 スノゥメア・オーバー ダブモンNo.196EX OM 強度4.37 パワー3500 幽霊・氷属性 オープン後
高速雪烏賊のボーダー ボーダイカ ダブモンNo.179 M モンスター コスト2 パワー1500 軟体・氷属性 戦闘前
チャージゾーン
裏:8表:0
 
稲走 兎白&フリィジア
モンスターゾーン
雪降り染めの氷彫師 フリィジア・イルミネート ダブモンNo.199EX OM 強度4.00 パワー4000 精霊・氷属性 戦闘後
チャージゾーン
裏:8表:0
 
冬うつつの雪女将 スノゥメア・オーバー ダブモンNo.196EX OM 強度4.37 パワー3500 幽霊・氷属性 オープン後
 
戦闘開始!
 
雪降り染めの氷彫師 フリィジア・イルミネート ダブモンNo.199EX OM 強度4.00 パワー4000 精霊・氷属性 戦闘後
 
 「私はフロストレーションオーバーアップ!の効果で、即座にセイグリアフリーズエレメンタルの効果を発動・・・互いにパワーを2000下げ、コストにアイスクロリシールドエレメンタルとフロストシールドエレメンタルを指定!」
 目線あがる向こうから、雪を伴い、強烈な冷気が吹き付け、辺りを凍らせていく、そして・・・
 「コストに・・・ハンドカードが!?」
 俺のもらした言葉にスノゥメアが自慢するように胸を張る!
 「そう!そして、アイスクロリシールドエレメンタルを手札に戻し、発動!次の戦闘をスキップする!」スノゥメアの幻影が得意気にカードを突き出した
 「そのまま勝つってわけ?」でもそれならどうにかなる・・・!
 と、フリィジアの前に小さい氷の盾・・・!?
 「まさか、ここからよ!私は、フローズンアタックエレメンタルパワー、フロストシールドエレメンタル、アイスウォールシールドウィークエレメンタルを指定し、ブレイクフリーズリアエレメントを発動!!パワーを1200上げ、2倍に!!」
 スノゥメアの狼の口内に強烈な青い光が・・・!?
 「壁に叩きつけられて、砕けるがいい!!」
 一端飲み込むように顔を大きく上げ、そこから勢いよくこちらに大きく口を開け、口から巨大な波動のような青く伸び飛んで来る光がフリィジアに向かって行く!
 フリィジアの前の盾はあっけなく砕け、
 「はっ!」
 フリィジアが突き出した槍が光を幾筋にも分散させ抑えて行く・・・
 「フリィジア」
 「ぐっ・・・!」
 「待ってて、今!」
 フリィジアのうめき声を聞き、俺は行動に出る、
 「俺は、フリィジア・イルミネイトの召喚条件に2ターン前にセットしたエレメンタルパワード・マルチを指定し、続けてフロストエレメンタルパワーを発動!パワーを1200あげる!」
 「はぁああ!!」
 フリィジアの槍先から吹雪のような冷気が発生し、伸びる光を押し返し始める・・・
 「だから!?それだけじゃパワーは足りないわ!はっ!」
 「ワォオオオ!」
 気合の声と咆哮でそれも押し返され始める・・・
 「まだだよ!僕はフロストエレメンタルパワーのコストにエレメンタルパワード・マルチを指定し、そこからフロストトライエレメンタルを発動!パワーを2400上げ、これで逆転だ!」
  「はぁああ!」
 フリィジアが両足を踏ん張り、光をかき分け飛行突進を始める!
 「はぁあああああ!」
 「甘いわ!私は、ブリザードシールドディアエレメントを発動し、フロストトライエレメンタルを相殺!」
 目前まで飛び光を弾き切ったものの、その光の勢いからか上に弾き飛び、そこに盾がフリィジアを覆う様に、
 そこに氷の狼が跳躍し、右前足を叩きつけてくる!
 「くっ・・・」
 なんとか振り回した槍で氷の盾を砕き、何とか前足を受け止める、
 「たぁあああ!」
 それを弾き、槍を振り回し、首辺りに大きな横傷をつけた、
 「ぐうっ!」
 「わぉう・・・」
 「この姿なら、物理でも行けるわ!!
 スノゥメアとウルフェスを圧倒するかのようなフリィジアの一言!
 その間に氷の狼は着地し
 「相棒!」
 「行くわ!」
 「わうっ!」
 氷の狼が一旦深呼吸をすると、今度は先ほどよりも強力な氷の波動ビームを吐いてきた!
 「ぐっ・・・」
 フリィジアの不安の入り混じったうめき声・・・何とか槍を突き出し防ごうとするが・・・このままだとダメそうなのか!?でも!!
 「大丈夫!これが最後、アブソリュートスリーエレメント!パワーを2400上げる、これで・・・逆転!!」
 フリィジアの纏う冷気がいきなり強くなる
 「相棒!!はあっ!」
 気合一閃と共に光を斬り裂き、流星のように急降下!
 「猪口才な!」
 狼の更なる青い光、
 「まだまだ!これで!」
 しかし、突如、フリィジアの槍先につらら星状の六角穂が出現、強まった冷気で作ったのか!?
 「はぁあ!!」
 真下に突き出したその槍で突進、それはものの見事に光を突き裂いていき
 「はっ!」
 氷の狼を貫き、砕き切って見せた!
 
