海の街と鮫 ダブモン!!11話08
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本屋を出て道なりに歩いて行ってみる、
と、そんな中で俺は思いついたことを口にする、
「でもさ、マジックブックって、今から行く教皇庁じゃ嫌われてるんでしょ?」
「う・・・それは・・・そうなんだけど・・・」
「いくら魔族の物と言っても、無碍にしていいわけではありません、怪しげで背徳ではあるんですけど、楽しいですし、それに・・・」
「それに?」
「ダブモンたちの技術を借りれば、もしかしたら、魔力を介さずにマジックブックみたいなものが作れるかもしれませんから・・・そうすれば、今以上にマジックブックを受け入れやすいはずです」
「そういう考え方もあるね、確かに、今のままじゃ、色々使いにくい面も多いし・・・」
アクリスをレファンがフォローし、今度はアクリスがレファンの意見に賛同する、
「あ、そういえば、アクリスの言っていたそのとっておきのWカードのマジックブックっていうのは・・・」
「大丈夫です、この近くの図書館ですから、帰りに寄りましょう!!」
「あれ・・・?」
いきなり風と地が止まる・・・
もしかして、ミナトヘッドが止まったのか?
「お~今のうちだ!!」
「早く戻らんと置いてかれるからな!!」
家に挟まれた道の先より豪壮なそうな男たちの声が響く・・・
声の聞こえた方に行ってみると、そこには、大きく四角く作られた人工的な湾内にたくさんの木の漕ぎ船があり、
そこに男たちが乗り込み、湾の外に出ていくところだった・・・
「早朝と今の時間は父さんが止まるからね、みんなが漁に行くのよ」
湾にいたのは・・・アミマイサメ!?
アミマイサメが下半身入った海面より俺達を見上げ
「ここの下も親父の頭の内よ」
「そうなんだ・・・」
思わず感心してしまう・・・
「そういえば、なんでミナトヘッドは街みたいなことをしてるの?」
「昔、岩に挟まれていたところをたくさんの人間たちに助けられたことがあってね」
「それで父さんがお礼にってとっておきの漁場に連れて行ったんだって、そこでたくさんの魚と魚料理をお礼にもらって・・・」
「それで、それに感謝して、また別の漁場に一緒に行って一緒に魚とって、それが続いてね・・・」
なるほど・・・
「ああ、そんな話してたら思い出したわ」
「思い出した?」
何をだろう?
「明日になったら、ここの一番高い場所にある洞窟に行ってみなさい」
「なんで?」
「お宝があるかも・・・なんてね・・・」
「お宝?」
「行ってみてのお楽しみよ、そういえばさ!あなたたち旅してるんでしょ?」
旅・・・?なんだろういきなり・・・
「そうだけど・・・」
「それじゃあさ、ソダマモとワナリューの二人組知らない?私、地上にあんまりいられないから知らないのよ」
ワナリューってあの教会の一件で出てきた銃持った蜥蜴か!?
ってことはソダマモっていうのはあの騎士みたいなやつのこと・・・?
「え?ああ、そういえば洞窟で見かけたような・・・」
「え!?どんな感じだった!?」
「ワナリューをソダマモが追ってたって感じだったかな?ソダマモがいきなり現れてさ・・・」
「あいつら・・・まだ喧嘩してたのね・・・」
喧嘩って・・・
「ありがとね、お礼に街で唯一の宿への道、教えてあげるわ、もうそろそろ夜も近いしね、あそこの・・・」
顔を向け指示してもらったのは今来た真後ろの道のすぐ横、鋭い角度の分岐路の先、
そうして、アミマイサメに教えてもらった道を、
夕日で橙と赤に染まる街並みの中を進んでいくのだった・・・
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