この争い起きた戦場で ダブモン!!8話11
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将軍に手渡されたのは封された一通の手紙、思わず視線の行く一同、
それを指揮官に渡してくるよう言われたのだという、受け取りながら表裏を確認する将軍に
「何の気配もしない、ただの紙に見えるが?」
「おなじく」
「です」
手紙を見つめるオアガーマとカンテーラとウィルピーの声により、その手紙に何の仕掛も無いらしいということがわかる、
「では、開けて読んでみよう」
「不用心じゃないのか?軍属の魔術師を呼んだ方がいいんじゃねーか?」
「必要無い、お前が何の気配も無いというのであればそうなのだろう」
「へ・・・そうかい・・・」
やりとりから視線を逸らすオアガーマの横で、こともなげに蝋で封された手紙の閉じ部分を開け、中にあった折りたたまれた手紙を開き見る、
「ふむふむ、なるほど・・・これは・・・?」
将軍が微かにこちらを見る、何かいやーな予感が・・・
予感した次の瞬間には将軍は私たち一同を見渡すように向き
「済まないがそこの娘子とオアガーマ以外はここから出て行ってくれぬか?」
「ええっ!?なんで!?」
「四葉に何かする気か?」「さすがに女の子」「一人で残すのは・・・」
「だな・・・」「そうね、心配ね」「その通りだ」
「あの・・・それはいくらなんでもですねぇ・・・」
私の驚きの声に加え心配してくれるみんな、この状況は確かに怪しい・・・
しかし、将軍は顔色一つ変えずに
「別に変な事をするわけではない、信用できないなら、何人か残ってもらっても構わん、秘密保持のためだ、信用のおけるものを残せ、そこの光の玉」
「私ですか?」
「そうだ、一緒に戦っていたな、お前ならば残ってもいいだろう、不安なら、もう二、三人残ればよい」
私とウィルピーは共に顔を見合い、大丈夫かと一つうなずきあうと、意を決して向き直り、私は将軍に切り出した
「いいわ、でも、変なことしようとしたらすぐに逃げ出すから・・・」
・・・そうして・・・
「何かされそうになったらすぐに叫べよ?」
「わかってるわよ」
七人が去り、私とウィルピーだけが残った、
私達はテーブルの向こうにいる将軍の方を向く、
将軍はやはり、平静のまま
「さて、私と、カードバトルをしてもらおう・・・」
「カードバトル?なぜ?」
「手紙に書いてあったのだよ、明日朝、Wカードのカードバトルで決着をつけようとな・・・」
「それって、ダブモンも交えた?」
「何を言っているのかは知らんが、そういうものではない」
ええ・・・違うの・・・?
「じゃあ、どうして・・・?」
「知らんのか?Wカードで勝敗を決したものは現実にカードを使い戦った時と同じ結果出る、そういう言い伝えがあるのだ」
確かに、ダブモンも交えてやればそうなんだろうが・・・
「古来より、Wカードは世界樹とのつながりが深いもの、それで教会は遊びに使うなど罰当たりなどという輩もいるが、手に入れたものはデッキケースから推察されたルールに従い遊ぶ者も多い」
へ~、そうなんだ・・・
「その辺りは地域差でな、で、問題は私の腕なのだが・・・」
「だが?」
改めて、正面より私の方を見据える将軍
「この戦い、負けるわけにはいかない、だが、私の腕もそこそこだとは思うのだが、それよりも優秀そうな奴がいたのでな・・・」
「なるほど、読めたわ・・・」
「私も将軍職にある身、一般には手に入らないデッキケースを持ってはいる、しかし、いかんせん数が少なすぎてな、戦線に投入するわけにもいかんのだ」
そういうもんなのか・・・ま、ダブモンも戦線は出てこないしね・・・
「そこでカードバトルをして腕を試したい」
「私が勝てば前線に行けっていうんでしょうけど、私が手ぇ抜いたりしたらどうすんのよ・・・」
「そんな事をする御仁には見えないがね、ははは・・・」
おいおい、ま、しないけどさ・・・
不意に笑いだした将軍だが、すぐに平静に戻る
「ともかく、この勝負受けてくれるかな?」
仕方無い・・・乗り掛かった舟だ、断ってごねられても困るし・・・
「いいわ、受けてあげる、ただし、このカードバトルと前線でのカードバトルの結果がどうあれ私達は解放してね?」
「元より、そのつもりだ、では準備に取り掛かろう、今回のルールは2T1S5Tルール、デッキケースもダブモンの力も借りず、机に広げて行う、それでよろしいか?」
多人数用の前後に長めの机左右中央に挟んで立ち、互いに腰元よりデッキケースを取り出す、
私のは黄色い宝玉が付いた黄色い長方体の物、
向こうは自身の鎧を長方体風にまとめたような物だ、
と、そこで将軍が中央に長い溝の付いた細長く四角い木材のような物を取り出し、右手側のチャージゾーンの場所に置いた
と、そこで将軍が中央に長い溝の付いた細長く四角い木材のような物を取り出し、右手側のチャージゾーンの場所に置いた
「それは」
「こいつか?」
私の目線からか将軍も今自分で置いたものに目を向ける
「こいつはチャージゾーンスタンドだよ、チャージゾーンのカードを立てて置ける、裏をそちらに向ければ裏側表示、こちらに向ければ表側表示になる、リチャージなどは、カードが多い時に裏の物のみ手に持って上げ、他をスタンドごと裏にしたりすることで対応できる」
「そ・・・」
「ま、下に回転台の付いたようなやつやそれのモンスターゾーン仕様、裏を見えないようにしたライフカード仕様も存在する・・・と、愚痴り過ぎたか・・・」
互いにデッキケースよりデッキを取り出してシャッフル、互いに渡してシャッフルし直して返し、
左手側に置いて上から右手で五枚引いて左手側に移し手札にする、
ついでに、デッキケースは山札外側に移動させておいた
そうして、今度は手札を持ったまま対峙しあう
平静の雰囲気が消える、もっとも、鬼気迫るとかではない、あくまで平静の雰囲気が消えただけだ
「それでは準備はいいかね?」
「いつでもどうぞ」
「では、カードバトル・・・!」
「カードバトル・・・!」
「スタート!!」
「スタート!!」
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