名・セイグリアフリーズエレメンタル
概・R リサイクル コスト2 スピリット・氷属性
発・戦闘前・自任意・次の戦闘終了まで・条文の頭に指定:
条・主対象:一・次の戦闘に参加する自分と相手のモンスター・オーバー
      二・自分のモンスターゾーンにカテゴリに「氷属性」を持つ
        モンスター・オーバーがいた時
   主対象単体であるため全対象とする
効・第一効果:主対象のパワーを2000~3000
       100区切りで好きな数字を選んで下げる
 
名・アイスクロリシールドエレメンタル
概・H ハンド コスト0 シールド・氷属性
発・戦闘前・自任意・このターン終了まで・条文の頭に指定:
条・主対象:一・自分のカテゴリに「氷属性」を持つ
        “次の戦闘に参加するモンスター・オーバー”
      二・一よりもパワーが低い相手の“”
        ただし、自分のモンスターゾーンに、
        カテゴリ:氷属性を持つ同じコスト・強度、を持つ、
        モンスター・オーバーが2体以上いた時は、パワーではなく
        コスト・強度3.4以下でも二を対象にすることができる
   略・“”
   主対象単体であるため全対象とする
効・第一効果:一の戦闘のみスキップする
 
名・フロストエレメンタルパワー
概・R リサイクル コスト1 スピリット・氷属性
発・戦闘前・自任意・次の戦闘終了まで・条文の頭に指定:
条・主対象:次の戦闘に参加する自分のモンスター・オーバー
   主対象単体であるため全対象とする
効・第一効果:主対象のパワーを600上げる
  ・主対象がカテゴリに「氷属性」を持っていた時
   さらにパワーを600上げる
 
名・エレメンタルパワード・マルチ
概・OR オーブ 強度0.31 スピリット・闇属性
召・チャージゾーン 裏×1
 
名・フロストトライエレメンタル
概・R リサイクル コスト3 スピリット・氷属性
発・戦闘前・自任意・次の戦闘終了まで・条文の頭に指定:
条・主対象:次の戦闘に参加する自分のモンスター・オーバー
   主対象単体であるため全対象とする
効・第一効果:主対象のパワーを1200上げる
  ・主対象のカテゴリに1文でも「属性」という言葉が入っていた時
   さらにパワーを1200上げる
文・異なる力のまとまりが、
  より大きな力を生み出していく・・・
 
名・ブリザードシールドディアエレメント
概・R リサイクル コスト1 シールド・氷属性
発・戦闘前・自任意・このターン終了まで・条文の頭に指定:
条・主対象:一・相手のモンスターゾーンの
        コスト・強度0.01以下のモンスター・オーバーがいる場所
        ただし、自分のモンスターゾーンに、
        カテゴリ:氷属性を持つ同じコスト・強度、を持つ、
        モンスター・オーバーが2体以上いた時は、3.5に変更し、
        自分のモンスターゾーンに、
        カテゴリ:氷属性を持つコスト・強度4.2~4.6、
        のモンスター・オーバーがいた時は4.1に変更する
      二・自分のモンスターゾーンにカテゴリに「氷属性」を持つ
        モンスター・オーバーがいた時
効・第一効果:一の戦闘のみスキップする
文・凍える吹雪が、氷の盾と化かしていく・・・!
 
