バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

失踪、失意、絶望、/15 カードゲーム小説WカードFu

f:id:OirenW:20170802122808j:plain  
 

カードゲームライトノベル Wカードフュージョン9話 失踪、失意、絶望、15
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 「博士っ!?一体何を?」
 思わず声を大きくして質問した、すると、博士が僕の方を向き、ニヤリと左口角を得意げに上げ
 「なに、このコンソールであのロボットの制御をしとるらしくてな、少しぐらいならあいつの動きを止められるかも、と思っただけじゃよ」
 なるほど、あのコンソールはあの輪ロボの・・・
 「もっとも、あまり期待はせんでくれよ、どうやら、自動制御モードに入っとるらしくてなぁ、今回みたく毎回動かせるわけではない、ま、それとなく援護はしてやるから安心せい」
 はは、「了解!」
 実際にはあまり動かせないのかと苦笑しかけたものの、思い直し、思い切り返事を返す僕である
 「後、壊すんじゃあないぞ、あくまでわしらの狙いはあのロボットを壊すのではなく、そのロボットの輪っかの中のガードを壊すことじゃということを忘れずにな!」
 「了解!!」「了解!!!」
 今度は全員の返事の叫び声が唱和した
 さて、時々かもしれないけど、援護を受けられると、このまま突っ走れるかもしれないな!
 よし、それならまずは、チャージゾーンの右手で表側表示のカードを裏に返し、
 「リチャージ!」
 輪ロボの動きはぎこちない、
 ギギギギギ・・・
 だけど、徐々にこっちを向いてるな、なら早いうちに、
 右手で山札の一番上のカードを引き、
 「ドロー!」
 そして、こちらを向いた!
 「撃て!」
 刹那、署長の合図で、今度は右手の方に展開していた人たちが輪ロボの頭に向かい、発砲する!
 バン!バン!バン!
 弾丸は弾かれるものの、輪ロボの注意がそちらに向く!
 さて、今引いたのは機木の盾!
 これは後で使うとして今は・・・
 左手の手札からバトルマシンズ ライフブレイカーS・Lのカードを引いて1番に裏側で置き、
 さらに、続けて、同じように左手の手札からマシングラシスオードのカードを引いてチャージゾーンに裏側でパシッと打ち置き、
 「セット!」
 輪ロボの左腕拳がそちらの銃弾を浴びせかけた隊員たちの方に飛んで行く!
 「喰らわねぇさあ!」
 が隊員たちは一気に跳ぶように散ってこれを避けた、
 どうやら、隊員たちも少しずつ攻撃の避け方を学んできているようだ、
 さて、今のうちに1番に裏側で置いたカードを右手に持ち、表に!
 「オープン!バトルマシンズ ライフブレイカーS・L!!」輪ロボが左腕拳を戻しつつ、忌々しそうにあたりを見回す
 右手の方から輪ロボに向かって機関車が走り込んでいく!
 ところどころに黄色いふち取りがなされた藍色の機体色の機関車だ!
 前方機首中央にはパトライトと翼が象られた金のエンブレムも付いている!
 と、その機関車の機首の上に突如として白銀の片刃の刃が立ち上がった!
 内側が藍色で塗られた片刃の刃、
 さらに、突然、機体の中部から後部が上下に分割しつつ、上の方に分割した部分が左右に分かれ、
 機首を中央に左右に後ろに回していた肩を左右に出すように展開しながら先の方が開いて両手となり、中ほどから先が下の方に展開して地に付き、そこに力が入って機体を浮かせ
 下の方に分離した部分が両足を下に出すように回りながら中ほどから下が左右に分かれて両足となって、その両足を地に着けスッと立ち上がり
 機首の上の方から前の方に下げていてた顔を上に上げるように上げる、
 それは、機体色と同様に黄色でふちどられている藍色をしたカクカクした兜をかぶった剛殻な鋼の顔、
 口元に鋼鉄の薄灰色のマスクを付け、その上に緑の機瞳を持ち、
 機体全体としては黄色でふちどられた藍色で兜や胸部、腹部や両肩に、手と足の中程から下が彩られていて、
 両手と両足の白色に塗られている、
 と、頭の兜の後頭部から額にかけ、白銀の片刃が立ち上がった!機首のそれと同じように内側が藍色で塗られた白銀の片刃の刃だ!
 ん?輪ロボが今現れたライフブレイカーS・L、S・Lの方を見てるな、
 どうやら、今いる中で一番警戒すべきだと感じとったようだ、
 まぁ、パワーは高いからねぇ・・・
 と、S・Lも、その緑の機瞳で輪ロボの方をにらみ返しているな、
 なら、S・Lと輪ロボがにらみ合ってるうちに、こっちも色々進めておくかな、
 「僕はバトルマシンズ ライフブレイカーS・Lののコストに機鱗の盾、バトルマシンズブースト、マシングラシスオードの三枚を指定!」
 右手でチャージゾーンのカードを三枚表にしつつ宣言、
 向こうはコスト0だから表にするカードは無い!
 さて、ここからだ、S・Lに対するステークハマーはパワー1500、対して、S・L自身は2800、そのパワー差1300、この状況なら、S・Lの方が勝てるはずっ!
 例え、ボルトドライバー ステークハマーが効果を使っても、S・Lには及ばない!
 と、いきなり輪ロボの左腕手の手首の方に後ろから、ドリルが刺さった!?
 さらに、そのドリルの後ろに、尻尾が、先がプラスのドライバーとなって刺さり、
