炎の精霊と火山と謎の剣 ダブモン!!7話/21
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亡霊が襲い掛かってきた!
「焼け死ね!」
両全手の手のひらを左右に出し、下の熔岩を幾体もののたくる蛇のように伸ばしながら俺の方に叩きつけてくる、だが!
「それ!」
剣を前に出すと同時に、剣が熔岩の蛇たちから熱を奪い去り、それらは傾き地に打ち崩れながら熔岩へと沈んでいく・・・
「なんだとっ!?」
「続けて喰らえ!」
剣を亡霊に向け、炎を放つ、
「むっ?」
亡霊はまともに炎を浴び
「ぐわわっ!?」
右全腕でそれを振り払う、
「ええい、邪魔をするな!」
するとまたも熔岩の蛇が・・・
「これならば!」
今度は熔岩の蛇が顔を上に上げ、それを振り降ろすと同時にいくつもの熔岩塊をこちらに飛ばしてきた!
剣を前に出すが、熔岩が冷えて岩になりながらも勢いは衰えずこちらに向かってくる!
ちぃい、だが!
その吸収した炎で刀身を伸ばしながら一気に縦にぶった切ってその炎の勢いで岩塊達を左右に弾き飛ばす!
「この!」
蛇たちがまたも頭を上げて熔岩を飛ばすが、
先ほどと同じように、熱を吸い取り、続けて今度は正面から来たものを横に斬り、
次いで放出され少し右から来たものを熱を奪いつつ縦に斬り、
またまたまた放り出された少し左から来たものを熱を吸収しながら斜めに斬り、
そうやって斬って行く中で一瞬、岩が飛んでこなくなる瞬間となる
ここだ!
「はっ!」
一気に前に躍り出て、剣を前にかざし、熔岩の蛇たちの熱を吸う、
蛇たちは見事に岩塊となり、斜めに傾いて床に着き下の方から溶けて行って傾き落ちて熔岩の中に沈んで行った
そして俺は宙に浮かぶ亡霊の方を見据える
「さぁ、次はお前だ」
奴を降ろすために、足元の石を拾い上げ、思い切り投げる・・・炎が効かないため、これしか遠距離攻撃の手段がないためだ、弓矢が恋しい・・・
それが奴の頭に当たり
「ぐっ!このぉ!!」
痛みでか感情的な声を上げながら両中腕を引くと、熔岩の中から棒状の熔岩が飛んできて、それが冷えて岩となりつつ奴の腕の中に納まる
「死ねぃ!!」
熔岩や岩の攻撃が効かないと判断したか、棒状の岩を構えながら一気に俺の方に飛んでくる・・・!
剣の師匠に教わった、獲物を斬る時はきちんと相手をひきつけ、自分の間合いに入った瞬間に・・・斬る!!
大きく振るった剣閃は、その炎熱により、熔岩の棒ごと、亡霊を叩き切った!
そして、その突進の勢いのまま、俺の背後に転がる亡霊・・・
「まさか、お前がここまで剣術に長けていたとは・・・」
聞こえた声は、俺が知っていた幼馴染の男の声だった、悲嘆に暮れていたはずのあの・・・
思わず振り返ると、そこには、黒髪でニヒルでゴツイ懐かしい顔がそこにあった・・・
「な!?」
倒れたその体を抱き起すが、すでにその体には大きな剣の傷があった、俺が付けたであろう・・・
「どういう事だよ!?お前があの亡霊の正体だったのか!?なんでこんなこと・・・!?」
「・・・妹が死んだとき・・・もう、この世界など要らないと、妹のいないこんな世界など・・・だから、演技までして、この世界を・・・滅ぼそうと・・・」
「あいつが死んだから・・・!?だからってこんなこと・・・大体、あんな力なんて・・・」
「は、もうあの力は使えんさ、もうあの力の、ライゼゴートは死んだ、お前のあの一閃で・・・」
「だが、お前は・・・」
「いいんだ、皆に迷惑をかけた報いだ、ああ、そろそろ逝かねば・・・妹が待ってる・・・」
「おい、待てよ、おい、おい!!」
俺が呼びかけるも、力なく頽れた体と瞼は、二度と力を取り戻すことはなかった・・・
「なんでだよ、なんでこんな試練を与えるんだよ、なぁ・・・
超越神様ッ!!」
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