フロストトライエレメンタル ブリザードシールドディアエレメント 相殺
 
名・アブソリュートスリーエレメント
概・R リサイクル コスト3 スピリット・氷属性
発・戦闘前・自任意・次の戦闘終了まで・条文の頭に指定:
条・主対象:次の戦闘に参加する自分のモンスター・オーバー
   主対象単体であるため全対象とする
効・第一効果:主対象のカテゴリに
       1文でも「属性」という言葉が入っていた時
       パワーを1200上げる
  ・自分のモンスターゾーンに3ターン目前までに
   氷属性以外のカテゴリに「属性」と付いた
   モンスター・オーバーが2種類、
   指定のと別のカテゴリがいた場合、
   パワーを1200上げる
文・絶対の氷結は、氷だけでは成し遂げられない・・・
 
名・フリーズトライエレメント
概・R リサイクル コスト1 スピリット・氷属性
発・戦闘前・自任意・次の戦闘終了まで・条文の頭に指定:
 
名・フロストトライエレメンタル
概・R リサイクル コスト3 スピリット・氷属性
発・戦闘前・自任意・次の戦闘終了まで・条文の頭に指定:

名・アイススキップレゾナンス
概・R リサイクル コスト0 エフェクト・氷属性
発・戦闘前・自任意・次の戦闘終了まで・条文の頭に指定:
 
冬うつつの雪女将 スノゥメア・オーバー ダブモンNo.196EX OM 強度4.37 幽霊・氷属性 オープン後 トラッシュ!!
パワー3500-2000+1200×2 パワー合計:5400
 
戦闘終了
 
雪降り染めの氷彫師 フリィジア・イルミネート ダブモンNo.199EX OM 強度4.00 精霊・氷属性 戦闘後
パワー4000-2000+1200+2400 パワー合計:5600
 
 氷の狼が爆発し、ウルフィスとスノゥメアに分離、
 「まだ・・・まだよ・・・」
 スノゥメアが立ち上がる
 「いいや、ここで終わりだ、俺はフリィジアの効果を発動!次の戦闘をこの場所で行い、さらに相手のモンスターのパワーがこのカード以下の場合戦いを行えないよう無力化する、フリィジア!」
 「任せて!」
 「アイス・ラビット・フロスタル!!」
 「まだぁ!!」
 
名・雪降り染めの氷彫師 フリィジア・イルミネート ダブモンNo.199EX
概・OM オーバー 強度4.00 パワー4000 精霊・氷属性
召・チャージゾーン R×3 OR×1
オーバードライブ条件:自分のライフカードが0枚の時
オーバードライブ時発動:カテゴリ3:月光を追加する
発・戦闘後・自任意・次のターン終了時まで・条文の頭に指定:
条・主対象:次の戦闘を行う自分の場所に戦闘を行うカードが置かれていなかった
      このオーバーが相手のモンスター・オーバーに勝利した戦闘
   主対象単体であるため全対象とする
効・第一効果:次の戦闘をこの場所の番号と同じ番号として戦闘を行う、
       このオーバーが置かれている場所と
       次の戦闘が行われる相手の場所に置かれたカードで戦闘を行い、
       番号以外はその場所同士でカード効果を適応させ、
       その後は、そのまた次の場所に移る
       また、このオーバー以下のパワーを持つ
       相手のモンスター・オーバーの場合、
       次の戦闘ではトラッシュに送られずいないものとして戦闘を行い
       このオーバーもトラッシュに送られない
 
 スノゥメアがつららを乱射、それをフリィジアは槍で弾きながら突貫、そこで槍に冷気を纏わし大きく伸ばし、
 「はっ!」
 地面に突き刺したと思ったら、ボーダイカが逆つららに氷漬け!そのままスノゥメアへと迫り、槍を突き出して行く
 対抗するかのようにスノゥメアも冷気を両手から放出させて伸ばし、振り下ろす、
 互いの冷気はぶつかり、拮抗し、
 「行って!フリィジア!」
 「任せなさい、相棒!」
 一気にフリィジアが突き弾き切った!
 「しまっ」
 「たぁああ!」
 そこで一気に距離を詰め、槍と冷気で袈裟懸けに斬り裂き、逆上からもう一斬りし、最後に冷気を集中させ、一気に突き貫いた!!
 「きゃああああ!!」
 