 ドライバーとドリルの二つの回転で埋まっていって、
 なんと、左腕手の先がドリルのようになった!?
 僕達が唖然としている中にも、S・Lは悠然と輪ロボに向かって立ち向かっていく!
 それはまさに鋼鉄の戦士!対する輪ロボも気合を入れ、ドリルを回転させつつその左腕手を突きつけてきた!ボルトドライバー ドリルプラスターの効果!?だけどっ!!
 S・Lはこれを紙一重で左手側に避け、そこに杭の付いた右腕拳が迫っていく!
 S・Lはこれも左手側に跳んで避けようとする、しかし、右腕拳の方が速い、間に合うか!?
 「やらせない!!」
 そこにカーディンが左半身側から跳んできて、右足で右腕拳を蹴り飛ばし両手で抑え込んだ!
 同様にいつの間にかスルモーが左腕手の根元を抑え込んでいる!よし、今なら!!
 S・Lが輪ロボに向かって突っ込んでいく!
 すると、不思議なことに、輪ロボの尻尾が再び左腕拳に埋まったドリルの根元に突き刺さり、更にドリルを回していく・・・?一体何をしてるんだろう・・・?
 すると、そのドリルの回転がいきなり激化、
 ギュリリリリリ!!
 大地に叩きつけられ、その反動で左手腕が振動、スルモーの抑えこみを吹っ飛ばしてそこからスルモーそのものに向かってドリルを振り回し、スルモーの横からドリルを当てて吹っ飛ばす!
 スルモーは壁があるはずなのにもかかわらず、そのままどこかに吹っ飛び消え去った!ボルトドライバー エマージェンシーコーポレート、戦闘前タイミングのハンドカード!?
 げっ、これは、まずい・・・でも、こっちは発動できるカードが何も・・・
 まわりが見守る中、左腕手がS・Lの方に勢いよく向かって行く!
 S・Lは輪ロボの前に立ち、今まさに輪ロボに攻撃をかけようと右手を握って振りかぶったところだったが、
 左わきから突如ドリルが飛んできて腹部にかすり、吹っ飛ばされる!
 あれ、かすっただけ?きっちり攻撃当てられそうだったのに?S・Lに攻撃仕掛けたんじゃないの?じゃあどこに・・・
 と、ドリルの先にはカーディンがいた!狙いは、右腕拳を抑えたカーディンか!
 「来いっ!」
 カーディンが右手で右腕拳を抑えつつ、左拳を握り構える!
 が、そこでいきなり右腕拳が暴れ出した!
 「ぐっ、おとなしくしろ!!」
 カーディンがあわてて両手で押さえるも、そこにドリルが迫ってきて、カーディンを脇から弾き飛ばした!
 「ぐわぁ!」
 やはり、いくらカーディンでも両腕拳同時は無理があったか!
 晴れて自由の身となる右腕拳が宙に飛び、S・Lに狙いをつけ、襲い掛かる!
 そして、甲から、その杭を打ち出した!
 杭を右手側に避けつつその杭を左手で持って右腕拳を抑え込み、右腕拳に向かって今度は自身の右拳を突き出すS・L、
 すると、いきなり右足下から左腕手が飛んできてS・Lを上に吹っ飛ばす!!
 しまった、空中じゃ誰も援護できない!
 カーディンがあわてて立ち上がって左腕手の線を持ち、隊員たちがその銃を左腕手に向かい撃つも、左腕手の動きが少し鈍った程度で両腕拳に意味は無いのか、
 そのまま宙に飛んだS・Lに向かって右腕拳がぶん殴り、左腕手が弾き飛ばし、左右腕拳が前後から挟み込む様に攻撃を加え、
 フッっと、S・Lを離して下に落とす、
 ミスか、このままS・Lへの攻撃が終わるのか?
 と思った束の間、左腕手と右腕拳が一気に下降、下の方から勢いよくS・Lの方に飛んで行き、
 そのまま左腕手のドリルと右腕拳の杭が交差するように突き刺さり突貫、S・Lが爆発、消滅する!「ライフブレイカーS・Lェエエル!」
 ゴロン、カーディンが叫ぶ中、カーディンの足元に、何かが転がってきた、
 それは鉄の箱、等間隔で穴の開いた穴あきの鉄骨で出来た立方体の箱である、
 あれ、あの箱は・・・
 「こんのぉおおお!!」
 その鉄の箱をカーディンが拾い、輪ロボの胴に向かって投げ放つ!
 輪ロボはそれを上半身をそらせる形で避けようと
 「させんわぁ!」
 博士の声が響くと同時に、輪ロボの動きが一瞬止まった!
 恐らくは、博士が何らかの操作をしてくれたのだろう、
 ううん、さっきまでの状況から察するに、輪ロボ本体の胴体の動きはある程度どうにかできるが、両手や頭、尻尾に関してはどうにもならないと考えた方がいいだろうか・・・
 そんなことを考えている間にも、カーディンが投げた鉄の箱が輪ロボに迫って行き、
 ビヨヨ~ン!!
 その鉄の箱がバネが弾けるように人型に変形した!
 それは、穴あきの鉄骨が無作為に集められ、人型を成したもの!
 どうでもいいが、あの鉄の箱、スケルトンキューブ、キューブはいつからいたんだろ?S・Lと入れ替わるように出て来たけど・・・
 細かいこと考えたら負けか、
 そのままキューブが右拳を突き出し、輪ロボの胴体にその拳を突き入れた!!
 「よしっ!」
 カーディンの気合の入った声が響くが、いつの間にかカーディンの前後に、輪ロボの左腕手と右腕拳が迫ってきていた、さっき、カーディンが我を忘れてキューブを投げつけている間に近づいてきていたのだ!!
 「しまっ・・・」
 もう避けれる距離ではない、カーディンの戸惑いの声と同時に、
 カーディンが前後からドリルと杭に交差するように攻撃される!
 「グハァアアア!!」
 カーディンの悲鳴があたりに響き渡っていく!
 「カーディンっ!?」
 
――――――――――――――――――――――――――――――――――――