勝者:稲走 兎白&フリィジア
決まり手:雪降り染めの氷彫師 フリィジア・イルミネート ダブモンNo.199EX
 
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氷漬け罪の雪女と氷精霊との出会い ダブモン!!6話/22

 
氷漬け罪の雪女と氷精霊との出会い ダブモン!!6話/22
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バトル8
 
 「ワァォオオオオ!!」
 巨大な氷狼が吠え、辺りに小さな氷の粒が含まれた衝撃波が走る・・・!
「っつ~!」
 思わず氷の粒がかする冷たさと斬るような強烈な痛みに声が出そうになるが、こんなことでひるんではいられない・・・!
 「フリィジア、決めるよ!」
 「任せて、相棒!」
 「決めるといったところで、この状況を覆すカードがあるのかしら?」
 狼の方から響きわたっと声に、俺は答える、
 「あるよ!だから・・・リチャージ!ドロー!セット!」
 「ならば見せてみるがいい・・・リチャージ!ドロー!セット!」
 向こうは2番、こちらは1番・・・よし、
 「オープン!」
 「オープン!私はハンドカード、アイスクロリシールドエレメンタル!」
 ハンドカード・・・?前のターンまで使ってたやつだよな・・・?そっか、もう手札が無いんだ!
 「さぁ、そちらの切り札を見せてもらいましょうか!?」
 「俺はオーブカード、フリージングフリージアエレメントを表にする!」
 俺の前で山札のカードがまるで巻物のように移動していく・・・あった!
 右手人差し指でそのカードを選択、そのカードが1番に移動する!
 「ダブモンNo.199イィィィイイエェェェックス!凍月(いてつき)の氷彫師 フリィジアァアアア・イルミネェェェエエエト!!」
 夜の中に、氷の月とも太陽ともつかない天体が浮かび、
 その前に下から生える氷の牙の中に眠り凍るフリィジア・・・
 しかし、フリィジアの体が急速に成長していき、目を覚ますと、その手に長き槍を持ち、
 「はっ!」
 槍を振るって氷の牙を砕き飛ばし、背景の氷の球体の前に立ち浮かぶ、
 その姿は髪長き氷の美女であり、
 青い氷のビキニのような衣装に肩アーマー、腕周りに肌に合うような氷の鎧を着け、
 腰の左右にも腰鎧を着けていて、
 右手に先に刃、反対に長い柄を持つ雪の六角結晶の槍を持っている、
 そこで大きく横に円を描くように槍を振るうと、背景が氷球ごと氷のようにひび割れ、ぶち壊れる
 そして、フリィジアが俺の前に降りてきて、その自身の体を手のひら左右から足左右から顔下に向けマジマジと見る、
 「すごい・・・私、オーバー化なんて初めてよ・・・どう、」フリィジアが満点の笑顔で俺の方に振り返った
 「相棒!」
 「いや・・・・別に・・・」
 思わず顔をそらしてしまう・・・
 「いやん!顔赤くして!あなたのおかげよ、相棒!」
 それは・・・その・・・
 「へぇ・・・オーバーになったのね・・・」
 スノゥメアの響くような棘を含む言葉・・・
 フリィジアが表情を引き締め、しかし、余裕ありげに口元はほころばせ振り返る
 「そうよ、あなたを止めるために、相棒のおかげでね・・・さぁ、行きましょう!」
 その言葉に、向こうのスノゥメアの両口角が笑うように不気味に上がる
 「忘れていないかしら・・・?私はフロストレーションオーバーアップ!の効果で、即座にセイグリアフリーズエレメンタルの効果を発動・・・互いにパワーを2000下げ、コストにアイスクロリシールドエレメンタルとフロストシールドエレメンタルを指定!」
 目線あがる向こうから、雪を伴い、強烈な冷気が吹き付け、辺りを凍らせていく、そして・・・
 「コストに・・・ハンドカードが!?」
 俺のもらした言葉にスノゥメアが自慢するように胸を張る!
 「そう!そして、アイスクロリシールドエレメンタルを手札に戻し、発動!次の戦闘をスキップする!」スノゥメアの幻影が得意気にカードを突き出した
 「そのまま勝つってわけ?」でもそれならどうにかなる・・・!
 と、フリィジアの前に小さい氷の盾・・・!?
 「まさか、ここからよ!私は、フローズンアタックエレメンタルパワー、フロストシールドエレメンタル、アイスウォールシールドウィークエレメンタルを指定し、ブレイクフリーズリアエレメントを発動!!パワーを1200上げ、2倍に!!」
 スノゥメアの狼の口内に強烈な青い光が・・・!?
 「壁に叩きつけられて、砕けるがいい!!」
 一端飲み込むように顔を大きく上げ、そこから勢いよくこちらに大きく口を開け、口から巨大な波動のような青く伸び飛んで来る光がフリィジアに向かって行く!
 フリィジアの前の盾はあっけなく砕け、
 「はっ!」
 フリィジアが突き出した槍が光を幾筋にも分散させ抑えて行く・・・
 「フリィジア」
 「ぐっ・・・!」
 「待ってて、今!」
 フリィジアのうめき声を聞き、俺は行動に出る、
 「俺は、フリィジア・イルミネイトの召喚条件に2ターン前にセットしたエレメンタルパワード・マルチを指定し、続けてフロストエレメンタルパワーを発動!パワーを1200あげる!」
 「はぁああ!!」
 フリィジアの槍先から吹雪のような冷気が発生し、伸びる光を押し返し始める・・・
 「だから!?それだけじゃパワーは足りないわ!はっ!」
 「ワォオオオ!」
 気合の声と咆哮でそれも押し返され始める・・・
 「まだだよ!僕はフロストエレメンタルパワーのコストにエレメンタルパワード・マルチを指定し、そこからフロストトライエレメンタルを発動!パワーを2400上げ、これで逆転だ!」
  「はぁああ!」
 フリィジアが両足を踏ん張り、光をかき分け飛行突進を始める!
 「はぁあああああ!」
 「甘いわ!私は、ブリザードシールドディアエレメントを発動し、フロストトライエレメンタルを相殺!」
 目前まで飛び光を弾き切ったものの、その光の勢いからか上に弾き飛び、そこに盾がフリィジアを覆う様に、
 そこに氷の狼が跳躍し、右前足を叩きつけてくる!
 「くっ・・・」
 なんとか振り回した槍で氷の盾を砕き、何とか前足を受け止める、
 「たぁあああ!」
 それを弾き、槍を振り回し、首辺りに大きな横傷をつけた、
 「ぐうっ!」
 「わぉう・・・」
 「この姿なら、物理でも行けるわ!!
 スノゥメアとウルフェスを圧倒するかのようなフリィジアの一言!
 その間に氷の狼は着地し
 「相棒!」
 「行くわ!」
 「わうっ!」
 氷の狼が一旦深呼吸をすると、今度は先ほどよりも強力な氷の波動ビームを吐いてきた!
 「ぐっ・・・」
 フリィジアの不安の入り混じったうめき声・・・何とか槍を突き出し防ごうとするが・・・このままだとダメそうなのか!?でも!!
 「大丈夫!これが最後、アブソリュートスリーエレメント!パワーを2400上げる、これで・・・逆転!!」
 フリィジアの纏う冷気がいきなり強くなる
 「相棒!!はあっ!」
 気合一閃と共に光を斬り裂き、流星のように急降下!
 「猪口才な!」
 狼の更なる青い光、
 「まだまだ!これで!」
 しかし、突如、フリィジアの槍先につらら星状の六角穂が出現、強まった冷気で作ったのか!?
 「はぁあ!!」
 真下に突き出したその槍で突進、それはものの見事に光を突き裂いていき
 「はっ!」
 氷の狼を貫き、砕き切って見せた!
 氷の狼が爆発し、ウルフィスとスノゥメアに分離、
 「まだ・・・まだよ・・・」
 スノゥメアが立ち上がる
 「いいや、ここで終わりだ、俺はフリィジアの効果を発動!次の戦闘をこの場所で行い、さらに相手のモンスターのパワーがこのカード以下の場合戦いを行えないよう無力化する、フリィジア!」
 「任せて!」
 「アイス・ラビット・フロスタル!!」
 「まだぁ!!」
 スノゥメアがつららを乱射、それをフリィジアは槍で弾きながら突貫、そこで槍に冷気を纏わし大きく伸ばし、
 「はっ!」
 地面に突き刺したと思ったら、ボーダイカが逆つららに氷漬け!そのままスノゥメアへと迫り、槍を突き出して行く
 対抗するかのようにスノゥメアも冷気を両手から放出させて伸ばし、振り下ろす、
 互いの冷気はぶつかり、拮抗し、
 「行って!フリィジア!」
 「任せなさい、相棒!」
 一気にフリィジアが突き弾き切った!
 「しまっ」
 「たぁああ!」
 そこで一気に距離を詰め、槍と冷気で袈裟懸けに斬り裂き、逆上からもう一斬りし、最後に冷気を集中させ、一気に突き貫いた!!
 「きゃああああ!!」
 
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氷漬け罪の雪女と氷精霊との出会い ダブモン!!6話/21

 
氷漬け罪の雪女と氷精霊との出会い ダブモン!!6話/21
 

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f:id:OirenW:20190809133246p:plain
 
???2
 
 「ねぇ、村から離れたところまで来て素振りしてて楽しいの?」
 私が彼と出会ったのは気まぐれに洞窟から出た時の事である
 「誰にも邪魔されずに出来るのが良いんだ」
  彼が普遍的な顔で普遍的な楽しそうな顔で普遍的な素振りをしながら答えた
 「楽しいの?」
 「先生に言われてやってる、もう日課になっちゃった」
 彼は幼いころからそうだった、
 雪積る林のそばで何かやっているのを、見つけたのが最初である、もちろん木刀での素振りだ
 その後、よく行く村の子だと知った、村で見かけなかったのは彼が室内か屋外で素振りしてるか、動物相手の自警団についてよく見回りに行ってるからとも
 「ねぇ!」
 その子が唐突に素振りを止め、こちらを見る、まっすぐで精悍な瞳・・
 「ん?なあに?」
 「ダブモンなんだろ?適当に攻撃魔法っぽい技使ってよ?」
 「攻撃魔法?」
 「この辺り、壁に近いだろ?だからさ、魔族の手から村を守る騎士になりたいんだ!、だから、そういう実践の練習がしたいんだよ!」
 騎士ねぇ・・・
 「いいけど、氷の術しか使えないわよ?」
 「それでもかまわない、その術を使って、僕が氷の術に当たるか、君に木刀を当てたらそれで終わり」
 「思い切り振るったりしないでね?」
 「わかってる、少し触る様に当てるだけにするからさ」
 互いに離れた所に移動して、そこから彼が駆けてくる、
 私が適当に腕を振ってつららを三本ほど生成、発射すると、一本を木刀で弾くものの、もう一本が彼の肩に当たって吹き飛ばし、その背を雪に沈めた
 「も、もう一回!」
 立ち上がり駆けだす彼に同じようにすると、今度はつらら三本を大きく回って避け
 「じゃあこれ!」
 今度は手の平より吹雪を吹きかける・・・彼は両腕で覆うようにそれを防ぎ
 「う、うわっ!腕が!」
 腕の表面吹雪を防いだ面全てにものの見事に氷が張り付いた
 「あははは!大丈夫よ、腕についた雪が氷になっただけだわ」
 凍りついた腕を、近づいてさわり、砕いてあげる、だが、彼は残念そうに少し目が潤みながら顔を少し伏せた
 「ううっ・・・まだまだだね・・・」
 「魔法に対抗したいんでしょう?だったらまた付き合ってあげるわ・・・」
 ・・・
 またも、今日は今日とていつもの林の側での素振り、私はそれを見守っている・・・
 あれから、彼と街でちょくちょくあうようになったし、彼の家族とも、なんだかんだで仲良くなった、特におばさんなど、親しくしてもらっている・・・
 今日は・・・魔術対策の練習、しないのかな・・・?
 彼から言いださないとやる気になれない・・・それとも、私から何か言いだそうかしら・・・?
 座っていた岩から立ち上がり、何かを口に出そうとした瞬間、足に衝撃が走り、吹っ飛ぶ!
 「きゃあっ!」
 尻餅をつきながら衝撃が通った先を見ると、猪だ!なぜか興奮状態、近隣の肉食獣にでも追いかけられたか・・・!?
 猪の足に力がこもり、二度ほど前左足を地面に叩き付けた後、駆け出してきた
 「危ないっ!」
 そこにとっさに彼が入り込み、その木刀を振り降ろす!
 ドガッ!
 木刀は猪の額に決まったものの、猪は少し下がったのみでもう一度突進してきた!
 「効かないならこっちで・・・」
 猪の突進してくるも、彼は、避けることも防ぐことも木刀を振り降ろすこともしなかった、何を!?
 「ここだ!」
 そこで、木刀の柄を思い切り猪の額に叩きつけた!
 めり込む木刀の柄、これにはさすがに猪も想い切りひるみ、方向転換して去って行く・・・
 「もう人やダブモンを襲うんじゃないぞ~」
 彼はそう猪に叫ぶと、後ろに振り返り、私の手を取り、立ち上がらせる
 「大丈夫?」
 「ご・・・ごめん、何か援護でもできればよかったんだけど・・・」
 「ははは・・・いいよ、猪には慣れてないでしょ、僕は何度か遭遇してるし、狩りで獲ったこともある」
 「そ、そうなんだ・・・」
 「足の方は?」
 「ん?」
 猪がぶつかった足を上げて振るも、痛みなどは徐々に収まって行っている・・・
 「大丈夫、これでも、人間よりも丈夫なつもりよ」
 「ははは、よかった!、ん?血の匂い・・・?」
 林の方からする匂いに遅ればせながら、私も気付く・・・!
 「すこし、様子を見てみよう、術なんかはいつでも使えるように・・・」
 「わかってるわ、もうへまはしない・・・」
 林の中、血の匂いを追って行く・・・
 すると、唐突に、一匹の狼が血を流して倒れているのが見つかった・・・
 「これって・・・?」
 「まさか、さっきの猪にやられたのか?餌を取ろうとして反撃にあったんだ、他の狼は・・・」
 「うぅぅぅ・・・」
 倒れた狼の奥の木の根元の穴から、小さなうめき声がする・・・まさか・・・
 彼が穴を覗き込むと、
 「まさか、こいつだけなのか・・・?」
 彼が穴から顔をどけるとそこには、一匹の子供の狼がいた・・・
 「他の狼は・・・?群れの仲間や番いはいないのかな・・・?」
 「ちょっと待って・・・」
 神経を集中させると、少しずつだが、この辺りのたくさんの狼の残留思念、それと・・・
 足元の雪を掘り起こすと、そこから、狼の頭蓋骨が出てきた・・・
 「他の狼はみんな・・・死んだと思うわ・・・」
 「そういえば、狩人の人が行ってた、狼の中で病が流行ってるみたいだって、それで、この辺りの狼の数が少なくなってるって・・・」
 そして、彼は子供の狼の方を見る・・・
 「ねぇ、こいつ、村で飼えないかな・・・」
 「私に言われても・・・」
 「ちょうど、狩猟犬が欲しいって話を聞いたんだ、こいつなら替わりができるかも・・・」
 子供の狼を見つつ話していく彼・・・
 「でも、流行り病で生き残った狼でしょう?」
 「村の狩人さん達に訊いて、それでもダメだったらあきらめるよ、流行り病ももう二、三ヶ月も前の話だし、過ぎ去ってると思う、他に仲間もいないみたいだし、とりあえず、村の人と相談してみるよ」
 ・・・そうして数年・・・
 「ウルフィス!お前はそこで見ててくれ!」
 「わぉお~」
 「さて、どこまで腕を上げたかしら?」
 つららを三本飛ばすと、今度は正面から向かってきて高速の木刀三振で弾き切る
 「はっ、たっ、てやっ」
 「それならこれは?」
 続けての吹雪の吹きかけに、今度は足の速度を上げ、姿勢を低くして強引に突っ込んできた、
 顔の凹凸の先の方に雪が張り付いているものの、凍っているわけじゃない、
 そのまま木刀を振るって、私の腕に当て
 「見事・・・」
 「う、うわわわわっ!」
 止まれなかったのか、バランスを崩して私に突っ込み、私を押し倒す形となる
 彼の体温と匂いが一時、私を高潮させる・・・
 「あ・・・ご、ごめん!」
 が、それも少しの間だけ、彼はすぐに私からどいた、
 「ううん、いいの・・・」
 そうやって、雪の上で、私と彼は雪が降り積もった林の外側に目をそらし、となり同士に座る格好となる
 そこに、私達に向かって、ウルフィスが駆けてくる
 「あら!」
 思わず、ウルフィスの毛皮をなでる、ふかふかとした暖かな手触りが伝わる
 「大きくなったわねぇ・・・」
 「もう、猪も一匹で獲れるようになったんだ」
 「へぇ・・・そう・・・」
 感心し、人懐っこく私を見るウルフィスを思わず見る
 「あの・・・さ」
 なぜか、いつの間にか林の外に向かって目をそらしていた彼、そして、その横顔・・・
 「ん?」
 「今度、軍に入るための試験を受けに行くんだ、城の方に、ウルフィスも、軍用犬として、一緒に・・・」
 「それは・・・」
 少しさみしくなるなウルフィスも、彼も・・・か・・・
 「それでさ・・・」
 「それで?」
 「その、立派な騎士になったら・・・その・・・迎えに来るから!!」
 「え・・・!?」
 彼が気持ちが高ぶったのか立ち上がり、私を見据える・・・
 「だから!待っていて!必ず!迎えに来るから!!」
 ・・・そして、彼は城に行った・・・
 噂を聞いたのはまた数年後の話である、
 近くの戦いに参加するため、ついでに村に立ち寄ったと、村の人達から聞いたのだ、
 凡庸の装備や彼自身の話からどうやら、一兵卒だったらしい、ウルフィスもいたとか、
 軍の試験に合格できたらしいことはうれしいものの、立派な騎士になるのはまだまだ遠いようだ、
 時間が無かったからか、ああも見栄を切ってしまったせいか、私に会いに来ることも無かった、
 ・・・こうなったら、折りを見て、手紙でも出して彼のいる街に乗り込んでしまおうかしら・・・
 だが、近くでの戦い・・・とすれば、最近壁を崩し陣を張った魔族との戦い、その援軍だろうか・・・
 それであるのならば下手をすれば生き残ることすら怪しい、彼の事だ、武功を上げようと前線に出ることも考えられる、
 ん?これは・・・魔の気配かしら・・・?洞窟内での冷えた空気の中、壁の向こうと同じ気配が、洞窟の入り口に・・・?
 魔族がここまで攻めてきた!?彼はどうなったのだろう、いずれにしても、様子を見に行かないと・・・
 他の警戒するダブモン達と一緒に警戒を強めながら進み、たどり着いた時、洞窟の入り口には、
 すぐ入ったところ少し脇に強い魔力を放つ剣が落ちていた、恐らく、感知した魔力はその剣から、
 そして、剣を持っていたと思われる倒れた一人の兵士と・・・その兵士を心配そうに目端を下げ見下ろすウルフィスがそこにいた、
 え、なんで、ウルフィスがここに・・・ま、まさか・・・!?
 急いで兵士の体と顔を抱き起し上げると、そこには彼の顔があった・・・まさか、そんな!?
 生命力を感じない、命を奪ったのは残っている雷の魔力の気配からか、ここまでの雷を喰らえば・・・、いや、でも・・・
 思わず彼の状態を五感その他で確かめる・・・
 すでに心臓は動いていない、そして、体の硬直と温度からすでに動かなくなってかなり時間が立っているようだ・・・、そして、洞窟の寒さからか、冷えて凍ってしまっている・・・さらには、もうすでに、彼の全身の細胞も崩壊状態、感知できる気配も嫌な予感ものそのもの、つまり・・・
 いや、いや、こんなの・・・いやぁああああ!!
 
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